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2022-11-26

2022年11月20日 貓空草湳古道 - 猴山岳 - 魚衡山 前半ラクラク後半苦労登山

ハイキング最終点で、景美溪に架かる白鷺橋から見る魚衡山
木柵貓空の猴山岳は2011年に初めて訪れた後、数回歩いている。いくつかある登山ルートもほぼ皆歩いた。今回は、その南山麓を行く草湳(岐山)古道を歩き、稜線に上がって反対方向に猴山岳と猴山岳前峰まで歩いた後、下山にはさらに北にある魚衡山を経由して深坑に下りた。草湳古道、草湳大榕樹から上がる峠越え道、そして魚衡山は今回初めて歩くものだ。台北の天気は前日の19日まで、3日ほど良い天気であったが、少し下り気味で猴山岳の稜線を歩いているとき、ちょっと小雨があった。それ以外は曇りで、まだ助かった。

指南宮から深坑へ
前半の猴山岳前峰そしてそれを下った炮仔崙歩道までは、とても良い道であった。ところがそれから分岐し向かった魚衡山は、この数年ほとんど歩かれていないようで、草が多く茂りまた道筋も消えてしまっているところもあった。要は不人気山で、鎌をもっていかなかったことを後悔したが、それでも幸いトゲトゲの黃藤には出会わず、ヒッツキムシ(竹葉草)が衣服や手袋にびっしり着いただけで、歩いたことはよかった。この状態では、人里近いがルートファインディングが必要だ。
猴山岳前峰にて

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指南宮バス停
今回の山行は、ちょっと楽なルートを歩くという趣旨で、登りを少なくするため出発点の指南宮へは歩くのでなく、538番バスで向かう。8時13分台湾大学近くのバス停で乗車、途中参加の一名が乗りあわせる。約30分の乗車で終点指南宮バス停(標高192m)に到着する。参加を表明していた二名がキャンセルしたので、今日は二人パーティである。

指南宮参道の商店街アーケイド入口
招き猫?
9時に出発する。休日の今日でも参道沿いの商店街は閑散とし、時間のせいもあるだろうが、大半の店は開いていない。貓纜ケーブルカーを利用する人や、車で来る参拝者が増えたのだろう、この商店街は昔のにぎやかさを取り戻すのは難しいように見える。猫が店先で、招き猫の如くたたずんでいる。商店街を過ぎ、指南宮へと石畳道を行く。登るにつれ、右側の景色が開ける。眼下の木柵、その背後の丘の向こうは台北の街、そして觀音山も判別できる。純陽寶殿の階段を登り、廟に入る。

純陽寶宮から見る木柵や台北方向の景色
純陽寶殿前庭
貓纜指南宮駅
対岸猫空の峰々(三玄宮山 - 鵝角隔山)
山門を抜ける
廟の左手から出て、和諧之道をケーブルカー駅へとゆっくり登っていく。ケーブルカー駅の下展望台からは、今度は貓空の山や谷が広がる。過去に歩いた稜線や山峰が判別できる。指南宮山門を抜け、指南路三段157巷を進む。右に谷に下る大台北縱走路の分岐を過ぎ、9時42分草湳(岐山)古道の入口(標高288m)が左に開く。157巷の車道は下っていくが、古道はほぼ水平に進んでいく。踏み跡も結構はっきりしている。

台北大縦走は右の下っていく道
草南古道入口
道筋のよい古道
古い宣伝看板
土留壁の上端を行く
途中で下を行く車道の土留壁の上端を横切る。驚いたことに、古い食事店の宣伝看板が道端にある。さらに進むと、廃棄された大型の公衆トイレがある。その昔は、この道はハイキングルートで、けっこう人出があったのだろうか。10時12分、右下の指南路から上がってくる阿柔洋產業道路の近くにある土地公(標高308m)で少し休憩をとる。

廃棄トイレ
土地公で小休憩
草湳大榕樹の分岐
峠道は民家脇の階段から始まる
峠道の道標
産道を少し登り、草湳大榕樹の分岐で左に峠道をとる。二格山荘という看板が目立つ。この道は稜線を越えて深坑側へと続く道だ。阿柔洋產業道路ができる前は、この道が峠越えの主要な通路であったのだろう。登ると民家の犬がしきりに吠える。民家脇階段を登り土の峠道が始まる。

踏み石の峠道

ベンチのある峠
稜線道
石段を登り、竹林を過ぎると森の中の道は勾配を増す。ところどころ現れる踏み石が古道を感じさせる。10時50分、峠(標高490m)に到着する。ここは峠道と稜線道の十字路だ。少し休み、左に猴山岳へと尾根道をとる。尾根道はとても広く、多くの登山者が訪れていることを示している。本来は五月に咲く相思樹の黄色い小花が路面に落ちている。しばらく高度を稼いでいく。対向の単独や数人の登山者とすれ違う。路面に落ちた山茶花の花も目立つ。

落ちた山茶花
傘をさして小雨の道を進む
猴山岳の筆者
天気予報では降雨確率半々であったが、高度が上がったことも手伝い、深坑側は霧がたち込め、ちょっと小雨が降り出す。11時28分猴山岳山頂(標高551m)を過ぎる。少し下っていくうちに、小雨も止んだ。11時35分、登山者が大勢休んでいる猴山岳前峰(標高510m)に到着する。12年前に初めて訪れたときに比べ、山頂脇の山林投が刈られ、さらに広い視野がある。山頂のベンチで食事休憩をとる。

雨も止み猴山岳前峰へ向かう
前峰からのパノラマ
子供連れのパーティ
食事をしているうちに、指南宮方面から小学生ぐらいの子供数人を含む家族連れパーティが登ってきた。我々がきた稜線を縦走するという。台湾も子供の登山をだいぶ見かけるようになった。猴山岳前峰から左に指南宮へ下れば、まさに気楽なハイキングになる。12時20分、右に深坑側に下る道を歩き始める。

岩場を下る




猴山岳前峰の周辺は結構切り立っている。こちら側の道もロープの岩場急坂である。さすがに人気ルートなので、砂岩の岩に足場が彫られ、ロープも太い。10分ほどで分岐に着く。左は指南宮方面へとつながる。右にとり進み、12時45分、炮仔崙步道の分岐(標高367m)に来る。この分岐は左にとり、次の目的地である魚衡山へと向かう。タケノコ畑を過ぎ、下って民家脇にでて、12時55分新光路二段74巷に降りる。車道を少し進み、登山道が始まるところに建つ涼亭(標高336m)で休憩する。涼亭からは台三高速道路の高架橋を挟んで、南港山が並び、手前にはこれから向かう魚衡山がその山頂を見せる。

更に下る
タケノコ畑の脇を行く
新光路二段74巷に降りる
登山道入口の涼亭
台三高速道路の向こうに南港山
炮仔崙步道から深坑を望む
石段を下る
更に炮仔崙步道を進む。畑脇の道を下り、石畳の古道風情の森の道を行くと、涼亭が現れる。そのわきには廃棄された民家がある。10年前に訪れたときには、まだ人が住んでいた。民家脇を行き、幅広のよい道を行く。13時25分、萬家香停車場への分岐に来る。そのまま直進する。ここからは初めて歩く部分だ。

廃屋とその向こうに涼亭
幅広の良い道
雑草に埋もれたベンチや歩道
草の中の枕木階段道
それまでの歩道に比べると、ベンチや枕木階段が設けられているが、草深くほとんど歩かれていない。朽ちて文字も判読できない道しるべを過ぎ、その先の分岐で左に曲がって、13時40分車道に降りる。左に少し進むと道は終わり、犬がしきりに吠えたてる。山道は、ほとんど消えかかっている。用水池の脇を登り稜線に上がる。道は完全に途切れた。

朽ちかけた道しるべ
舗装路の終わり、犬が吠えかかってくる
貯水池脇の細い道を進む
道なき道を前進
ロープのある下り
マーカーもなく、手持ちのGPS地図と比べ稜線を登る。送電鉄塔下に上がり、稜線をさらに進む。保線路なのか、そのうち道らしくなってくる。ちょっとしたロープの架かる下りを過ぎ、14時4分、2016年の藍天隊道しるべを見る。道しるべは魚衡山は 30~40分とある。所々に現れる比較的新しいマーカーは、まったく歩かれていないというわけではないようだ。草深い場所では、ヒッツキムシ(竹葉草)が思いっきり衣服や手袋に取りつく。14時15分、草深い魚衡山南峰(標高188m)に着く。

2016年の道標
魚衡山南峰山頂
魚衡山との鞍部へ急坂を下る
魚衡山への道はどこかと探す。結局南峰の基石から少し戻った北側に、ロープが取り付けてある。ここが降り口だ。急な坂を残るロープを頼りに下り、鞍部から登り返す。雑木林の中には日差しが差し込む。天気は持ち直している。さらに進み、14時50分、樹木に囲まれた草の中の魚衡山山頂(標高175m)が現れる。

シダに覆われた道
草の魚衡山山頂
最近人が歩いた形跡あり
山頂から文山路三段へと続く道は、最近人が入ったようで、道筋が少し良くなった。地図上ではほかの道もあるようだが、分岐は全くわからない。道なりに下ると、かなり急な坂もある。15時15分、墓地の一角にでる。さらに下り、廃棄された民家の中を通って、交通量の多い文山路三段に出た。道端でしばし休憩し、文山路から白鷺橋を渡る。橋の上から先ほど苦労した魚衡山が川向うにたたずむ。16時、北深路の深坑郵局バス停に到着、しばらくしてやってきた819番バスで台北へ帰った。

墓地に出た
北深路上の深坑郵局佔
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厄介なヒッツキムシ
魚衡山は、ネット上で最近の記録はなく、あまり人気がないのはわかっていた。道の状態は予想以上に悪かった。2016年に手入れされて以降、ほどんど登山者がいないようで、道は自然に帰ってしまっている。前半の炮仔崙步道までは、まったく問題ないが、その後の魚衡山はルートファインディング経験者向けだ。距離9㎞、登坂450m、下降650m、行動時間7時間。コース定数は20で、体力的には楽であるが、魚衡山は苦労した。

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