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消墾嶺古道の土地公石祠、8月6日付けの表示が新しい |
最近は、基隆市暖暖区の山に注目が集まっている。ボランティアが集中的に道の整備をしているので、草に埋もれた道がまた復活している。前回歩いた
東勢大崙や觀音湖山の稜線両脇には尾根にアクセする道が幾つか整備された。今回歩いた
消墾嶺古道は、実は2年前に下ったことがある。その時は、まさに忘れ去れたころで、道筋もはっきりしていなかった。今回整備がされ、多くの登山者が歩いているので、立派な道になっている。まさに、道は人が歩いてはじめて道である。
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今回は北から歩きはじめ、山を越えて南の平渓へ |
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単一ピーク歩き |
今回の山行は、本来消墾嶺古道を峠まで登ったあと、內西勢坑古道をへて姜子寮山への主稜線に登り、そこから姜子寮山を登頂して嶺腳へ下る予定であった。峠をこえて內西勢坑古道へ一歩足を踏み入れると、それまでとは大違いで二年前の消墾嶺古道と同じように、踏跡がはっきりしない状態であった。標識のリボンは、それでも結構あるので最近誰かが通り過ぎたようだが、トゲトゲの植物が多くはびこり、そのまま進むとかなり時間が掛かりそうだ。藪漕ぎして稜線まで出れないことは無いだろうが、今回のメンバーでそれをするのは出来ない。そこで、峠へ引き返し中窯尖方向へ枝尾根をのぼった。分岐からは中窯尖行き、そこから滴水觀音寺をへて嶺腳へくだった。最終目的地は同じだが、途中を端折った感じになる。このルートは、2年前に歩いた時とちょうど正反対になる。山道は、同じ道でも登りと下りとでは大分感じが違う、上り下り両方歩いて初めてその道を知ることになるので、これはこれでよい。
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暖暖火車バス停から603番バスに乗る |
十分古道のちょうど下を繰り抜いたトンネルができ、基平公路が開通して半年以上経つ。二年前は工事中だったところもすっかり整備された暖東峽谷へは、基隆市603番バスが往復している。このバスは、暖暖火車バス停を8時過ぎに通って行く。暖暖駅は各停しか止まらず、もし電車で行くとかなり早い時間の便しかない。九份金瓜石行きの1062番バスで行くと乗換待ち時間が少ない。そこで台北市忠孝復興バス停7時10分発の始発1062番バスで向かう。バス停に着くと、慢集團の見慣れた面々がいる。彼らは今日金瓜石の登山ということだ。高速道路経由1062番バスは、立席は出来ない。この時間帯としては珍しい満席で発車する。7時40分に暖江橋頭バス停に到着する。下車したのは、今日のメンバー8名だけである。
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整備された暖東峽谷園區 |
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ここから山道 |
603番暖暖火車バス停は、鉄道線路沿いの道にある。暖江橋頭バス停から少し歩き、右に回りこんだところだ。暖暖の谷には、多くの住宅が建設されたので、602番バスはひっきりなしにやってくる。我々の603番バスは8時10分過ぎにやって来た。乗客は、地元の人だけだ。バスは整備されよくなった基平公路を進む。右に最近歩いた
觀音湖山-東勢大崙の山が続いている。15分足らずで、今日の行程出発点暖東峽谷バス停に到着する。バス停の近くは整備され、駐車場もできている。ちょうど涼亭の工事が進行中だ。
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滑瀑 |
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立派な橋が架けられた一枚岩を渡る |
8時33分、支度をすませて出発する。沢を橋で渡り対岸に行く。新しい案内看板など、地方政府はここを観光スポットにするべく、力を入れているのがわかる。もう一度橋を渡り、右におれて進む。木製の橋を渡ったところから登りが始まる。道標も立派なものが立ち、滑瀑への方向を示す。ここは、前回単独で道無き道を下ってきて、ホッとした場所である。道自体も整備され、なんと10メートル毎に距離表示が有る。これは過剰だと思うが。少し進み、右に滑滝がある。滝へ下って全体を見る。地殻運動で岩盤が斜めになり、そこに水が流れている。
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消墾嶺古道の入口 |
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古道を行く |
道へもどり進む。これから先は山道でそれなりの靴などが必要だという注書きがある。古道に少し手入れした道が進む。8時48分、岩盤が露出した場所を過ぎる。ここは水が流れ、以前は粗末な丸太が渡してあっただけだが、整備された結果、ネットもある素晴らしい橋がかかっている。もう一つ小沢を同じように立派な橋がまたいでいる。8時52分、道標とともに、これから先は本園区管理外の道なので、装備など自己の判断で進むように、という注意書きが道の真中に立っている。これからが、本当の消墾嶺古道である。
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住居あと、左の高みに石壁が残る |
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真新しい道標 |
古道は、それまでの整備されたものとは異なり、ずっと原始的だがこれが本来の古道である。最近は多く歩かれているので、道筋ははっきりしている。昔人々が歩いていた頃は、こうした状態だったのだろう。苔むした石の階段など、まさに古道であることを示している。9時2分、石積壁が現れ、左の小高くなったところには家の壁と思われる石壁が残っている。ここで初回の休憩をとる。歩き初めてすぐ分岐が現れる。右は東勢大崙への道である。木の幹に取り付けれた道標は、8月6日の日付でまだ真新しい。左にとり進む。
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ギャップをこえる |
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沢をこえる |
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高みにある土地公 |
分岐から十数分、途中ちょっとした小沢をこえるギャップを過ぎて、道は沢底に下っていく。水量はそこそこあるが、踏石をつたって渡る。もう一度沢を渡ってまた右岸に戻り、坂を登る。登りついたところは土地公の祠がある。中には焼香壺もあり、手前にはお酒が置いてある。古道にはつきものの土地公の祠、昔の旅人はここで通行の安全を祈願していたはずだ。支流の沢をこえ、すこし谷あいの平らなところを過ぎる。石の低い壁もある。以前は棚田か何かであったようだ。9時41分、沢を左岸に渡る。ここで休憩をとる。
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開けた場所につく、集落や棚田のあとのようだ |
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二俣の沢をこえて峠を目指す |
道は沢から離れ山腹を登っていく。数分登り、道が平らになると前方には石壁で二段になっている広い場所にくる。ここは集落あとか棚田であったと思われる。沢が二俣に注ぎ、水に不自由しない。沢を渡り、少し平らになった棚田あとと思われる場所をすぎ、左に坂を登り始める。そのうち山腹を登り気味に進み、10時18分、峠部分に到着する。暖東峽谷から約1時間45分の登りである。しばし休憩する。ここは、
先日8月26日に訪れた場所だ。
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踏跡もはっきりしない內西勢坑古道 |
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こうしたトゲトゲの植物が道を塞ぐ |
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杉林の木立の向こうに基隆嶼が海上に見える |
休憩後、峠の反対側へ進む。峠にある道標は8月6日のもので、內西勢坑古道と姜子寮山を示している。少し下り、左に山腹を進みはじめる。前方には赤い標識リボンが見えるが、足元の踏跡はほとんどない。しばらく進んでも状況は同じだ。この部分は、まだ道の整理が行われていないようだ。このまま進むと、かなり時間を費やしそうなので、予定のコースを諦め峠に引き返す。後日の情報では、最近ここは整理されたそうだ。峠にもどり、右に枝尾根を主稜線に向けて登る。今まで二回歩いているが、登るのは初めてだ。結構急な坂が杉林の中を登っていく。登りきり平らになると、まもなく11時4分に竹林の中の分岐に着く。ここで休憩し、少し遅れ気味のJさんを待つ。
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中窯尖頂上のメンバー |
起伏の少ない主稜線道を数分進む。少し登ると、分岐が現れる。右は主稜線を
姜子寮山へ行く道だ。左のちょっと小高いところが中窯尖の頂上(標高615m)である。時刻は11時35分、ここで昼食休憩をとる。今日の天気は、曇り気味で木陰ではないが、それほど暑くない。ここでメンバーが持ってきたビールをいただく。主稜線を歩いて姜子寮山へ行くことは可能だが、もともとの予定より多く歩くことになる。一方、メンバーの一人も今日は暑さにまいって居るようなので、ここから下山することにする。
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葉っぱの落ちた明るい森、左に郷野農場への道が分岐する |
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急坂セクション |
ゆっくり40分ほどの休憩後、12時15分下り始める。8月上旬の台風の影響がまだ明らかに残っている。ここを歩く登山者はあまり多くないようだ。倒木や折れた枝が道を塞ぐところがしばしば現れる。台風で葉が吹き飛ばされ、まだもとの状態に戻っていない。森が明るく、まるで日本の冬の低山のようだ。普段なら見えない遠くの景色が、木々の小枝越しに見える。15分下り、左に郷野農場への道を分岐する。急坂で下っていく道は、状態があまり良くないように見える。尾根を更に下っていく。12時50分、補助ロープの急坂を登り返す。登ったところからは、平渓の谷がよく見える。この枝尾根は、ちょっとしたピークを越えていく。ふたつ目の登り返しを登り返し、別の郷野農場への分岐があるピークに着く。13時07分、ここで休憩を取る。
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大岩の上からのパノラマ |
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滴水觀音寺の上から望む |
ここまでまっすぐ南に下ってきたが、この先は南西方向へ下る。痩せ尾根部分を過ぎ、13時37分、大岩の上部に来る。大岩の上からは姜子寮山や中窯尖の山々と谷が見渡せる。下は断崖絶壁、メンバーは注意深く交互に岩の上で景色を眺める。更に尾根を忠実に追っていく。ところどころ岩のロープセクションもある。14時10分、滴水觀音寺の上部に来る。岩をつたって渡り、回りこんで14時17分、お寺の境内に着く。ここでゆっくり休憩する。のこりは石段道と産業道路を下るだけである。
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大岩の転がる参道階段 |
14時41分、滴水觀音寺から下り始める。参道は二つあり、一つはゆるかな道、もう一つは階段の急坂である。階段道をとり下る。台風の雨で崩れたと思われ、大石が階段に転がっている。14時52分、階段を下りきり、産業道路に出る。もし、內西勢坑古道をへて姜子寮山から下ってきたなら、ここで合流することになる。この道はいずれ歩くことにしよう。左に坂を下っていく。犬が盛んに吠える。15時、もう一つの参道入口を過ぎる。残りは気楽な歩きである。道なりに進む。遠くに特徴ある中央尖が目立つ。天寧寺と橋を通り過ぎる。嶺腳の集落を通り過ぎ15時15分、嶺腳駅に到着する。まもなく汽車がやって来た。
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台車道産業道路を下る、前方に中央尖 |
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嶺腳駅についた |
歩行距離7.2km、累計登攀高度523mである。休憩込みで7時間弱の歩きであった。もともとの予定通りに歩けなかったが、歩いていない道は次回また行けばよい。現在の道の状態であれば、台風の影響による倒木などを除けばレベル3、体力的にもレベル3である。
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