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貓空纜車(指南宮駅と猫空駅の間、正面は貓空圓山、左奥に二格山) |
台北市木柵区と新北市石碇区にまたがる
二格山を中心に、
筆架連山が東側に、猫空尖から崎頭崙への連山が西側に連なっている。西側の連山は、猫空尖を越え四面頭山への途中から北側に十六分山、三玄宮山へ稜線が分かれる。
二格山からこの稜線分岐までは歩いているが、その先新店へ下っていく四面頭山、六分山そして崎頭崙は未踏だった。いつか歩くつもりであった。今回、猫空へ行く用事があるので、ついでに歩くことにした。
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北側の猫空駅から歩き、尾根を縦走して新店中生橋へ |
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出発点が高い歩行高度プロファイル |
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木柵、新店の山々と今までの歩行軌跡 |
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正面に猴山岳前峰が望める |
秋が深まり、気温が低くなってきている。東北風という、北方の高気圧から吹き出す風は、台湾北部で雨を降らせることが多い。前晩からの雨が上がってきて、晴れ間がのぞきはじめた。山道は濡れているだろうが、山で雨にふられることはないようだ。普段より遅い、10時過ぎに家を出る。MRT文湖線終點の動物園駅で下車、少し歩いてケーブルカー駅へ向かう。実のところ、猫空は数回行っているが、いつも歩いて登っているので、ケーブルカーに乗るのは今回初めてだ。平日だが、そこそこ乗客が行列をなして待っている。猫の眼水晶カーという、床が透明ガラスのゴンドラが、数台に一台の割で運転している。通常ゴンドラとは別に待つが、こちらの方は行列が長い。
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ケーブルカー上から見る木柵の街 |
数分待ちで、普通ゴンドラに乗る。空いていることもあるだろうが、定員数まで押し込むのではなく、同行者グループごとにゴンドラに乗るので、同行者がいない場合は一人で専有することもある。筆者も一人だが、すぐ後ろにはケーブルカー整備関係者が待っていたので、誘い二人で乗車する。動物園駅を出発して、急斜面を登り切ると前面に猴山岳前峰が見え始める。動物園内駅を過ぎるころ振り返ると、
南港山の向こうに台北101ビルが頭を出している。ケーブルカーは方向を換え、猴山岳前峰の前を進む。木柵の街やその先に新店の街が望める。台北市中心方向も、少しぼやけているが望める。同乗者は、仕事で何回も乗っているそうだが、ここが猫空ケーブルカーで一番景色がよいセクションとのこと。
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猫空駅の対面にある歩道入口と猫の石像 |
指南宮駅を過ぎると、最終駅猫空が谷の対岸に望める。左側にあとで上る三玄宮山が控えている。一度下り登り返し、11時24分に猫空駅に到着した。約30分の乗車である。MRT動物園駅から、棕15番バスでもやってこれるが、ケーブルカーでは別の景色を鑑賞することができるので、これはこれで愉快だ。支度を済ませ、駅前の指南路三段40巷の道を渡り、石段を登り始める。ここは以前下りで歩いた道だ。少し登ると、右に樟湖歩道が分岐する。その先には展望台がある。足もとには茶畑が広がる。道は山腹に取り付き、登っていく。約20分ほどで、あずま屋がある鞍部に着く。ここからは、右に
鵝角格山への道が分岐する。下れば沢沿いに銀河洞へ続く。左へ土の道を登り、十六分山への分岐から左へ少し登ってあずま屋に11時54分に着く。休憩し、食事をとる。
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石畳歩道から見る三玄宮山 |
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石階段を峠に向けて登る |
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苔の石段山道を十六分山へ登る |
雨は降っていないが、残念ながら遠くまでは見えない。先ほど乗ったケーブルカーが谷間に動いている。分岐に戻り、十六分山を目指す。一度下ったあと、また登り返す。道にはところどころ苔に覆われた石段がある。ここは昔から歩かれている古道の一部なのだろう。約15分ほどで、十六分山への分岐が現れる。去年三月に歩いた時は、そのまま通り過ぎたが今日は頂上へ往復する。杉林の山腹を登ることほんの数分、十六分山頂上(標高514m)に着いた。周囲は樹木で展望はない。まだ新しい四等三角点基石が埋まっている。頂上から引き続き下る道があるが、方向が異なるので、登ってきた道を下る。
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十六分山山頂 |
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猫空尖と四面頭山への分岐点 |
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雑草に埋まる茶畑 |
十六分山分岐の少し先は、猫空尖と四面頭山への分岐だ。朽ちた古い道標が倒れている。真ん中に大きな石がある。腰掛けにちょうどよい。左にとれば、猫空尖を経て二格山方面へ行く。右にとり、四面頭山へ登り始める。シダの下草が生える道を登る。開けた場所に出る。草原の下を巻いていくと、茶畑であった。雑草が茂り茶の木が見えなかったのだ。しかしこの茶畑は、ほとんど手入れはされていなように見える。12時38分、基石の埋まっている四面頭山(標高520m)に着く。ここも竹や樹木に囲まれて、展望はない。下りは、登りに比べて急で長い。水がたまっているコンクリ製池のわきを過ぎる。もともとは灌漑用に造られたのだろうか。補助ロープのある急坂を下り、13時5分産業道路に下り立つ。産業道路を少し進むと、舗装路になり切り通しの峠に着く。
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峠の肆方巖 |
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肆方巖のわきで見かけた岩に生える奇妙な植物 |
峠は屋根に覆われた肆方巖という廟である。壁の岩が彫り込まれ、祭壇になっている。祭壇には電灯が灯り、神像が鎮座している。ここは日ごろ参拝されているようだ。その少し先にも、左に同じく岩に祭壇が彫り込まれている。産業道路を下れば、北宜公路へ続く。六分山へは、右に登っていく階段を進む。大きなお墓までは良い道が続く。右に登っていく道とお墓の前を進む道がある。標識リボンはなく、墓の前の道を進んで見る。その先、右に山を登っていく道がある。入口にはリボンがあり、これが六分山山道のようだ。登って行くと、右から道が合流する。これは先ほどお墓のところで右に登っていく道のようで、どちらを通ってもよかったようだ。
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道脇の根節蘭の黄色い花 |
稜線を行く山道は、四面頭山の道と比べると倒木などが多い。根節蘭の黄色い花が、ところどころに二、三株まとまって咲いている。高度が上がってきて、まばらな樹木の間から対岸の鵝角格山から三玄宮山の稜線が望める。13時27分に、六分山頂上(標高463m)に到着した。幹に打ち付けられた山名プレートは、文字が薄れてほとんど判読できない。南側は樹木が茂っているが、北側は開けて展望がきく。
待老坑山から鵝角格山の稜線が、銀河洞の谷を挟んで望める。鵝角格山のすぐ左奥には、台北101ビルがうっすらと立っているのが判る。猫空駅から歩き始めて3.6km、今日の行程の中間点だ。六分山から先は基本下り道だが、そこそこ長いので少し休憩する。
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六分山頂上 |
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六分山から北側が展望できる、正面中央は待老坑山、右は鵝角格山 |
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六分山の急坂を下る |
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銀河洞と崎頭崙の分岐 |
六分山からは、急な下り坂が始まる。補助ロープがない場所でも、かなり危ないところもある。慎重に下ること十数分、銀河洞との分岐にたどり着く。左にとり、崎頭崙へ向かう。道は、いままでに増して草深くなる。草に覆われて踏跡が見えないところ、倒木で踏跡が途切れているところなど、次々に現れる。茶花が道に落ちているところに、しばしば行き当たる。分岐から20分ほど進む。稜線をやって来た道は、ここで方向を換えて下る。その先今度は大きく回りこんで、また尾根に向かう。なぜか、道は大きく迂回している。尾根上をそのまま行くには、なにか障害物でもあるのだろうか。その後は、ずっと尾根上の道を進んでいく。
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崎頭崙への尾根道は倒木が多い |
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踏跡が草に埋もれている |
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茶花が道に落ちている |
岩の現れるところ、倒木が二本重なりあい、それに草がからみ合って道が途切れて見える場所など、変化が尽きない。竹林をすぎ、14時50分に保線路にでる。右にまがって保線路を下れば、銀河洞へいく。左に折れ保線路を進み、二、三分登る。三角点基石のある崎頭崙(標高231m)に着いた。今日の最後のピークだ。尾根上の道は、そこそこ長く、六分山から1時間以上かかった。ここも林の中の頂上、展望はない。誰かが残した傘が、枝に掛けてある。
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二本の倒木が重なり草に埋もれて、道がわかりにくい |
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崎頭崙山頂 |
今日の歩きは、のこりわずかだ。尾根上を直線的に下っていく。前日の雨で、赤土の道は滑りやすい。5,6分ほど下ってくると、道は尾根を外れ山腹を進む。こちらも急な下り坂が続く。長い赤土の急坂には、長い補助ロープがある。ジメジメして暗い道を下る。崎頭崙の尾根上からも道行く車やバイクの音が聞こえていたが、15時19分に北宜公路の登山口に下り立つ。台北方向に向けて公路を下る。交通量はそこそこある。公路はかなり先まで行って大きくカーブする。けっこう距離がある。手持ちの地図を見ると、直線的にバス停のある中生橋まで行ける道がある。先ほど、左に見えたコンクリ壁の切り目の部分が入口のようだ。そこで、公路を登り返し入口まで行く。道行く車から投げ捨てられたと思えるゴミがいっぱいあるが、コンクリの階段が下っている。その先には標識リボンもある。この道が近道だ。下りきり、国史館へと続く道に出た後、登り返すと中生橋のすぐ手前で北宜公路へ出た。道を対面のバス停に渡る。15時38分、今日の歩きはこれで終わりだ。ほどなくやって来た650番バスで、MRT新店駅へ向かった。
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北宜公路わきの登山口、標識リボンが枝に掛かっている |
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中生橋バス停、650番バスがやって来た |
歩行距離7.8km、所要時間4時間5分(休憩込み)であった。登攀累計は405mである。出発点の猫空駅がすでに標高約300mあるので、登りが少ない歩きだ。今回の歩きで、東は石碇老街から西は新店中生橋まで、連山を端から端まで歩いたことになる。これを一気に縦走することは、かなり大変だろう。今日のルートの山道はクラス1~4とかなり落差が大きい。猫空駅近くは石畳の立派な道だが、後半の崎頭崙への尾根道は、踏跡がかすかな部分もある。体力的には、出発点が高いこともあり、クラス3である。体力はそれほど要求されない。
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今回から、この記事にある写真だけでなく、その他の写真も別の写真シェアリングのサイトでみていただけるように、リンク先を載せます。ぜひどうぞ。地図上で写真位置がわかります。
ここです。