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2013-10-27

2013年10月27日 新店和美山 - 灣潭山 秋空のもとの郊外ハイキング

新店吊橋から望む灣潭山(左、上流側)と和美山
新店は、その奥にある山々への往来の途中に立ち寄ることが多いが、ここから歩き始めて近くの山に登るのは初めてである。新店のすぐわきには、新店溪が流れ碧潭とうい名所がある。吊橋がかかり、その周囲は前から台北市民の遊楽場所でもある。有名な吊橋は、1937年に完成したもので、すでに数十年の年月がたち、老朽化が問題になっていた。その後、原型にて補修が施され、2013年には新北市の古跡にも指定されている。この橋を越えて、対岸にある山が和美山である。別名碧潭山とも言う、標高152mの低い山だが、登ると新店の街や遠くの山々の展望できる、気軽に行ける展望台である。

新店から反時計周りに回遊
和美山と灣潭山の二つのピーク
新店周囲の登山軌跡
人力渡し船
和美山はよい登山道がある。頂上から先は、麓の住宅地区に続く山道から分かれ、金龍路へ下る保線路を下り、さらに灣潭山へ登る。灣潭山は、打って変わって草深い山道である。一般遊楽客は来ない山だ。標高141mと、これもまた低い山だが、和美山とは違って草をかき分け、倒木を越え、急坂を登り下りする道である。幸いに低いので、長い道ではない。灣潭山を下った後は、新店溪の岸辺から人力渡し船で右岸に渡り、河沿いの道を新店へ戻った。

吊橋、背後は和美山
今日は、昨日の苗栗縣向天湖山とは異なり、ゆっくりとした出発だ。9時にMRT新店駅に集合する。今日はWさん夫婦、Iさんが参加し四名での行動だ。駅から河沿いの道を歩く。河沿いの岸は広く、整備されてとてもりっぱになっている。遊楽客はまだ少ない。地元住民がのんびり散歩などしている。新店も、高い住宅ビルが沢山たてられ、随分と都会化したものだ。ほどなく、吊橋の橋脚下に来る。一度堤防の上にあがり、橋をわたる。大きいがやはり吊橋である、歩くと足もとが揺れる。晴れ渡った空のもと、橋下の新店溪はエメラルド色に染まり、まさに碧潭という名がつけられたことにうなずく。左岸の岩壁には、碧潭の大きな文字が彫られている。上流方向には、登る予定の灣潭山も望める。

吊橋から望むコバルトブルーの新店溪
和美山登山口
吊橋を渡り終えると、橋脚の左に和美山登山道入口がある。木製の塀、内側にはイルミネイトされた写真などがあり、ちょっと見ると登山道入口らしくない。このトンネル状の塀はしばらく続くが、道幅が狭く登り下りする歩行者がすれ違うので精一杯だ。少し登ると、左に木製階段が登っていく。その右に古い道がある。これは以前の登山道だ。この辺りは、数年ほど前に整備されたようだ。踊り場から左に河沿いに進む藍色水岸步道と、右に山を登っていく道が分岐する。右にとり石段道を登る。屋根が抜け落ちた廃屋が右にある。廃業して久しい碧潭樂園のころの建物だ。以前の登山道が交じあうが、長期整備されず危険なので入るなという警告板がある。それでも、他の山の踏跡然の道に比べたら、とっても状態がよいが。

とてもよい登山道


山腹を進んでいく道は、左から登ってくる藍色步道と踊り場で合流。また右に幸福広場への道と、左に藍色步道に分かれる。わずかな登りで幸福広場に来る。時刻は9時55分、登山口から約20分の道のりだ。そこそこ広い場所だが、BB弾銃で銃撃遊戯をやっている連中がいる。自分たちは大相な装備で、ヘルメットや厚着をしているが、他人にあたったらどうするのか。こんな近場でやるべきではないだろう。樹木の切れ目から新店溪が望める。人力渡船の船着場がある。その奥の方の山は、直潭山や大崎頭山だろう。

枕木の登山道
幸福広場から少し行くと、また少し広い場所に降り、その突き当りから土の登山道になる。枕木が埋められたよい道だ。枕木上にメスのクワガタ虫がいる。その少し上にも、同じく別のクワガタ虫が草のなかにいる。10時12分、和美山頂上に着いた。展望プラットフォームも造られている、広い頂上だ。高い樹木もあまりなく、展望がきく。北は中和の裏山から陽明山山系、南港山などがうっすらと見える。吊橋はみえないが、その少し先の第二高速道路のアーチ橋、そしてその周辺の高層住宅ビルが、河を挟んだ対岸にある。その右は獅頭山である。更に右を見ていくと、最近歩いた崎頭崙から六分山への尾根筋、その遠く先には二格山、また左に鵝角格山など木柵の山々がある。展望台から少し進み、奥の石がある場所で少し休憩する。

和美山山頂、北側を望む
東側を望む、木柵方面の山が望める
金龍路の保線路入口
20分ほど過ごした後、下り始める。初めは枕木の良い道が続く。おおぜいの登山団体とすれ違う。数分で、左に草の中に続く細い道を取る。すぐに右からの保線路に合流し、下り始める。保線路は、送電線鉄塔などのメンテのためにある道で、程度がよい。補助ロープのある急坂も現れるが、20分ほどの下りで10時57分に金龍路に降り立つ。左には、そのまま河に下る車道が分岐する。金龍路は右にゆっくり下る道だ。金龍路を10分ほど歩いてくる。右の山腹に狛狗がある石段が登っていく。灣潭山の登山口がある、大観音像への階段だ。石段を登ると、大きな白い観音像が立っている。その右奥の灌木のところから、土の登山道が始まる。

倒木のある急坂を登る
和美山とは違い、灣潭山は登山者しか来ない。道もいきなり補助ロープの直線的な急坂で始まる。倒木が急坂に現れ、枝の間を抜けて登る。和美山の道とは落差が大きい。急坂が終わり、竹林のなかなど草深い道を進む。登山口から10数分、11時27分、基石のうまっている頂上に着いた。樹木に囲まれ風景は望めない。山名プレートが、楠の大樹に打ち付けられている。蚊がとても多い。そのまま、下り始める。こちら側も急坂がしばらく続く。赤や白のテープ状補助ロープが付けられている。これらは、登山ボランティアによるものだ。ありがたい。

草原から浄水場を望む、背後は塗潭山
道端に残された100数十年前の墓石
草の密集する中を下る。新店溪が大きく曲り、その部分に浄水場がある。その向こうは塗潭山だ。尾根をたどると獅仔頭山も望める。巻き貝状の生物が道端にある。ひっくり返してみると、中は生きている。蝸牛の一種なのか。尾根道がゆっくりになると山道は終わりだ。12時7分に、金龍路に着く。ここは、先ほど和美山から降りてきた場所の斜め向かいだ。舗装路を渡し船の船着場へ向かって下る。下って程なく、道端にお墓がある。墓石には、清朝咸豐年代の文字がある。もう百数十年前のものだ。道が拡張されたので、このように道のすぐわきになってしまったのだろう。つづら折りを下りきり、灣潭路と合流、その少し先は岸辺だ。カヌー訓練の人達が陸に上がってきている。ちょうど渡し船が出るところで、乗り込む。今どき人力による渡し船は珍しい。観光目的でなく、通常の交通手段として利用されている。

渡し船に乗る
乗り込むとすぐに出発、三、四分で対岸に着く。晴天の秋の陽、昼間の穏やかな流れを周りの風景をみて渡るのは、とてもすがすがしい。台北からとても近いのに、このような場所があるのはとても貴重だ。対岸には、自転車サイクリング道がずっと市内から続いている。サイクリストも多い。川釣りを楽しんでいる人もいる。河沿いの道を進む。途中、岸の拡張工事が進行中だ。公園整備工事なのだろう。数分で、吊橋のたもと近くへ戻ってきた。堤防を上がり、おしゃれな川岸アーケードを抜けて、老街へと出る。時間は12時40分を回ったところ、老街の食べ物屋で食事を取り、その後帰途についた。

右岸の渡し船乗場から新店溪と対岸の山を望む、左端の山は灣潭山、右は和美山
行動時間3時間40分、歩行距離6.2kmだった。それでも累計で400mも登っているのは意外だ。天気に恵まれたこともあるが、和美山周辺はとてもよいハイキングコースだ。灣潭山の山道はクラス4だが、それ以外はクラス1~2、体力要求度も灣潭山へ行かなければクラス1~2。誰でも歩けるよいコースでお勧めだ。

GPSロケーションデータ付写真はここです。

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