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2013-07-22

2013年7月21日 三峽熊空-加九嶺-紅河谷古道-烏來成功 三峽から烏來へ峠越

熊空溪の向こうに加九嶺山
紅河谷古道の渡渉部分
三峡の山奥まった集落、熊空から、峠を一つ越えると烏來になる。交通機関を利用すると、それぞれかなり離れた別の場所から行くことになるので、実はこの二つの場所が隣り合っていることに気づきにくい。ここは元来、原住民泰雅族の領域である。原住民と漢人、後に日本の樟脳商人との争いは、日本統治時代の約100年前20世紀初頭に、集落に睨みをきかせられる位置になる白雞山三山の鹿窟尖に大砲が設置され、三峡側の部落は帰順した。泰雅族三峡側の部落と、烏來の部落との連絡通路が紅河谷古道の由来である。熊空渓にそって登り、加九嶺山と逐鹿山との鞍部を越え、その後加九寮渓にそって長く下っていく。峠の北側は加九嶺山から北に、獅仔頭山-熊空山の山脈中央の竹坑山へ連なる。一方南側は、逐鹿山の先更に卡保山,北插天山と高度を上げて台湾中央の雪山山脈へと連なっていく。ここは、深山の始まるところでもある。
西の熊空から東の成功まで歩く
加九嶺から長い下りが続く
紅河谷越嶺古道は、三峡の熊空からは標高900m強の峠まで標高差約600m、一方烏來の成功からは一旦南勢渓と加九寮渓との合流点近くに下るので、約800mの高度差である。長さも熊空側は成功側の三分の一ぐらいと短い。今回は、全線古道を歩くのではなく、スタート後熊空側は先に加九嶺山に登り、その後古道の峠部分へ稜線を下る。その後古道に沿って入口まで下り、加九寮橋から成功バス停に登り返した。ほとんど森の中を進む道なので、晴れていてもそれほど影響がないが、午前中は曇っており風も適度にあって、比較的涼しかった。下り道も、風があり夏の登山だが暑さでそれほど苦労はなかった。

付近の登山軌跡
三峡市街から熊空へは、807番バスが往復している。休日ダイヤは、6時の始発の次は8:30発となる。MRT永寧駅でWさん、HさんYさんの三名に合流し8時前の916番バスで三峡へ向かう。台北大学三峡キャンパスバス停で下車、少し歩いて大勇路の三峡一站バス停へ向かう。別のバスでやって来たZさん夫婦とここで落ち合う。そのうちバスを待つ行列ができ、出発の時はバスは立ち席も満員になる。三峡の街の中でもまた乗車があり、バスはギュウギュウ詰めだ。夏の休日、熊空への街道は山へ向かう自家用車も多い。9時35分、通常よりも10分ほど多く時間を費やし、熊空バス停に到着した。

加九嶺登山口
今日は長丁場の行程であるが、バス時間の都合で出発は9時40分となった。同じバスの乗客であった老人が、我々と一緒に登りたいと言うことで、全員七名で歩き始める。彼は69歳ということだが、功夫の心得があるようで、とても元気だ。熊空渓にそって産業道路を登る。しばらく行くと、沢の奥にこれから登る加九嶺山が控えている。沢には大勢の遊楽客が水浴びをしたりバーベキューを焼いている。その煙が道路まで上がってくる。左に猴洞橋への道を分け、少し行くと右に多くの標識リボンが結ばれている登山口がある。紅河谷古道の熊空側入口だ。われわれは、そのまま産業道路を進む。自家用車が数台駐車している熊空橋を越すと、路面の様子が悪くなる。ここから先に行く車はほとんどない。警察官が2名、バイクで通り過ぎていく。道はヘアピンカーブで曲り、登っていく。先ほどの警察官が降りてきて会話する。どこへ行くのか尋ねられたので答えたのだが、付近の地理にあまり詳しくないようだ。10時22分、歩き始めて約35分で登山口に着いた。

岩場の登りが現れる
稜線上の竹坑山への分岐部
小休憩後、山道を登り始める。道はいきなり急坂が続く。下草のあまりない稜線を登って行くと、大きな岩の下に出る。ここは補助ロープを使い、岩を登る。更に急坂が続く。10時50分、尾根上のちょっと広い場所が現れる。近くの木には、700m休憩場所という表示がある。ここは標高約700m、熊空から約1時間ぐらいの場所で、確かにちょうど休憩によい。小休憩のあと、また登りが始まる。ただ、勾配は全体に緩くなってきている。狭い尾根から、広いゆったりとした尾根上に変わる。登りだけでなく、下り部分も現れ始めた。左から、竹坑山よりの尾根が合わさるはずだ。それかと思い登っていったがなかなか現れない。おそらくその前の枝尾根だったようだ。12時、竹坑山への分岐に来た。H700m休憩場所から約1時間だ。一度また下り、登り返す。やっと頂上に着いた。今日の最高点だ。12時8分、熊空バス停から約2時間半の登りだった。
加九嶺山山頂(標高989m)
そこそこ広く平らな雑木林の中の頂上は、全く展望がない。烏來や三峡の深山は、頂上からの展望があまりないが、台北に近い山々と違った自然の魅力がある。頂上には、人工と思われる盛土とくぼみがある。原住民との境界の役割であった、隘勇線の遺跡か。30分ほどゆっくりと食事休憩を過ごし、紅河谷古道の鞍部に向けて下る。尾根上の道は起伏があるので、基本は下りといえ登り返しもある。幅広の稜線を進むこと25分、13時過ぎに向天湖山への分岐についた。ここからこの尾根道を進んで紅河谷古道に合流することもできる。今日は、そのまま鞍部の峠まで下る。急な坂を下っていく。人声が聞こえてきた。13時12分、峠に下り立つ。午前中、熊空橋への産業道路で追い越した数名の登山グループが、峠の部分で食事休憩をしている。古道を谷に沿って登ってきたそうだ。峠には、涼しい風が吹いている。都会のクーラーとは違う、自然の涼風だ。
杉林の中の峠、熊空側を見る
杉林の中を進む
峠の周囲は杉林で、日本の山を思わせる雰囲気だ。尾根をたどれば拔刀爾山への分岐、さらには逐鹿山へ続く。古道は先まだ長い。小休憩のあと、下り始める。まもなく、道は急坂になり大きく下っていく。ザレ石部分も現れ、足もとがよくない。単独登山者と二人すれ違う。山腹沿いに平な道を進む。谷の向こうに翡翠水庫の水面が望める。峠から30分ぐらいで、先ほど加九嶺山の尾根から向天湖山へ分岐した尾根道へ登る道との分岐に来る。ここから尾根上の涼亭格へはすぐだ。小休憩を取る。道は、また急坂で沢に向かって降りていく。岩のごろごろする沢を越す。水が少し流れている。なお下り、沢底に下り立つ。2カ所目の沢越えのところで、少し休憩する。水があるところでの休憩は、顔を洗ったりできるので、気持ちが良い。14時半、峠から約1時間下ってきた。ここで峠から古道入口までの道のりの約2割ぐらいカバーした。

古道からの眺め、翡翠水庫の水面が少しのぞく
雑木林の中を下る
沢沿いに下る
蘇力台風の爪痕がまだ残る
工寮近くの支流に架かる橋
簡易橋をわたる
また細い沢を一度越え、道が崩れたと思われる部分の沢底を進んで登り返し、山道は左岸を下っていく。沢が広くなってきた部分で渡渉する。飛び石を踏んで渡るが、水量がそこそこあり濡れている石もこさなければならない。みな慎重に渡る。こうした時、登山杖はバランスを取るのに役にたつ。右岸の道を進む。広くなった沢が大分下のほうを流れている。ところどころ台風で倒された幹が道を塞ぐ。坂が急になり下っていく。支流の岸に出る。ここも飛び石をつたって渡渉する。道は歩き易くなってきている。15時40分、木製の簡易橋を越える。その3分ぐらい先で、工寮のある支流合流点に着いた。ここは、昨年拔刀爾山へ登るとき、やって来た場所だ。少し上がったところにある、工寮で休憩する。古道入口まで、残りは数キロ残すのみだ。

ここから古道入口までは、歩きやすい良い道だ。倒木も鋸で切られて道を開けている。実際、ここまでは遊楽客がよく歩いてくるようだ。道もかなり平らだ。簡易橋を2箇所越す。遠くに送電鉄塔のたくさん載っている直潭山が望める。三つ目の簡易橋を越える。ここの近くで、高腰山への登山道が始まる。ここが沢水と接することができる最後の場所だ。16時40分、山道もあとのこりわずかで、日暮れまでの下山は問題ない。しばし休憩する。メンバーは橋の下に降りて水に親しんでいる。

最後の休憩をした枝沢の三番目の簡易橋
峠方向を望む、すでに遠くになった
15分ぐらい休憩し、古道最後の部分を進む。土地公とキリスト教の小さな像が隣同士に祀られている場所を過ぎる。煙草が線香の換わりにさされている。古道の峠方向が望める。遠くに加九嶺山と思われる山が見える。随分と遠くまで歩いてきたものだ。木製階段が現れ、高度を下げる。コンクリ道になる。加九寮渓の谷底には多くの遊楽客が水遊びをしている。17時23分、古道入口に着いた。峠から約4時間の下りである。車道を加九寮へ進む。橋を渡り北烏公路へ登り返す。17時40分、成功バス停に到着した。バスが来る前に皆でビールで乾杯する。長丁場の歩きの後のビールは、実に格別の喉ごしだ。

休憩込みで8時間の行動であった。距離はGPSの記録では約15.5kmである。ネット上の情報では、紅河谷古道は22kmという記述もあるが、遠回りとなる加九嶺山を入れてもこの数字なので、古道自身はもっと短いはずだ。計算起点と終点が異なるのだろうか。加九嶺山への登攀もあったので、登りの累計は1124mである。山中での日暮れは、電灯は持っているものの、できるだけ避けたい。そのため、あまり長い休憩はとらず歩きもゆっくりではないが、69歳の老人も含めて全員完歩した。烏來の山は久しく来ていないが、今回の山行で感じがつかめた。今後は、さらに奥の山を含めて山行を計画していくつもりだ。

今回ルートの難易度は、山道そのものはレベル3である。体力要求度はレベル4だ。紅河谷越嶺古道は長く、烏來側から登ると高度もある。全線を歩くのであれば、早めにスタートして日暮れまでに下山できるような、準備が必要だ。

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