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2021-01-11

2021年1月9日 嘉義大湖尖山 台湾南部の小百岳を登る

下山途中で見る大湖尖山,霧が晴れてきて山頂が望める。麓には檳榔林と茶畑

台湾北部の冬は、東北季節風と湿った空気で雨が多い。今年は特に雨が多いようだ。今回は、そうした台北を逃れて台湾南部へ登山にいった。場所は嘉義縣の大湖尖山である。土日の週末、参加メンバーの車で訪れ二日の山行だ。台北から南部へ向かうと高速道路経由で4時間ほど必要だ。そこで一日目は短い時間で登れる場所を選び二日目は朝から行動する山行というパターンでの計画である。二日目の主要な目的地脈脈山と雞子山への途中にある小百岳大湖尖山に立ち寄った。

反時計回りに回遊
前半は急坂
筆者は過去63座の小百岳を訪れている。特に北部の小百岳は複数回の登頂もあるが、離島も含め台湾全国に散らばっているので、縦走一回で複数の山を訪れることができる百岳より百座全部をカバーするのは、簡単ではないともいえる。小百岳は2000mを越える山がある一方、数十メートルの山もある。選定の条件は高さではなく、各地を代表するものだ。大湖尖山は、台湾西部の平野から阿里山山脈へと高度が上がっていくその入口にある。標高1313mで麓には茶畑が広がるが、山そのものはその名が示すように尖った急峻な山壁に囲まれている。あまり歩かれずに草深い小百岳もあるが、当座の登山道はしっかり完備されている。

道案内板のある登山口にて

159甲県道を山へと登る
今回は二台の車、メンバー10名で台北を6時半に出発する。一路高速道路を南下し、9時10分に第一高速の民雄インターチェンジで降りる。インターチェンジ近くのコンビニでもう一台の車を待ち、159県道から159甲県道へと山へ入っていく。10時40分、159甲県道の脇に大湖尖山への道標がある分岐に来る。左に畑の間を登っていく。数分で涼亭が左にある登山口(標高約880m)に着く。ここで車を停め、支度をする。平地では天気が良かったが、ここまでくると霧が濃く、残念ながら展望は望めないようだ。気温も、ちょうど訪れた強い寒波のために低めだ。

涼亭のある登山口、ここに車を駐車
急な階段道が始まる
急な石段道が続く
11時過ぎ、大湖尖山登山步道0.9㎞と記してある道標の方向へ歩きはじめる。急な坂を登り、11時8分、急な階段が始まる場所にくる。わきには案内地図があるが、ちょっと簡単すぎてあまり役に立たない。階段を登り始める。事前に急な階段が続くとわかっていたが、実際その通りだ。わきにはずっと手すりがあるのは良い。段差の大きなステップもある。登ること数分で、緩やかになり、右に二つ目の涼亭を見る。そのわきからまた急階段が始まる。つづら折れでのぼり、一度緩やかなセクションを行く。階段は木製枕木に最近取り換えられたようだ。11時34分、右からの舗装路を合わせ三番目の涼亭がある。少し休憩をとる。体がだいぶ温まり、ジャケットを脱ぐ。

右に二つ目の涼亭がある

三つ目の涼亭で休憩

涼亭のある大湖尖山山頂
大湖尖山山頂の筆者、表示の標高が異なる
また階段道をひたすら登る。11時58分、大湖尖山山頂に登りつく。最後は右に巻いていく道もあるが、山頂で合わさる。山頂はそこそこ広く涼亭もある。標高差約430mを約1時間で登ってきた。水平距離は1kmちょっとでこの落差なので、きついがそれだけ速く登れる。三角点の脇には、古い地元山岳団体の建てた山名表示がある。標高は1357mとなっている。一方それより新しいとおもわれる表示は1313mだ。かなりの差異だ。食事休憩をとる。メンバーに一人がお茶を沸かしてみんなに振る舞う。

天雲山へ向けて鞍部へ下る
12時46分、天雲山へ向けて進む。往路を下ると簡単に終わってしまう。時間もあるので、天雲山を登り、下りは別の道で回遊する。すぐに急な下り坂があらわれる。先ほどの整備された階段道とは違い、こちらは土の道だ。急なセクションにはロープが取り付けられている。尾根も狭いセクションがある。13時5分、約100m下って鞍部を通過する。こちら側もかなり急な坂が現れる。樹木が切れる場所もあり、天気が良ければ展望があるだろうが、周囲は霧で真っ白だ。ロープもある急坂を登り切り、13時27分最高地点と思われる場所に来る。ここには三角点などはなく、山頂ではないようだ。そのすぐ先から道は下り始める。地図上では三角点は道わきを少し入ったところにあるようだが、そこへ行く道はない。そのまま下っていく。

天雲山へ登り返す
表示はあるが天雲山山頂ではない
竹林を下る
濃霧に竹が浮かぶ間の坂道を下る。大きな倒木を過ぎて間もなく、13時48分左へ稜線を離れ下る道が分岐する。稜線をさらに進めば文峰山へと続く。左に道をとり、下る。数分で山道は終わり、舗装された道に降りる。この道は檳榔林などへと続く農道の性格だ。苔や落ち葉で覆われ車が入ることがないセクションを過ぎ、14時7分檳榔林が始まる。さらに下ると、山腹には茶畑が広がる。左に霧が薄れて大湖尖山が姿を現す。道端には、龍鬚菜が無造作にはえている。茶畑や野菜の棚の間の道を下る。農家の脇をすぎ、14時28分車を停めてある登山口に戻る。約3時間半、4.4㎞の気軽なハイキングであった。霧が濃く展望がなかったのはちょっと残念だ。登坂575m、下降546mでコース定数14である。


檳榔林の間をくだる
14時40分、今日の宿泊先阿里山鄉達邦村の給巴娜民宿へ出発する。159甲県道は、山襞をぬって進む。約10㎞ぐらい進んだところで登山ステッキを忘れたことに気づき、引き返すこともあり、民宿には17時前に着いた。もしこのハプニングがなければ、1時間半ぐらいで着いたはずだ。民宿近くの唯一の食事処で夕食をとる。今日は土曜日なので、民宿脇には地元の人が集まりカラオケパーティをやっている。8時過ぎになるとカラオケは終わり、山深い村は静けさに包まれる。我々も明朝が早いので、就寝する。

民宿への途上で見た藍腹鷳

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