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2013-08-31

2013年8月31日 陽明山系大屯溪古道 - 小觀音山西峰 再び道案内で訪れる

水かさの増えた大屯溪を渡る(下流から数えて七番目の渡渉)
台湾は二、三日前康芮颱風が通り過ぎた後も、大雨が降り続き台湾各地で水害が発生している。そのつかの間の中休みに、6月末に訪れた大屯溪古道を再び歩いた。今回は、先月の三貂嶺瀑布に続いて、同じ登山クラブの道案内である。出発の時に、少しパラツイていた雨は、午後になると本降りになり、稜線に出ると止まずに降った。二度目の小観音山だが、残念なことに前回に増してガスと雨で景色は望めなかった。汗と雨でずぶ濡れになった山登りであった。

北側の北新荘から出発、大屯山鞍部で終了
今回は登りが中心のルート
歩いたコースは、前回と同様に北新荘からスタートし、三板橋から大屯溪沿いに登り古道を経て、1056峰そして小觀音山西峰を通過し、大屯山鞍部に下った。6月はそこから更に陽明山まで歩いて下ったが、今回は108番バスで陽明山バスターミナルへ降りた。全員31名からのメンバーの中には、最後の登りで足をつった人もいた。多人数パーティでは、このぐらいの距離が良いようだ。

産業道路を三板橋へ歩く
家を6時20分に出発、MRTで淡水駅に7時半に到着する。7時40分の875番バスで向かう。今日は、我々以外ににも別の登山クラブが乗っているので、バスはすし詰めだ。8時過ぎに終點北新荘に到着するが、参加予定の数名が7時40分発のバスに間に合わなかったため、その後8時5分発のバスでやってくるのを待つ。天気は、すでにどんより曇り空、雨が降り出しそうだ。8時半、全員揃ったところで、簡単なルートの説明をした後出発する。すぐ右にある、三板橋古道のアーチをくぐり、産業道路を登り始める。ここは、先月に菜公坑古道へ登るときに歩いた道だ。雨が、果たしてパラツキ始めた。前方にかろうじて小観音山が望める。しかし、ガスがかかり始めている。

三十人のパーティーは壮観だ
ガスがかかった大屯溪の谷すじ
北新荘から歩くこと約25分、三板橋にやって来た。前回の3人山行に比べると、大勢のパーティは壮観だ。橋のたもとの記念碑で集合写真を写す。各々三板橋を渡り、対岸のトイレがある広場で少し休憩する。ここからは、急な登りが始まる。産業道路を登っていく。右に分かれる道が、大屯溪古道へ続く道だ。標識リボンや標識がある。産業道路は、右側が開けるが対岸の菜公坑山などは、霧の中だ。9時半、舗装路の終點に着く。バス停から約1時間の歩きだ。これから沢沿いの道が始まる、今日はそれまでの雨で沢の水かさが大分増えているので、メンバー全員に注意をうながす。

渡渉部分は、補助ロープがあるので助かる
土の山道をゆくと、最初の渡渉部分に来る。果たして、飛び石も水の中だ。今回はかなりのメンバーは、長靴で来ており、こうした場所には強い。台北近郊の登山は、登山靴以外に長靴で歩く登山者が多い。それは、こうした沢の渡渉もあるが、ぬかった道でズボンの裾がドロドロになるのに対応するためでもある。自分は、登山靴派なので、水の中の飛び石をぎりぎりのところで越えていく。山道を十数分歩いてくると、右に菜公坑古道へ続く道が分岐する。二番目の沢越えをし、進んで行く。開けた場所で、休憩を取る。10時8分、沢沿いに約40分弱歩いてきた。31名もいると、沢を越えるのも時間がかかる。

水量の多い沢沿いに進む
水かさの多い大屯溪沿いに登っていく。6番目の渡渉部分では、上の方から大きな荷物を担いだおばさんが降りてきた。タケノコを収穫して下ってくるところだ。我々のような、好きでやっている登山と違い、生活のための登山だ。続いて、おじさんも降りてきて、沢を渡っていく。その後、我々も沢を渡り、更に滝が見える場所をもう一度渡渉する。これが最後の沢越えである。道は、沢から離れて、かなり上部を行く。ここから谷底に滝が見えるが、前回に比べると水量が格段に多く、見応えがある。見上げると、山は霧が晴れて、ピークが見える。おそらく小觀音山1056峰だろう。山腹は中間以上は笹がびっしり生えている。その少し先で、沢沿い歩きの最終部分に着く。11時6分、ちょうどまた上からタケノコを担いだ別のおじさんが降りてきた。これから先は、沢を離れ広い場所もないので、ここで食事とする。

沢の途中の滑滝
水量の多い滝は、見応えがある
霧が一瞬晴れて、対岸の山腹が見えた
沢の終わりで食事休憩をとる
熊笹の急坂へむけて山腹を進む
少人数の行動と違い、このグループはその場で麺類などを温め、皆なで食べる。雨がまた少しパラツキ始めた。約1時間ほど、ゆっくりと食事をして休んだ後、今回の難所である、熊笹の中の急坂へ向けて歩き始める。辺りは、霧もでてきた。登って行くと、第三号防迷標識柱のところで、左に主峰へ続く道が分岐する。我々は右の道をとり、山腹を横切って行く。前回は、水もなかった小沢も水が流れている。

第四防迷標識柱を過ぎ、少し行ったところで、左に折れる道を取って登るが、どうも様子がおかしい。確認するとどうやら間違えたようだ。そこで折り返す。下ったところで、後部のメンバーとハンドトーキーで連絡するが、かれらはその部分では曲がらず、正しい道を進んだようだ。そこで、筆者は道を急ぎ追いついて、また先を進む。道は、キツイが前回ほどの苦労は感じなかった。笹が低くなり、頂上が近くなってくる。13時半、1056峰に着いた。食事休憩場所から約1時間半ほど要した。雨も本降りになり、全く景色は見えない。

登りもあとわずか、笹の背が低くなる
ここは、それほど大勢が休める場所でもない。また雷が遠くで響き始めた。あまりよい状態ではない。最後部はまだやってこないが、先に尾根を進むことにする。雨具を着けることはつけるが、汗や竹やぶの水でに全身すでにずぶ濡れだ。ここから先も、笹のトンネルを進む。途中で二つピークを越え、西峰に到着する。後部では、1056峰への急坂で二人足をつったとのこと。そこで、全員が揃うまで、尾根上の平らな場所で待つことにする。待つといっても、竹やぶの中で後部は見えない。ひとりずつ点呼し、人数を確認する。全員揃ったところで、また下り始める。やっとのこと、竹やぶから抜けて杉林を下り、産業道路の飛び出る。雨は降り続き、ずぶ濡れだが降りてきたメンバーは、ほっとして笑顔が溢れる。皆揃ったところで、産業道路を下り始める。15時ごろ、百拉卡公路の鞍部に着いた。しばらくしてやって来た108番バスに乗り、陽明山バスターミナルから紅5番バスにて、MRT劍潭駅へ帰った。

1056峰にある防迷標識柱
今回は、体力的に差のあるメンバー31名の登山であった。急坂でメンバーの足つり、笹ヤブというパーティ後方の確認ができない登り、降り続く雨と悪い条件での山登りであった。全員問題なく下山できたのでホッとしたが、こうした場合どういう道案内がよいのか、それを経験することができた。重要なのは、頻繁に後方メンバーがついて来ているかどうかの確認など、状況把握が大切だ。歩行距離は8.3km、所要時間は休憩を含め6時間40分、登攀累計866mである。

2 件のコメント:

  1. いつもブログを楽しく拝見させて頂いております。2014年4月から二回目の台湾駐在となり今に至ります。5年ほど前から始めた山登りを台湾に来てからも続けていますが、言葉の問題もあり台湾の山の情報を得るのに苦心しています。そんな中、曽根様のブログは大変参考になり、いつも活用させて頂いています。明日も、このブログを参考に、大屯渓古道から小歡音山西峰へのルートに行くつもりです。小歡音山西峰へは北側から登るルートもあるようですので、それもトライしてみようと思っております。

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    1. ブログをご覧いただきありがとうございます。
      Facebook上で、山登りの予定を公開していますので、よかったら一緒に山登りをどうぞ。
      https://www.facebook.com/groups/398517463575554/

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