標高2,250mぐらいから見る清水大山山頂 |
頂上直下から見る海岸線、手前が千里眼山、後ろが立霧山 |
花蓮の北側に位置する清水大山や立霧山 |
三日間の歩行高度プロファイル |
台湾の東海岸花蓮の山 |
第一日 9月26日 台北 - 花蓮新城 - 太魯閣遊客中心 - 得卡倫步道 - 立霧山 - 大同部落
立霧山頂上 |
太魯閣遊客中心からスタートし、立霧山を往復して大同部落へ |
ピークは立霧山 |
早朝台北バスセンターから出発 |
車窓から見る太平洋、晴れ間がのぞく |
太魯閣遊客中心の石像、背後の山を登る |
德卡倫步道入口 |
急坂道の入口 |
岩の露出する急坂を登る |
荷物用ゴンドラ中継点 |
中継点から見下ろす、直下にビジターセンターの建物 |
急坂道と德卡倫步道との合流点 |
原住民青年と談笑 |
急坂は残り僅か |
天気は曇だが、気温はそこそこあり一本調子の登りはやはり辛い。12時30分、食事休憩をとる。急坂ものこりは、それほど多くない。20分ほどの休憩後、再び登る。13時7分、急坂は終了し平らな道になる。太魯閣遊客中心から約2時間半で約800mの高度差をカバーした。少し進む。錆びついた機材が道端にある。これから歩き始める砂卡礑林道が、木材運搬の道として機能していた頃に使われていたものだ。80年台半ばに終了したので、30年ほど経過したことになる。少しいくと道はコンクリ舗装になり、すぐ左に大禮部落への道が分岐する。大禮や大同などの中国地名は、実は民国政府になってからの改名である。原住民の言葉では、それぞれホホス、サカダンである。砂卡礑林道の砂卡礑はこの音から来ている。日本の北海道には原住民の地名が漢字に置き換えられて残っている。台湾の原住民地名は、同様に漢字で置き換えることが可能であったはずだが、残念ながら名前まで中国名になってしまっている。
林道沿い建築中の建物わきから見る、霧で遠くは望めない |
砂卡礑林道 |
立霧山への分岐 |
空身で立霧山へ登る |
道でであった黒犬「排骨」 |
下りも気楽である。同じ道を下る。ほぼ登山口に近いところで、黒犬が一匹道の真中にいる。どこから来たのか。そのまま下っていくと、ついてくる。広い道に飛び出て左に折れ、15時57分リックを置いた分岐に戻っていくる。下りは約20分ほどであった。そのまま、荷物を担ぎ大同の民宿彩虹屋へ向かう。ここからは下り基調である。黒犬は先導して行く。我々の道案内をしているようだ。16時32分、左に他の民宿への道を分ける。そのまま直進していく。16時40分過ぎ、我々の民宿に到着する。
彩虹民宿に到着、右は排骨 |
第二日 9月27日 大同部落 - 清水大山 - 大同部落
清水大山頂上三角点の筆者 |
林道を進み、登山道を登る |
単独ピーク往復 |
午前三時半、月が民宿の上にかかっている |
午前四時、暗闇の中で民宿を出発 |
午前5時半、そろそろ明るくなってきた。崩落箇所を行く |
崩落箇所を高巻いていく |
道は、国家公園の管理下にあるので、それなりのメンテは行われている。危険なところには木製の梯子やロープなど、設けてある場所もあるが、まったくない場所もある。台北近郊の不人気山よりはましだが。このルートも、それほど多くの登山者に歩かれている道ではないので、それも仕方がないだろう。重要度は低いのだと思う。今日は三連休で、登山者が多いが普段はほとんどいないのではないだろうか。6時10分過ぎ、水場のある土砂崩れ場所をすぎ、その先に露営場所にくる。シートを張り、数名の登山者が宿泊している。どうやら道を整備しているボランティのようだ。ここで大同部落から約5kmである。
露営地わきを行く |
林道から対岸の三角錐山を見る |
大崩落箇所を過ぎる |
黒犬排骨が追い越していく |
林道終点で休憩、向こうに三角錐山が見える |
朝陽のさす森を登る |
森の中の急登が続く |
枝越しに遠景が見える、遠くの山は南湖大山 |
三角錐山が川底から一気に2000m立ち上がる |
岩稜道が現れる |
左から三角錐山、二子山、曉星山の稜線、その向こうに高山群がのぞく |
岩稜を登る |
雲海の下は海だ |
最後の灌木帯を登る |
頂上三角点付近から西側を望む |
東側を望む、左に海岸線が見える |
ガレ場を慎重に下る |
雲がさって、落差2000mの深い谷がのぞく |
灌木が現れ展望もそろそろ終わりだ |
林道を大同部落へ帰る |
一本橋を通り過ぎる |
稜線には暮色が迫ってきた |
ヘッドライトを点灯し林道を急ぐ |
空には中秋の月 |
身体を洗い、夕食に着く。全員七名のメンバーのうちの二人は、昼間清水大山に行かずに付近を歩いた。天気が良いので立霧山付近の展望点から海岸の景色が見えたようだ。全員で祝杯を上げる。メンバーの一人の誕生日でもある。中秋の名月も空に輝いている。
第三日 9月28日 大同部落 - 太魯閣遊客中心 - 新城 - 台北
砂卡礑林道からみる大同部落民宿のある台地 |
第一日とほぼ同じだが、最後は階段道を経由 |
下山の高度プロファイル |
民宿から見る千里眼山 |
二泊した彩虹屋民宿 |
千里眼山は見えるが、背後の清水大山は雲の中だ |
海岸線や新城が望める |
階段道を下る |
10時48分、展望のよいテラスにくる。前方には三角錐山がそびえ、立霧溪の深い谷がある。右上部には、第一日目に通りすぎた、ゴンドラ中継施設が望める。11時9分、階段が終わり、土の道になる。そのすぐ先、右に急坂の道を分け、11時半太魯閣遊客中心に戻ってきた。4時間半の行動時間である。これから、台北に帰るのは交通機関の状態が心配だ。台鉄は、午後全面運休するという。蘇澳と花蓮とをつなぐ蘇花公路も通行禁止となっているようだ。山の上では、あまり感じなかった台風がいきなり身近なものになる。
階段道のテラスから三角錐山と立霧渓谷を望む |
ビジターセンター、風雨が強まる |
復興号の車窓から海を望む、波が大きい |
運休前の最終台北行き4177次区間電車@蘇澳新站 |
停電した車窓から雨風が強まるのを感じる@三貂嶺站 |
中級山の中でも困難な登山とされる花蓮の清水大山は、それなりの体力と経験者でないと困難である。困難度はルートクラス4、体力要求度はクラス5である。今回対岸に見えていた三角錐山や二子山などは、自分でテントを用意し水までも担ぎあげ、なおかつ道も良くないという。これらは、まさに中級山の王者である。太魯閣七雄とされる山々を完登するのは、並大抵のことではない。