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青斑蝶が多い |
友人Sさんが、七星山は景色がよいので登りたいと言う。山登りの経験は多くないが、チャレンジしてみたいとのこと。幸いにして、陽明山系は国立公園で登山道はしっかり管理され、交通手段が整備されているのでアクセスが簡単、なおかつかなり高いところからスタートできる。登り下りの一部が結構急なことに注意すれば、それほど問題がない。ただ、陽射しが強くなっているので、樹木帯を抜けたあと、晴れていると暑くてつらい。単独ピークだけであれば、それほど体力もいらないので、冷水坑から登り小油坑へ下るルートで計画した。途中、夢幻湖を経由し少し変化を考えた。
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七星山山越えルート |
先週後半は大雨であったが、それがすぎ天気が安定している。天気予報でも晴天だ。だが、実際に行ってみると、七星山のふもとは天気がよいが、頂上付近は霧の中。結局景色はほとんど楽しめなかったが、かえって暑くなく運動としての登り降りは、それなりに得るものがあった。自分も過去3回の七星山で、そのうち
完全な晴れの時は1回だけである。帰途の108番バスから見る七星山は、頂上はまだ霧の中であった。
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冷水坑から登る |
MRT劍潭駅でSさんとおちあい、7時40分発の小15番バスに乗る。台湾のお年寄りも結構活発なのだろう、多くの老人が乗車し、小型バスはすぐいっぱいになる。満員のバスに揺られ、約50分ほどで冷水坑に着いた。ここまで車両に乗ってくるのは、数年前に会社の福利会活動の時以来だ。冷水坑ビジターセンターはまだ開いていない。支度をすませ出発する。上に見える七星山は中腹以上が霧の中、少し肌寒い。
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華八仙の咲く登山道 |
センター脇からそのまま登る登山道があるが、それではなく擎天崗へ少し向かい冷水坑温泉の建物脇の人車分道を登る。ここを登り切ると、駐車場がある。ここからは、
昨年9月に登ったのと同じルートになる。駐車場わきの案内表示が新しくなっている。石段の道を登っていく、道脇に華八仙の白い花が、ここそこに咲いている。登りつめると展望台がある。登ってみるが、霧がかかっており、景色は望めない。すぐに夢幻湖歩道に出る。湖は満水で、稀少植物の台湾水韭は水際の僅かなものを除いて、ほとんど水面下だ。七星山の山腹は霧がかかり、今日は名前に違わない幻想的な夢幻湖だ。
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霧の夢幻湖 |
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この上はジグザグの急な登り |
夢幻湖歩道のゆるい上り坂舗装路を登る。向かい側にあずま屋が見え、冷水坑から直接登ってくる登山道と合流する。すぐに七星公園への道を左に分岐し、七星山の登りが始まる。ここまで、歩き始めて約40分、七星山東峰までは、あと1km、高度差二百二、三十メートルの登りだ。Sさんは、まだ元気そうだ。
登りの前半は、割合とゆるい登りだ。道端の花に青斑蝶がたくさん群がっている。陽明山は今ちょうど、蝶の繁殖時期である。上から犬を、四、五匹つれた登山客が降りてくる。この犬はよく訓練されているのだろう、自分から道を譲る。樹木の下にベンチなどの休憩スペースがあり、ジグザグの石段の急勾配登りが始まる。途中、ちらっと麓が見えたが、すぐに霧の中に消えた。今日は、残念がら景観は望めなさそうだ。そのかわり、暑くなく登りは比較的楽だ。もちろん汗は流れるが。
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七星山主峰の三角点 |
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晴れていれば主峰から東峰がこのように望める(3月登山の記録) |
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下り途中の展望台からチラッと麓が覗く |
七星公園分岐から登ること約30分、東峰に着いた。頂上には数名の登山客がいる。周囲はすべて霧の中。少し休憩し、次の主峰を目指す。主峰へは300mであるが、まず下り登り返す。両脇の笹薮の背が高い。陽明山公園管理局は、蝶の繁殖期は草刈りをしないので、笹は背が伸びる。左に苗圃登山口への道を分岐し、主峰へ登っていく。同じく霧の中の道、ひたすら登る。東峰から約10分、10時5分、霧の中の主峰(標高1120m、台北市の最高峰)についた。冷水坑から約1時間半の道のりだった。一等三角点が大きく存在感を示している。今日の登りはこれで終わり、あとは下り坂なので、少しバテ気味のSさんは笑顔がもどる。
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小油坑が見えてきた |
写真を撮ったあと、景色もないので小油坑へ向けて下る。道標はないが南峰への分岐を過ぎ、展望台が見えてくる。展望台に立ち寄ると、ほんの僅か霧の切れ目に麓の様子が見える。展望台のすぐ下は急坂だ。脇に多くの蝶が群がり、蜜を吸っている。この下りは段差が大きい石段もあり、慎重に下る。
急坂を下ると、そろそろ硫黄の臭いが鼻をつきはじめる。このへんで下り道の中間あたりだ。大きな噴出孔を道は巻いて下り、その先の新しい展望台からは、両側に硫黄が吹き出ている谷を下る。ここまで下ると霧はなく、麓の様子がみえるようになる。そのうちに小油坑の硫黄噴出口亀裂の上を行き、観光客の話し声が聞こえてくる。11時10分過ぎ、小油坑のバス停に到着した。中国の観光客が大勢観光バスで来ている。台湾の観光も随分と変わったものだ。しばらくして108番のバスがやって来た。道すがら見える大屯山などは山容がはっきりわかるのに、七星山だけは頭が霧で隠れている。陽明山バスターミナルで紅5番のバスに乗り換えて、劍潭駅へ出た。
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下りの108番バスから見る七星山、頂上はまだ霧の中 |
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高度プロファイル |
今日の行程は、七星山山越えだけなので、歩行距離は4.6kmである。所要時間は約2時間40分だ。あまり休憩はしていない。普段山登りをしていない初心者にとっては、この行程はちょうどだと思う。今日は、景色を楽しむことはできなかったが、このコースは逆方向に歩いてもよく、登山経験のない人でも台北の山を知るには、よいコースだと思う。時間も半日で十分である。