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2015-10-20

2015年10月18日 台中谷關七雄 八仙山 - 唐麻丹山縱走

東卯山近くから望む八仙山(中央の最高ピーク)と唐瑪丹山(右下の枝尾根上ピーク)
前日の屋我尾山-東卯山縦走に引き続き、谷關七雄の山歩きである。昨日の山とは谷を挟んでそびえる八仙山から唐麻丹山への縦走だ。八仙山は、標高2366mで谷關七雄中の最高峰である。日本統治時代に標高が約八千尺あるので、この命名がされたということだ。大正初期に森林資源調査が行われ、昭和になり本格的な伐採が行われるようになった。日本統治時代には、台湾には三大林業場があり以前訪れた宜蘭大平山もその一つである。阿里山を入れた三大林業場の他二ヶ所に比べると、八仙山は規模がもう一つだったということだが、当時は切り出した木材搬出のための森林鉄道が走っていたそうだ。実際、登山道以外に当時の林道(或いは軌道床)だったと思われるところも見かけた。戦後も引き続き伐採が行われたが、ここも今は林業は去り観光地八仙山国家森林遊園区となっている。

松鶴部落から時計回りに縦走
歩き始めの登山口は約2km地点
唐麻丹山(トマタン山)は標高1305mで、谷關七雄の内一番低く、末っ子的な存在だ。だが登山口からの道はとても急峻で、馬鹿にできない。今日の縦走は、したがって最高峰から最低峰への縦走となる。二者の落差は約1000m、下りに取ったとはいえ、縦走路は急な下りが現れそれなりに苦労する。登りも大変、下りも苦労、八唐縦走はきつい山歩きである。

夜明け前の松鶴部落、奥には白毛山の山並み
一番目の送電鉄塔から松鶴部落方向を望む
今日の行程は、ネット上の記録を見ると最低でも10時間を要している。昨日に引き続きなので、まだ疲れも十分に回復していない状態での登山で、それなりに時間がかかることが予想される。そこで未明4時起床、5時出発である。民宿から車で登山口を目指す。我々の登山口は、八仙山国家森林遊園区の登山口ではなく、松鶴部落の端にあるものだ。まだ暗い道を進む。地図と見比べ進む。沢を渡り行きすすむと、民家のところで右に道が上がっていく。降りて確認すると、ちょうど出てきた住人が登山口は、戻って左に曲がったところだという。その言葉に従い、橋の近くでもどり、左に曲がり登っていく。ステンレス水タンクが見える広場に、登山者の車と思われる一台が停まっている。ここが登山口であった。時刻は5時25分だ。

保線路を登る
5時31分、支度をすませ、ヘッドライトを点灯し出発する。ゆるい坂を行く。夜の底がすこし白んできた。振り返れば松鶴部落が谷關七雄の一つ白老山の山並みシルエットの底に佇んでいる。5分ほどで、八仙山支稜の登山道分岐に来る。標高は約750m、頂上まで約1600mの高度差を稼ぐ長い登りの始まりだ。支稜上には、二ヶ所送電鉄塔があるのでそこまでは、保線路を歩く。つづら折りの保線道は、状態が良い。ジグザグに高度を稼ぎ、5時52分下の鉄塔に着く。茶と黒の二匹の犬がついてきた。ここで小休憩する。

急坂を登る
急坂が続く
6時歩き始める。すでに明るく、ヘッドライトはもういらない。起床したとき民宿から見上げる空は、星がまたたいていたが、今日も快晴の好天だ。今回の谷関山行は、実は初め六月に来る予定であったが、台風の来襲で八月に延期、ところがまたもや悪天候で延期、今回は三度目の正直である。二回待ったかいがあったというところだ。ジグザグ道を進み、6時17分二つ目の送電鉄塔に来る。保線路はここで終了、これからは急坂山道である。約30分ごとの休憩を取るペースで、坂を登っていく。急な場所には、ボランティアによる補助ロープも取り付けてある。

ゆるい登りを行く、朝日が森に差し込んできた
八仙山登山道分岐部、下側から登ってきた
7時40分、急坂が一段落し、しばらく緩やかな部分が現れる。標高約1500mである。休憩後広い枝尾根上の道を進む。8時9分、昔の木材搬出のための道と思われる部分に来る。標高1700m、頂上までの高度差の半分以上をカバーした。8時35分、八仙山登山道に出る。この道は森林遊楽区の公式登山道で、整備がされている。これからは、この道を頂上へ登っていく。階段なども現れる。8時48分、涼亭があらわれる。ここでちょっと長めに休憩をとる。涼亭の少し先、右に開けている場所からは、昨日登った東卯山の頂上が同じ高さに見える。三つの反射板が判別できる。

登山道約3.5km地点の涼亭
東卯山山頂、反射板が見える
旧林道(と思われる)から離れ稜線上の急坂を登る
急な階段道が続く
9時10分、頂上へまた歩き始める。ここは登山道の3.5km地点、頂上までまだ2.5kmある。標高差は約500mである。9時30分、それまでのゆるい坂道が終わり、最後の急登が始まる。旧林道は直進していくが、頂上へはここから尾根に取り付いて登っていく。急坂階段道が続く。9時41分、右側の樹木がきれて、対岸の横嶺山が見える。その前には、昨日の縦走路の尾根があり、崖が見える。崖は大きな崩壊で、岩壁がむき出しに谷に落ちている。

木材搬出ロープウェイ台の遺跡と説明板
頂上まであとわずかだ
10時24分、急登の道は山腹の緩やかな道となる。苔に覆われた山腹には、昔切り倒された切り株が緑に朽ちている。10時32分、伐採が盛んなころに使用された、搬出用ロープウェイ台が残っている。丸太を使用した、簡素なものだがここから木材が送り出されていたのだ。わきには、説明板が設けられている。少し下りまた、登り返す。伐採作業が行われていた頃のもと思われる、電線用の碍子が道脇の樹木に取り付けられ残っている。最後の階段道を登り切り、10時57分八仙山(標高2366m)頂上に到着する。広い頂上には、三角点と涼亭がある。周囲は樹木で、展望は全く無い。単独登山者がすでに到着している。八仙森林園区の登山口から登ってきたそうだ。涼亭内に取り付けられている寒暖計は20度を示している。

八仙山頂上
八仙山から急坂をくだる
ここは今日の最高点だが、まだ先は長い。長めの昼食休憩の後、11時40分出発する。ここからは、また非正規路で、踏跡を追っていく。急な下りが続き、高度を下げていく。左側が開けて、東側の幾重にも重なる山並みが見える。初めてでまだどの山なのか確信がないが、右のほうの山塊は有勝山だろう。遠くに雲がかぶっているのは、中央山脈の能高山あたりだろうか。台湾は実に山が数えきれないほどある。主稜線上の道は、一部クマザサの密生部分があるが、その他は落ち葉の乾いた道で、歩きやすい。12時40分、2176峰に到着、休憩を取る。

主稜線から東を眺める、向こうの山は有勝山だろう
主稜線から急坂を下る
縦走は、ここから主稜線を離れ右へ折れて唐麻丹山へ下っていく。高度差約400mの急坂が続く。伐採していた頃のワイヤーが地面に埋まっている。うんざりするほどの急坂下りを終え、13時42分休憩を取る。休んでいると、単独の登山者がやって来た。彼は、松鶴部落の登山口でちょうど我々が出発するとき準備をしていた登山者より、我々が八唐縦走をするというのを聞いて、追っかけて来たそうだ。一人でこの長い縦走路をすべて歩くのは、心細いようで食事もそこそこにやって来たそうだ。今回メンバーの一人が、少しバテ気味で我々の歩みは遅い。

支稜線から北側を望む、手前の山並みは昨日歩いた東卯山から屋我尾山の稜線、背後は横嶺山から稍來山
小ピークを越えていく
休憩後、唐麻丹山への支稜は小さいピークを越していく。山ツツジの密林をすぎると、右に展望が開ける。昨日歩いた、屋我尾山から東卯山への稜線と、その後ろに横嶺山から稍來山への稜線が望める。14時35分、1843峰のわきで休憩する。今の速度だと、日暮れ前に登山口まで歩くのは無理である。目標を唐麻丹山頂上へ17時までに到着を目指す。唐麻丹山からの山道は、公園管理下の整備された道なので、暗くなってもヘッドライトで下ることは、まだ可能である。今歩いているような、標識リボンが頼りの踏み跡だと、暗くなってしまうと困難度は非常に高くなってしまう。

1843峰からの眺め
尾根を越えていく水道管
唐麻丹山への最低鞍部を目指し更に600mの落差を下る。こちらは、主稜線からの下り坂に比べれば勾配は緩いが、長い下りが続く。16時過ぎ、稜線を越えていく水管を何本か見る。森に差し込む日差しは、だいぶ傾き夕方の様子が濃厚だ。16時22分、鞍部に到着。休憩を取る。休憩後は、唐麻丹山へ向けて標高差約100mの登り返しだ。先に一つピークを越え、16時45分唐麻丹山歩道に合流する。ここからは、整備された登山道だ。2.5km里程ポストを過ぎる。頂上まではあと500mぐらいだ。坂を登っていく。16時53分、唐麻丹山頂上(標高1305m)に到着。遅れてくる、三名を頂上で待つ。対岸の白毛山は、すでに黄金に輝く雲の下だ。

唐瑪丹山山頂
夕闇迫る白毛山
夕闇迫る中の1.5kmキロポスト
17時16分、遅れてやって来た三名を入れて下山を始める。日没まではもう半時間もない。距離は2km、標高差650mの下りである。距離は短いが高度差が大きいので、勢い急坂の下りである。17時34分、1.5km里程ポストを過ぎてまもなく、森の中をゆく道は暗くなってきた。ヘッドライトを点灯する。17時45分、太陽は山の向こうに沈み、空は赤く燃え上がる。暗闇の下山は、普段極力避けているが、この風景はこうした時でなければ拝めないのも事実だ。ギャップのある部分が多く現れる。みな慎重に下っていく。18時、涼亭ですこし休憩する。残りはまだ1kmある。慎重に下り、汗が流れる。18時48分、とうとう裡冷林道の登山口に到着した。2kmの下りに1時間半、やはり暗闇の下山は時間を要する。身の回りを片付け、19時車に乗り込み帰京の途についた。

日没の夕焼け
唐瑪丹山登山口
今日の縦走は、実に13時間20分である。途中で長い休憩もとってはいるが、やはり高度差が大きく、長い道は当然時間を要する。歩行距離約17km、登攀累計1820mである。困難度は、ルートはクラス4、体力要求度は5である。体力に自信がある登山経験者向けだ。今回の1回の訪問で谷關七雄の内の4座をカバーした。いずれまた、他の三座を訪れることはあるだろう。

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