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2015-09-22

2015年9月20日 汐止五指山 - 基隆三界山縱走 軍人墓地を通過する展望のよい不人気山歩き

友納山からの下り、藪こぎの稜線道
夏がそろそろ終わり、吹く風も涼しくなってきている。山登りも少しは楽になった。台北から基隆に向かって左(西)側には、基隆と新北市萬里との境界をなす連山が続いている。五指山山脈と呼ばれる。3年前に五指山から內湖へ歩いた。今回はちょうど反対方向に歩いたわけだ。この山並みは、実は基隆の海岸わき瑪瑣山から立ち上がり、今回歩いた稜線をたどり五指山から北に陽明山山系が、南には大崙頭/尾山をへて士林の劍潭山まで続く。実際三界山から劍潭山までの縦走をする記録もあるが、今回のような道の状況だと一日で歩くのは、とてもきついだろう。

西の五指山から東の三界山へ縦走
下り基調の山行
F909バス@五指山森林公園バス停
もともと人気のある山ではない。しかし、軍人墓地のある五指山は、新北市無料コミュニティーバスが運行されている。このバスで行けば、ほぼ最高地点まで歩かずに上がれる。そこからは基隆方向に向けては下りがメインの歩きになる。道は良くなくてもその点は楽である。今回は、そのF909番コミュニティーバスの始発点汐止の住人三名が参加し、四名での山歩きだ。F909番バスは、五指山森林公園バス停まで行く便と途中までの便がある。五指山森林公園まで行く便は7時半の次は10時過ぎになる。そのため、自宅を6時に出発する。台鉄電車の便が少なく、7時半に間に合わせるためには、途中待ち時間が多いが仕方がない。6時55分に汐止駅に着く。大同路を渡り、対面のバス停で待つ。そのうち、汐止の三名がやって来た。

涼亭の向こうにうっすりと山々が見える
水牛に注意の道路標識
F909番バスは定刻通り7時半に発車する。汐止は山の斜面に開発された住宅区が多い。バスは住宅区をめぐった後、山を登り始める。20分ほどの乗車で、かなり高度が上がり遠くの景色が見えるようになる。8時5分、最終点五指山森林公園につく。途中でもかなり追い越したが、ここは自転車ライダーが多い。バスを下りた場所から、少し歩き涼亭の近くで景色を見る。高曇りの空の下に、四分尾山-姜子寮山-五分山の連山が薄っすらと見える。

軍人墓地の正門
涼亭のそばに五指山三角点がある
8時15分、支度をすませて歩き始める。風櫃嘴への道を進む。道脇には水牛に注意という標識がある。鹿に注意という標識は外国でよく見かけるが、水牛に注意というのは台湾だけかも。地元の犬が道のど真中に座っている。ここは俺の縄張りだから、車は避けて進めと言っているかのようだ。1,2分で右に軍人墓地への道が分岐する。登り気味の道をすこし行く。立派な正門が現れる。道なりに進むと、左に涼亭が現れる。五指山三角点(標高699m)がある。今日の最高点である。

稜線わきに広がる墓地、左に新山が見える
紀念碑
車道を東に進む。墓が現れ始める。墓と言っても整然と並んでおり、公園のようだ。階級ごとに区域分けされている。軍人は死んでもその階級から離れられないようだ。右奥に新山や友納山南峰が見える。つい最近舗装し直された車道は、稜線上を行く。約3キロ弱の長さで稜線上に広がる墓地は壮大である。スローガンを刻んだ石碑が並んでいる。その一つ「異日國家得統一...」とあるが、中国本土との統一を叫んでいた頃の名残である。台湾人で本当にこれを望んでいるかは、今となっては疑問だ。

タイルで出来た大きな国旗
この道の突き当たりが登山道入口
1982年3月29日(軍人節)建立日付の国民革命軍陣亡将士紀念碑がそびえている。蒋経国の署名である。すでにそれから30余年、その間の台湾の変化は大きい。この碑は、遠くからでも見える大きなものだ。その前が、墓地管理所事務所の建物である。分岐を右にとり、進む。左にはタイル作りの大きな国旗が地上に広がる。さらに進み、道が大きく右に下っていく中少校第15区の枝道を登り気味に進む。9時8分、約50分の歩きで山道の入口に着く。

登山口から新山を望む
藪こぎの稜線道
小休憩のあと、山道を登り始める。すぐに尾根上の道を行く。思っていたように、あまり歩かれていない。数分でススキに遮られる。しばらく草刈りがされていないようで、草をかき分けて進む。振り返ると、頭に雲をかぶった磺嘴山大尖山がそこにある。9時25分、右に新山方向への道が分岐する。涼亭があるのでちょっとこの道を進む。ほんの僅かで涼亭が現れる。訪れる人も少なく、高い草に覆われている。それでも手すりに登ると遠くが見える。はるか先に基隆嶼がぼんやりと望める。

涼亭から軍人墓地方向を見る
友納山へは良い道が続く
分岐に戻り、友納山を目指す。ここからは道の状態は良くなる。新山方向からやってくる登山者は、そこそこいるようだ。左に樹木がきれたところに岩が突出し、よい展望台となっている。先ほど雲をかぶっていた大尖山は、全容を見せている。その先僅か、9時41分に友納山山頂(標高624m)に着く。三等三角点があるが、本来の基石は遺失し山岳グループが新しい基石を埋めている。北側は樹木がなく展望ができる。ここからは海に突き出た野柳や、そのすぐ左に八斗山の山が望める。

稜線上の岩の上から見る。左端が五指山、谷を挟んで正面に大尖山と磺嘴山
友納山頂上
友納山頂上からの眺め、右遠くに八斗山が見える
折れた枝が行く手を遮る
友納山からは、大きく下っていく。道の状態は、また悪くなる。トゲトゲの恐ろしい草木がたびたび道を塞ぐ。それに加えて台風などで吹き倒された木や枝が道をあちらこちらで塞いでいる。基本は稜線をたどれば良いのだが、倒木などでわかりにくところもある。前方に送電鉄塔が見えてきた。10時27分、鉄塔への道との分岐に来る。ここは右に斜面を下り、山腹を行く産業道路に下りる。概ね下りの産業道路を10分ほど進み、右からの道を合わせる。左に折れてすぐ、右の道脇に七分寮山への登山口がある。

産業道路を行く、すぐ右に七分寮山へ続く保線路入口がある
七分寮山頂上
ここからの道は、保線路であるので、広くて状態がよい。保線路を追っていくと、左右から別の保線路が合わさる。鉄塔の左側に草に埋もれた道がある。これを登ったところが七分寮山頂上(標高430m)だ。草に埋もれ、いかにも最近歩かれていないかがわかる。七分寮山から先の道も程度は悪い。いよいよ鎌を持ち出す。尾根上をゆく道は、小さい上り下りがある。竹やぶが現れる。倒れた竹が行く手の邪魔をする。11時44分、鞍部に着く。少し広い竹林の中に開けた場所である。左右からの道との十字路になっている。この峠越えの道は淡基古道の一部だそうだ。ここでゆっくりと昼食休憩をとる。メンバーの一人はガスコンロを持ってきているので、ここでお湯を沸かす。自分の持ってきたビールは、まだ少し溶けきらずシャーベット状だ。

峠でゆっくり休憩する
開眼尖山頂上
道は相変わらず良くない
50分ほどの休憩後、開眼尖山へ向けて登り始める。大岩のわきを通り過ぎる。13時5分、峠から約30分で開眼尖山(標高411m)につく。基石の埋まる頂上の周囲は樹木で展望はない。次の目標三界山までは、ちょっと距離がある。連続する上り下りは、それほど大きな起伏ではないが、道の状態が悪いので思いのほか体力が要求され、疲れる。15時9分、稜線をそのままゆく道と、三界山への道との分岐にくる。右にとり少し下る。2分ほどで、鞍部の分岐に来る。左は市界バス停へ下っていく道だ。

稜線道は起伏が大きくないが、邪魔が多い
三界山と市界への分岐部
三界山に向けて直進し、急坂を登る。5分ほどで補助ロープの坂を登り切り、15時15分三界山頂上(標高361m)に着く。南側は樹木があるが、それ以外は見通せるとてもよい展望台だ。北側(左)の八斗山からずっと海岸沿いの山々が続く。砲台のある大武崙山を通り、更に基隆を越えて瑞芳の山々まで見渡せる。海には大分ちかづいた基隆嶼が浮かんでいる。一方西側を望めば、今日歩いてきた五指山山脈の山々と、その向こうに陽明山山系の山々が望める。磺嘴山の辺りは雲をかぶって、その先はよく見えないが。ゆっくり休憩をとる。天気は下り坂だが、この様子では雨は降らないだろう。

三界山頂上
海側の大パノラマ
歩いてきた稜線が見える、左端は五指山、背後は磺嘴山など陽明山山系の山々
新しい道標のある分岐部
15時35分、下山を始める。急坂を鞍部分岐へおり、右に下る。しばらく谷底を進む。水が流れている場所を過ぎる。大雨に流された落ち葉や枝がかたまっている。苔むした石段も現れ、この道は峠越えの古道であったようだ。10分ほどで、道は谷の左岸にとりつき山腹を進む。倒木はあるが、踏跡ははっきりしている。三界山へはそこそこ歩かれているのだろう。16時10分、分岐に来る。左からは、尾根上を行く道が合流する。樹木に取り付けられている藍天隊の道標には昨年9月の日付がある。右にとり、見晴らしのよい場所で最後の休憩をとる。メンバーの二人はヤマビルに血を吸われていた。筆者は幸いにしてなかった。今日は乾いた道であったが、密集した草を通りすぎているのでやはりヒルには注意が必要だ。ここからは、目的地の基金公路を行くバスや車が望める。
最後の休憩点から望む、下に基金公路を行くバスが見える
三界山を背後に最後の道を進む
巾の広い道を進む。道脇には黄色の細い柱が等間隔で埋められている。下っていくと、台湾国立科技大学の立て札がある。ここは、大学の地質研究現場であるようだ。道なりにずっと進む。下りきると、鉄の門を過ぎ基金公路に出る。門のすぐ右が市界バス停だ。時刻は16時44分、待つことほんの数分で、ちょうど台北直通の953バスがやって来た。汐止へ帰る他の三名と別れて、帰途についた。

基金公路わきの入口









下りが基調の山行であったが、メンバーが足をつるなど、道が良くないので体力を要求された。道の良し悪しは、当然だが行動時間と体力消耗に関係する。休憩込みの行動時間は8時間半、想定より1時間半ほど多い。距離は約12kmである。道の状態がよければ、困難度はルートや体力要求度と友クラス3だが、現状では共に4である。展望のよい三界山や友納山だけを登るのであれば、道もそこそこ問題ないが、縦走するのはそれなりの準備が必要だ。現状では、誰にもおすすめというわけにはいかない。ましてや劍潭山までの縦走はとても大変だ。

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