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大孔尾古道桂竹トンネル |
陽明山擎天崗をこえて海岸の金山と台北を結ぶ、
金包里(魚路)古道は金山からスタートする。中間の八煙から擎天崗へは歩いたことがあるが、八煙から下の部分は未踏であった。今回歩いた南勢湖古道は、整備されている天籟溫泉會館近くまでの道より、さらに北へ海岸に近い部分になる。本来の古道は、一部はすでに拡張され車道になっている部分もあるが、南勢湖古道はまだ昔の面影を残している。一方、大孔尾古道は、南勢湖古道から直接磺山方向へ続く道のようだ。こちらは短くてその性格がもう一つわからない。
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反時計回りに回遊 |
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高度差は大きくない |
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バス車窓からは青空が見えた |
今回のルートは、天籟溫泉會館から出発し、大孔尾古道から焿仔坪山を経て下り、産業道路を南勢湖へ歩き、そこから南勢湖古道を登り返して天籟溫泉會館へ戻る、というものである。終了後は、八煙へ向かい八煙野外温泉を訪れた。三月も雨降りが続き、天気予報では回復のはずであったが、途中からはまた雨が降りはじめ、期待した晴れの山行ではなかった。それでも、ぐるっと巡り四時間ほどで歩いたのは、それなりに面白いものだった。この山行は、実は1月下旬に予定していた。実際、そのつもりで出発したが、前日の大雪でバスが八煙まで行かず、当日は
雪道を歩いて終了した経緯がある。
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天籟會館を後に車道を歩き始める |
平日の山行だが、今日は九名のパーティだ。それぞれ、台北からの1717番バスに各自都合のよいバス停から乗り、車上で合流である。筆者はほかの三名と8時27分、銘傳大學バス停で乗車する。すでに二名が車上で、またもう一人がその先のバス停で乗車する。陽明山を越え、小油坑から下り始める。左に竹子山の山並みが延び、雲がうまった谷は、高山の雲海上の趣だ。晴れ間ものぞき、期待が膨らむ。9時30分前、1717番バスは天籟溫泉會館に到着、下車する。ここでオートバイや車でやってきた、他の二名のメンバーと合流する。
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住宅セクションを過ぎ、古道の入口がが現れる |
9時35分、出発する。この周辺は、温泉会館以外にリゾートマンション的なビルや別荘が建つ。左に道なりに登っていく。周囲は、本来
磺嘴山が見えるはずだが、雲がかかっていて遠くは望めない。右に道を分けた後、少し進み左に谷に下っていく細い道を見る。古道の入口だ。ちょうど桜が散って入口に落ちている。下ってコンクリ製の小橋をわたり、土の古道がスタートする。結構草深く、草はぬれている。今日は、長靴で来て正解だ。少し登っていき9時54分、左に南勢湖古道、右に大孔尾古道が分かれる分岐に来る。古ぼけた南勢湖古道という表示板がある。一周してここまで戻ってくるが、まずは右に大孔尾古道をとり進む。
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古道分岐の道標 |
古道は、急坂には石の階段が続く。しっかりとした道だ。数分で緩やかになり、桂竹林に入る。道の両脇に生い茂り、さしずめ竹のトンネルだ。衣服の調整休憩をとり、また進む。まもなく、古道は終了し、10時9分広い土の道に出る。前方は、畑が広がる。右に道をとり進む。杉林の脇をすぎ、石敢當が道端にある。次の分岐は右にとり、幅広道は山腹を進んでいく。10時27分、前方が開け、右下の谷には湯気が立ち上っている。四磺平溫泉だ。温泉といっても温泉源で、建物や浴場があるわけではない。右に谷を見ながら下っていき、磺山産業道路に合流する。合流地点では、温泉のボーリング作業が進行中のようで、リグが建っている。
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四磺坪溫泉、湯けむりがたっている |
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温泉ボーリング作業が進行中 |
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霧が濃くなってきた |
舗装された磺山産業を左に進む。霧が濃くなり、左に開ける草原の向こうはぼんやりしている。更に進み、10時39分、左に土の道を分岐する。マーカーリボンがあり、こちらが進む道だ。そこそこ広い道だが、水たまりは深い。右に草深い道がある。これをとり進む。先ほどの休憩から約1時間、少し休憩する。この辺りが、今日の行程で一番高いところになる。
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幅広の土の道、今日の最高点近く |
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焿仔坪山のメンバー |
道は下り始める。10時57分、基石が埋まっている場所に来る。焿仔坪山(標高456M)。山といっても、ここは頂上ではない。ちょっと下ると、でこぼこの幅広道にでる。こんなところまで、何の目的でこうした車が通れる幅の道を造成しているのかわかないが、この道を下っていく。分岐が現れ左に進む。10時6分、木々の間が整地され、鉄塔の建つ場所に来る。直進し、また下っていくと下から人が一人やってきた。ここは、台湾電力の土地だそうだ。彼は職員のようである。その先には、金網の門が現れる。前方に送電鉄塔が二つ現れ、鉄扉の門を過ぎる。外には車が泊めてある。先ほどの人の車だろう。車道に合流し、左に折れて下る。右は、正德福宮へ続く。
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土の幅広道を下る |
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道脇の小滝 |
南勢湖産業道路に合流し、左に下る。車の往来が結構ある。水が勢いよく流れる滝を道端に見る。ジグザグに道を下り、右に谷を見ながら緩やかになった車道を進む。ヘアピンカーブを回り込み、下ると左に道が分岐する。ここを左に折れて南勢湖古道入口へ向かう。先ほどから降り出した雨は、少し大振りになり傘をさす。昼食時だが、雨宿りができないと不便だ。地図上の大覚寺で食事ができると期待して進む。しかし、このお寺は門が閉じられ、入れないようだ。先に進み、古道入口の住所南勢湖91号の民家にある、大きな建物の軒先を借りて休憩する。時刻はちょうど12時だ。
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南勢湖產道から金山方向を望む、海岸線が見えるがあいにくの曇りで海がはっきりしない |
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昼食休憩後民家脇を登る |
途中、見るべき景色もなく、雨で休むところもなかったこともあり、思っていたより足が速い。昼食休憩はしっかりとる。12時半、出発する。民家脇の階段を上る。すぐに左に曲がって進むが、果樹園で道は途切れる。中に入って進むが、どうも違うようだ。もとに戻り様子を見る。しかしそれらしい道はない。手持ちの地図では、この道で間違いなようののだが。メンバーの二人が、果樹園の中を進んでいく。そのうち道が見つかったとのこと。そちらに向かう。すると、果たして道がある。どうやら以前は、果樹園の裏を回って進んでいたようだが、持ち主が入口を塞いでしまったので、今は民家からすぐ上で右に回っていくようになっている。
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水量が豊富な沢沿いを行く |
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古道を進む |
道が確認できれば、問題ない。水道用のパイプが道にそって行く。道自体は、そこそこ歩かれ道筋ははっきりしている。古道を歩き始めて10分ほどで、右に沢が近づく。水量の多い沢は滝となって流れ落ちる。更に数分で、沢を離れ山腹を進み始める。13時19分、桂竹が現れ朝に通り過ぎた、大孔尾古道との分岐に戻る。道を下り、橋を渡って13時26分住宅地区の脇に出る。雨はまた降り始めた。13時36分、出発点の天籟溫泉會館につく。さらに道路を下り、陽金公路へ進む。分岐のところで、ちょうどやってきた1717番バスに乗り、八煙へ向かう。
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八煙温泉の上部 |
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八煙集落の水田、背後は竹子山 |
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八煙温泉 |
八煙バス停で下車、集落脇を進む。この集落は、美しい水田(今はすっかり観光地化され耕作されていない)があり、多くの有楽客が訪れる。水田脇を下り、谷へ下っていく。谷底には、自然に湧き出した温泉がある。一度は訪れる価値がある場所だ。ゆっくり過ごした後、八煙へ戻り17時頃にやってきた1717番バスで台北に戻った。
今回の歩きは、休憩込みで約4時間、距離は12㎞だ。考えていたより楽で、早く終了した。ぐるっと一巡するのも良いが、早く終わってしまうので、八煙温泉に立ち寄るのが良いだろう。困難度はルートについてクラス3、体力はクラス2だ。南勢湖古道の北側(金山側)入口がわかりにくいので、ちょっと注意が必要だ。
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