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2015-05-03

2015年5月2日 烏來巫山 (ロッペ山東南峰)

登山道から眺める巫山
樂佩山の登り途中で見下ろす巫山(2014/11撮影)
三峽と烏來との境界をなしている插天山脈は、今まで何度か訪れている。昨年11月に樂佩山を訪れた。樂佩山山頂への最後の登攀の際に、烏來福山側に尖った独特の山峰を見た。巫山である。何か神秘的な響きの山名だ。日本統治時代に樂佩山はロッペ山と呼ばれ、そのころは独立の名前でなくロッペ山東南峰と称された。上から見下ろしても特徴があるが、下から見上げると尖った山容は際立っている。日本時代には、烏來側からの登山が多く行われたようで、当時リモガンと呼ばれた福山から登られていることが多い。

巫山の単独往復
歩行高度プロファイル
三峽と烏來とを分ける插天山脈の烏來側を登る
登山口
今回は烏來側から登る。景勝地の内洞までは交通量も多いが、その先になると検問所を過ぎる。北107郷道の阿玉商店わきの登山口から登り、沢沿いに進んでいく。約2.7kmの分岐から右に新登山道を登る。急登の続く道は、樂佩山への分岐を過ぎて巫山頂上直前で、もう一つの旧来沢沿いの登山道と合流する。ここからは頂上へ往復する。帰路は、樂佩山への分岐へ戻る。本来は卡保山へ縦走し、そこから北107郷道へ下るつもりであったが、出発時間が遅く日暮れまでには間に合わないため、往路を阿玉商店登山口へ下った。

はじめは竹林を進む
MRT古亭駅に集合する。6時半の予定が遅れて7時近くに出発する。一台のカーシェアで7名のメンバーだ。北107郷道を進み、検問所を通り過ぎる。その先、ある角度から巫山がチラッと見えた。約1時間で阿玉商店に到着する。昨日の雨で道脇の草は濡れている。烏來の山に多いヤマヒルを防ぐためにもスパッツは必要だ。8時に出発する。急坂を登っていく。竹林を過ぎる。タケノコを採ったようで、竹の皮が道脇に山になって捨てられている。

山腹道を進む
テントが張ってある地元民の作業キャンプ
道は谷にそって山腹をゆるい坂で登っていく。両脇の草の露でズボンは濡れる。ところどころ崩れている場所もあるが、道筋は概ねはっきりしている。山ひだにそって進む。日差しが森に差し込んでくる。8時46分、小さな沢のわきの高みにテントが張られている。その上にはシートがあり、鍋や焚き火のあともある。地元の人がここをベースに活動をしているようだ。少し休憩をとる。

沢越え部分
急坂を登る
山腹道は枝尾根を巻き込んだあと、方向を大きくかえしばらく登りが始まる。樹木が切れて左に尖った巫山が見えた。標高差はまだ500mあり、とても高い。背後の樂佩山は雲をかぶっている。梅雨が始まったので、最近は雨が多い。9時15分、斯其野溪の支流を渡る。水量はそこそこある。9時28分、分岐に着く。登山道は、もともと斯其野溪にそっていく道だけだったが、その後枝尾根を登って行き、樂佩山への分岐へ直接行ける道が通じた。こちらの新登山道を登る。いきなり杉林の急登が始まる。大きな岩が現れ右を巻いていく。10時少し過ぎ、休憩をとる。

草薮を行く




急登は続く。そのうち山腹道を行く。この辺りはまた杉林になっている。坂のゆるい道はおそらく以前の林道だったものだろう。また急登を行く。10時45分、大石が重なる涸沢を越す。ここで休憩を取る。高度は1100m近くになった。だいぶ登ってきたので、道わきの下草などはない。11時32分、右に樂佩山鞍部への道を分岐する。森が切れて茅草の中を少し進む。また森の中の山腹道を進んでいく。11時50分、沢沿いから上がってくる登山道と合流する。鞍部になっているここで、食事休憩を取る。

巫山山頂への登り途中で見る卡保山
巫山山頂
樂佩山への分岐道標
15分ほどの休憩後、巫山頂上を目指す。尾根は狭くなり、岩も現れる。木の根などを頼りに急な坂を登る。左に卡保山が雲を頭にかぶってどっしり控えている。反対側は北插天山だが、残念ながら霧で見えない。12時28分、巫山頂上(標高1389m)に着く。周囲はすべて樹木だ。基石はない。写真を写したあと、下り始める。沢沿い登山道との分岐を13時に通過し、山腹道を戻る。13時22分、樂佩山鞍部への分岐に来る。すでに時間は13時半近く、卡保山を経由して下るには遅すぎる。あと1時間半早ければOKだが。そこで、予定を変更樂佩山往復を考え、鞍部への道を進む。一度沢へ下ったあと、沢沿いに少し登りそこから鞍部へ落差数十メートルの急登が始まる。しかし、この場所でメンバーとで終わりにすることにして水際で休憩をとる。

樂佩山鞍部へ沢沿いに登る、ここまでで終わりにする
大石の脇を下る
20分ほど休憩し14時過ぎ下山を始める。分岐へもどり、急坂を下る。急な坂は、下るとき慎重に歩を進めることが必要だ。15時12分、登りの時に休憩した涸沢を過ぎる。15時51分、大石を通過。16時17分、沢沿い登山道との分岐に着く。一休みする。雨が少しぱらつきだした。16時42分、沢の渡渉点を通過。残り2.4kmだ。

登山口へ下る









午前に見上げた巫山は、頭が霧に包まれている。山腹道を進んでいる時、雨脚が強くなった。皆雨具を取り付ける。道脇の草は雨でぬれ、通り過ぎて行く間にズボンもびっしょりだ。夕暮れも近くなり、森の中は薄暗い。18時10分、登山口に戻ってくる。日暮れ前に歩き終えた。全身濡れているので、着替える。メンバーの大部分はヤマヒルに血を吸われている。それも複数箇所だ。スパッツをつけていても隙間から入ったようだ。筆者は幸いスパッツの外側にこびりついている蛭がいたが中まで入ってはいなかった。スパッツの作り方の差もあるようだ。

下りに見る巫山は霧の中
今回は、巫山の単独往復登山となったが、それはそれで十分意義のある山行である。歩行距離約12km、時間は10時間である。これだけ見ても、かなりきつい山登りである。交通手段はバスなど一般交通機関はないので、自分で用意する必要がある。そのため三峽から登るのに比べると大変だ。道の状態は悪くはないが、道筋がはっきりしない場所もある。標識リボンを見逃さないことだ。山道、体力ともレベル4のルートである。

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