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2020-02-24

2020年2月23日 雲嘉大尖山 - 獨立山縱走 茶畑の山々を歩く

梨子腳山へ茶畑の稜線を行く、左の山は大籠頂山
前日石壁山登山の後一泊し、雲嘉大尖山から独立山へ、いわゆる雲嘉連峰の縦走をした。この連峰は、雲嘉大尖山,梨子腳山そして獨立山の三峰の小百岳があり、一日の縦走で三座ともカバーできる特別な連峰でもある。雲嘉大尖山は、四年前古坑鄉華山の登山口から登頂している。その時は、いずれ近くにある残りの小百岳を訪れることを考えた。今回はそれが実現できた。

北から南へ縦走
基本下りの縦走
華山の民宿から大尖山を仰ぎ見る
6時過ぎに起床、外にでると咖啡大街から見る雲嘉大尖山が高くそびえている。大尖山と呼称されるのがうなづける。昨晩の夕食と同じに、民宿の朝食も少し離れた場所にある食堂だ。7時半前に食事を終え、昨日下ってきた149号道路を登り返す。峠近くで右側の道を取る。7時45分に大尖山東側の登山口に着く。車が二台あるので、一台を縦走の終点に駐車しておき、下山後その車で出発点まで戻る計画だ。メンバーが下車した後、二台で連なり獨立山の登山口へ向かう。山腹を行く車道を進み、太平から獨立山方面への道に入る。約30分ほどで、奉天岩下の獨立山への道入口へ着き、一台を残してまた大尖山へ9時少し前に戻る。

登山口へ車で向かう、前方に大尖山
茶畑の脇を大尖山へ登る
これから全員で縦走開始だ。四年前は反対側の華山からスタートし標高差約900mを登った。今回は約300mほどの標高差で、登りはずっと少ない。しっかりした道標や道が整備されている。登りはじめすぐに民家脇を過ぎると茶畑の間を登る。雲嘉連峰の大籠頂までは、山稜はほとんど茶畑に開墾されている。まさに茶畑を行くのが、雲嘉連峰縦走だ。腰の高さの茶の木だけなので、冬とはいえ強い南部の日差しにさらされちょっと辛い。階段道をひたすら登る。一度集落を通り過ぎ、また茶畑の間を登る。9時20分、涼亭で休憩する。茶畑の向こうに、昨日の石壁山や、その左側には阿里山山系の山々が連なる。

茶畑の向こうに昨日登った石壁山
前方に大尖山を見て最後の登りを行く
大尖山山頂、一等三角点
また少し登ると、舗装農道にでる。右に道なりに進み、また階段の登山道が現れる。ひたすら茶畑の間の急坂を登る。林の中に入り少しいくと、9時45分雲嘉大尖山山頂(標高1305m)に到着する。すでに大勢のハイカーが山頂で休んでいる。天気もよく、今日は多くのハイカーと出会うだろう。20分ほどの休憩後、縦走路を歩き始める。林の中を石段や土の道を進んでいく。10数分で二尖山山頂(標高1279m)にある茶屋に着く。茶屋のすぐ下には駐車場もあり、ここは登山というよりは観光地だ。近くには出店も多くでて農作物を販売している。
出店も多い二尖山山頂付近
コーヒー畑の脇を行く、前方左は馬鞍山
長い歓談を鞍部休憩デッキへ下る
引き続き稜線道を進む。林を抜けると開けた茶畑とコーヒー畑を過ぎる。圧倒的に茶畑が多いが、ここは台湾コーヒーの有名な産地でもある。畑の中を下る階段を降りきると休憩デッキがある。休憩をとる。風が吹きぬけ、汗が引く。四年前は、ここから華山に下山した。休憩後稜線の道を登る。標高差約100mを登り切り11時12分、馬鞍山(標高1265m)につく。山頂の周囲は竹林、展望はない。

鞍部の休憩デッキから華山を見下ろす
@馬鞍山
 茶畑の間の稜線道
下っていくと、また茶畑が延々と眼前に連なっている。霧が少し出てきた。ここまでくると、遊楽客はさすがに少なくなる。道も純朴な土の道か、茶畑にアクセスするための舗装された農道になる。たおやかな茶畑の間で小さな上り下りを繰り返す。石畳が現れ林の中に入って間もなく、11時39分梨子腳山(標高1176m)につく。ここも周囲は竹林で展望はない。ベンチで休憩をとる。

梨仔腳山山頂
太平の集落を下方に見る
三元宮、右遠くの山は梨子腳山
山頂から下る。左に太平の集落を挟んで、ほぼ同じ高さの大籠頂が座っている。今日の縦走は、雲嘉大尖山を最高点にして基本は下っていくルートだが、大籠頂の標高差約200mの登りが待っている。下っていき、右に太平山の道を分ける。太平山を入れて雲嘉大尖山から獨立山の縦走を雲嘉七峰縦走と呼んでいるが、我々は太平山をスキップしたのでさしずめ雲嘉六峰縦走というべきか。舗装路を下り、12時7分三元宮につく。太平集落を見下ろす丘に建つこの廟は、わきの駐車場も含めとても規模が大きい。廟の一角の日陰で昼食をとる。

三元宮から太平老街を見下ろす、背後は大籠頂山
太平老街
大籠頂への登りで梨子腳山など雲嘉連峰を望む
12時45分、廟から参道の階段を下り太平老街におりる。休日の今日は、遊楽客でにぎわっている。様々な食べ物の店や出店の間を進み、街はずれの竹林茶坊から孝子路步道に入る。石段道を登り、162号甲の道路を吊橋で越える。引き続き登り、平らになると13時前方に涼亭が現れる。孝子路步道から離れ、左に大籠頂への道を進む。茶畑のヘリになる稜線上の道を登っていく。左遠くには、歩いてきた梨子腳山から北に延びる連峰がある。そのうち石畳が現れる。石階段を登りきると、茶畑の先に茶屋がある。茶屋の脇を回り込み山頂と思われる平らな場所に行く。13時24分、車も停めてある広場で休憩をとる。

茶畑に囲まれた大龍頂山頂
奉天岩へ檳榔畑の中を下る
10分ほどの休憩後、獨立山に向けて下り始める。少し茶畑のヘリを進み、分岐にくる。左は石壁腳へ下る。右の稜線上の道を進む。茶畑から森の中の道になる。下る途中、多くの小さな子供連れ家族とすれ違う。台湾も子供のころから山を登る環境になってきているようだ。13時50分、雑木林から抜けて檳榔林のなる。獨立山の周辺は、大きな檳榔林だ。さらに15分下り、奉天岩の廟につく。広い境内では宴会が進行中で多くの人が食事をしている。我々はその下のフロアで休憩をとる。下方に獨立山の頭が見える。

森林鉄道の脇を進む
@獨立山
14時25分、奉天岩から下り朝に停めた車を見る。そのすぐ近くから獨立山へ向けてさらに下る。5分ほどで阿里山森林鉄道の線路に降りる。線路沿いに進み、樟腦寮駅と獨立山駅への十字路分岐から、階段道を登る。14時39分、獨立山山頂(標高840m)につく。涼亭があり休憩をとる。獨立山は、阿里山森林鉄道の線路がとぐろを巻くように山をぐるぐると巡り高度を上げていく山だ。阿里山森林鉄道自体が、世界でも珍しい高山鉄道だが、獨立山のループもとても珍しいものだ。休んでいるうちに、下ってくる列車がトンネルに入る前の警告汽笛を数回聞く。休日には、列車が嘉義-十字路(奮起湖)の間を三往復している。

獨立山ループの説明板
獨立山駅
20分ほどの休憩後、往路の階段道を下り右に獨立山駅(標高743m)へ行く。今を去ること40年前、初めて森林鉄道で阿里山を訪れたとき、獨立山駅を通り過ぎたことを覚えている。本日最終便が来るので、まだ駅員が待機している。しばらく駅で過ごした後、車を停めてある場所へ登り返す。15時半前に駐車場へ戻り、今日の歩きを終了する。停めてある車に乗り、約30分で大尖山の登山口に戻り、二台の車で台北に帰る。途中第三高速が混雑し、台北に戻りついたときは22時を回っていた。

朝に歩き始めた大尖山登山口、左に大尖山
縦走は、休憩も含め約6時間半、距離は10㎞強である。下りがメインだが、それでも最初の大尖山への部分も含め累計で830mほど登っている。下りは約980mだ。このルートは、縦走するには交通の便をどうするかの問題があるが、道の状態は問題なく広い景色を満喫しながら歩ける、良いコースだ。勿論天気が悪ければ、雨風にさらされるので避けたほうがよい。レベルとしてはクラス3である。一度の小百岳三座をカバーでき、茶畑の間を行く、特別なルートでもある。

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