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2024-03-19

2024年3月10日 台灣南部小百岳 刣牛湖山/白雲山 三日間の南部山旅第一日

三日山旅の対象
台湾にはいくつ山があるのだろうか。台湾北部の主要な山は、低山から高山までかなり登ってきた。しかし中南部は、まだまだ多くの山が未踏だ。では、この地区のどの山から登ったらよいのであろうか。高山については、百岳がある。その他の山では、小百岳や台湾百名山が参考になる。後者は、百岳や小百岳とも重なる山がある。いずれにしても、その選定条件として、各土地の代表としての意義があるので、まずはこうした山を登りその山域の理解を得ることができる。

刣牛湖山山頂のメンバー
今回三日の山旅は、そのメインテーマは南橫公路上の登山口から日帰りできるいわゆる南橫三星中の二座、關山嶺山と塔關山であるが、そのアプローチ上にある小百岳を台北からの往復の途中で訪れた。往路上で訪れたのは、台南市の東側にある烏山山脈上の小百岳刣牛湖山、及び台20線南橫公路上に登山口がある、一等三角点の白雲山である。前者は、数年前に烏山山脈の南の部分を訪れたが、そこから更に北へ進んで刣牛湖山を登頂することがなかった。一方、後者白雲山は、南橫公路梅山口への途中で簡単に立ち寄れるので、今回の対象とした。

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夜明け前に台北を出発
今回は山仲間が運転してくれる車で移動する。夜明け前の5時に集合し、都合四名で台北を出発する。前日3月9日、日本の福島県安達太良自然センターの二人を陽明山の南勢湖古道と魚路古道へ案内した。彼らの安達太良山を含めた朝日磐梯国立公園内の火山や温泉を巡る山旅ルート、ボルケーノ・トレールの姉妹ルート的な陽明山ボルケーノ・ルート候補を調査するためで、その手助けとしての同行である。夕方自宅に戻り、急ぎ準備して早めに就寝、今朝を迎えた。

第一高速から第84号快速道路で玉井へ
山が近くなる
第一号高速にのると、ウィンドシールドには雨粒がつく。次第に明るくなり、第三高速西湖レストエリアで休憩する。一週間前に白龍縱走を歩いた場所の近くだが、今日はどんよりとした天気だ。更に南下し、第一高速から第84快速道路で玉井へ向かう。玉井はマンゴーの里として知られる。玉井から南下する台3線の両脇は、開花したマンゴー果樹園が続く。南176号市道を登り、8時半前に紫竹寺に着く。多くの登山者は、ここに駐車して登るようだが、我々はさらに10分ほど急坂を車で登り、金光山福德財神廟で車を駐車する。高速道路網が発達したおかげで、3時間半で着いた。

刣牛湖山

金光山財神廟から往復
金光山財神廟
数年前の訪問時は、夏の晴天で暑かったが、きょうは霞が深く対照的だ。8時50分、歩き始める。今日は日曜日なので、登山客もそこそこいる。幅広稜線上の産業道路を少し下り、左に烏山步道の道標をみて山道に入る。甲仙步道と白地に赤字でかかれた石碑を過ぎ、登り始める。すぐ近くには道端の樹幹に緑色長城東南段と記された縦走路標識がある。

左に烏山歩道を進む
白地に赤字の甲仙步道の石碑と左の樹幹に道標
山道を登り始める
稜線上を忠実に負っていく道は、起伏を越していく。歩き始めて25分ほどで、左側が開ける。残念ながらどんよりした天気で遠望が利かない。天気が良ければ南化水庫ダムも見えるはずだが。草の間の道は、踏み跡ははっきりしている。9時23分、刣牛湖山西南峰(標高752m)を通過する。

稜線上を行く
視界が開けるが展望はきかない
舗装路にでる、樹木の背後に鉄塔が見える
稜線道は下り、右に東側から登ってくる舗装路と合流する。そのすぐ近くには通信鉄塔が立ち、その西側を進む。灌木と草藪の間の道を淡々と進む。最後に少し登り返し、9時48分刣牛湖山山頂(標高799m)に着いた。山頂は西側は展望ができるが、今日は白壁状態で、ほぼ景観はない。地元台南の青年が登ってきて会話する。

稜線山道の道標
樹木の脇を行く
草藪の間の道
刣牛湖山山頂
刣牛湖山南峰への分岐(左)
15分ほど過ごした山頂を後に、往路を戻る。途中、左に分岐する細い踏み跡に入り、刣牛湖山南峰(標高775m)を往復する。10時29分、通信鉄塔まで戻る。そこからは往路を外れ、東側山腹を行く舗装路を進む。この道は、鉄塔への物資やメンテに使われているのだろう。途中で、下から登ってくる道と合流し、登り返して10時50分、烏山步道の分岐へ戻る。更に少し登って11時に福德財神廟に戻った。約5.4㎞、上昇215m、下降192m、2時間15分の行動であった。コース定数8である。

刣牛湖山南峰山頂

山腹を行く舗装路
ここを登れば金光山財神廟だ
南化水庫入口を通過
11時10分、車で下り始める。紫竹寺の大きな境内を通り過ぎ、台3線を玉井方向へ戻る。台20線南橫公路との分岐で東にとって進む。11時38分、南化水庫の景観スポットで車を停め、昼食をとる。遠くまでは見えないが、それでも湖面やダムが望めて、良い場所だ。

景観スポットから見る南化ダム
甲仙の街をぬける
約半時間の食事休憩後、更に車を駆って台20線を進む。峠を越した後、下って甲仙の街をぬけ、また山道を登っていく。12時30分、第20線64.5Kの産業道路分岐に着く。ここから山へ向かって細い産業道路がのぼって行くが、四駆でないと難しいようなので、歩いていくことにする。支度をして、歩き始める。

白雲山へ続く道路入口

白雲山

台20線64.5Kの入口から往復
ひび割れしたコンクリ舗装の道
道はコンクリ舗装されてはいるものの、割れたりしてギャップが大きい。つづら折れに高度を上げ、12時57分土地公のある稜線上の峠に上がる。右は西部亭山へと行く。左にとり、道なりに追っていく。途中道端両側に、動物の内臓と思われるものが転がっている。このような場所になぜあるのか、不思議だ。途中崖崩れがあり復旧されたと思われる個所を過ぎる。緩やかな上りを行き、13時12分、山道入口に着く。約40分ほどの産業道路歩きであった。ついてまもなく地元の四駆小型トラックが過ぎていく。

鞍部の土地公廟
崖崩れがあったと思われる場所
山道入口
はなから急坂
森の中の道は、勾配がかなり急だ。のっけからロープのある急登である。緩やかな部分もあるが、刣牛湖山とは対照的にかなりきつい。それでも小百岳なので、訪れる登山者は多く道筋もはっきりしている。登ること約30分で、前面にちょっとした岩の登りがある。それを越すと道の両脇にはヤタケが現れ、13時45分白雲山山頂(標高1044m)に着いた。

急坂が続く

ちょっとした岩場を通過
ヤタケの間をつめる
白雲山山頂三角点
狭い山頂だが、一等三角点の脇には数名が休める場所がある。周囲は樹木で覆われ景観はない。今日の天気では、樹木がなくても景観は望めないだろうが。三角点が設置された当時は、測量のため周囲の樹木はすべて切られていただろう。

山頂の様子
山頂の筆者
下り道
14時、往路を引き返す。急な坂は慎重に下る。登山口近くまで来ると、ちょうど登り始めたグループとすれ違う。小学生と思われる子供も含め、あまり登山には慣れていないようにも見える。14時24分、登山口から産業道路を下り始める。14時35分、土地公分岐を過ぎ、その先オートバイを駆って登ってくる登山者とすれ違う。オートバイであれば、登山口まで歩かずに行ける。

他のパーティとすれ違う
道の両脇に動物の内臓
段々高くなる白雲山
途中、下るにつれだんだん高くなっていく白雲山をふりかえり、14時50分駐車した場所へ戻る。距離約4.6㎞、上昇下降各約400m、約2時間20分であった。コース定数は10である。

オートバイで登ってくる登山者
台20線脇の入口に戻る
途中コンビニで食料などを買い、荖濃溪の谷間を進む。過去の台風などの大水で流れ出した土砂で埋まる川には、まだ道路施工中のセクションを過ぎていく。16時10分、梅山口の青年活動中心に投宿する。青年活動センターというが、我々も含め泊客には青年は少ない。台北からの累計乗車時間は、約5時間半である。

梅山口へ向かう
工事中の道路
梅山青年活動中心
明朝7時に開放する南橫公路の制限セクション入口に、ゲートが閉まる17時直後ににゲート前に車を駐車し、明朝の開放時間に備える。ゲート近くには、玉山国家公園のビジターセンターもある。2020年に南一段縦走で訪れたときは、南橫公路は天池までが通行可能で、その先はまだ工事中であった。明朝は早いので、20時前には就寝する。

台20線南橫公路梅山口ゲート

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