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2016-03-07

2016年3月5日 台中波津加山 谷關七雄七座目を登る

波津加山(2016/2撮影)
昨年秋にはじめて一泊二日で一気に四座を登った、台中市和平区にある温泉谷關の七座の峰々は、今回の波津加山登山で七座全部を登頂し、一区切りとなった。七座といっても、背後の更に高い稜線から派生している支稜上の一ピークに過ぎない山もあるが、それなりの登りがいがあり、多くの登山者が訪れる理由がうなずける。その七座とは、標高順に言うと、八仙山(2366m)馬崙山(2305m),屋我尾山(1796m),波津加山(1722m),東卯山(1690m),白毛山(1522m),唐麻丹山(1305m)となる。山名も少し変わったものがあるが、これは原住民泰雅族の言葉での名前を日本時代に漢字を当て、それが中国語名になっているという由来がある。同行者のVさんによれば、波津加山の日本語読みハツカは、泰雅族語では努力の意味だそうだ。

同一ルートで頂上を往復
歩行高度
台北から行くと、二週間前の馬崙山が一番奥に位置する。その次は、今回の波津加山だ。谷關温泉ホテルなどのすぐ上に位置し、登山口もホテルの近くにある。交通機関などもバスが近くまで来ているので、七座の中では一番アクセスは良いかもしれない。ただ、台北からだと時間が掛かりすぎるので、一日で往復するのであれば自分の車で来ることが必須だ。今回は、台北から出発、谷關温泉の駐車場に車を駐車、大甲溪にかかる吊橋を渡り、四季温泉会館脇から始まる捎來步道からスタート、登ったところにある涼亭からの波津加山登山道を経て頂上を往復した。

谷關七雄の位置と歩いたルート
高速道路から見る大霸尖などの高山
朝6時に集合、三名はカーシェア方式で出発する。途中のインターチェンジ二か所で三人を拾う。第三高速道路の関西インターチェンジ前では、遠くに高山が望める。今日は大霸尖がくっきり見える。少し通いなれた感のある第四高速道路を経て、東勢から中横公路に入り大甲溪の谷間を進む。二週間前とは打って変わって、快晴の空に山々がすくっとそびえている。以前登った山々などを見ながら進み、9時に谷關溫泉に到着。駐車場に車を泊める。

捎來步道入口
石段の捎來步道
9時5分、いよいよ出発だ。天気予報では曇りだったが、予想以上の好天気、心が躍る。谷關吊橋をわたり、明治温泉の脇を進む。上の道で左に折れ、捎來步道入口に来る。桜が満開だ。波津加山へは、この捎來步道をまず登り、途中から波津加山登山道が始まる。捎來步道自体は、山腹を行く遊歩道で温泉宿泊客の散策用といった性格だ。とは言っても、結構急な坂が続く。桟道や石段の良い道である。150mほど高度を稼いだところの最高地点で涼亭があり、休憩する。時刻は9時35分、約30分の登りである。

波津加山登山道入口
急坂を登る
9時40分、涼亭わきの登山口から波津加山登山道を歩き始める。ここも、他の七雄の山と同じようによく整備された道である。まず枝尾根の鞍部に向かって下る。数分で下り切り、ここから登りが始まる。9時57分、0.5㎞のキロポストを過ぎる。少し開けた場所に、多くの木製ベンチが置かれている。そのうち、道はジグザグに山腹を進むようになる。10時5分、休憩をとる。鞍部から高度差約150mほど登ってきた。

大石のセクションを登る
道わきに桜が満開だ
山道は、相変わらず急坂だ。この山は、前回の馬崙山とは対照的に短い距離で高度を稼ぐ。具体的には3.6㎞で標高差約1000mを登る。前回はほぼ同じ高度差を倍の距離で登っている。約30分ごとに一本の休みというペースで登る。11時、標高1300mを超えるあたりからは、大きな石がごろごろするようになる。そのうち2㎞キロポスト付近で、両側にロープが手すりのように張られる道が続く。ところどころ、松葉の道があるが短い。11時半、急坂が終わり緩やかな道になる。頭を上げると、桜が満開に咲いている。空は青く、今日は実によい登山日和だ。

馬崙山方向を望む
涼亭を過ぎる
2.5㎞キロポストを過ぎ、少し下り気味に数分進む。幅がひろくなった尾根上の最低部に涼亭がある。その先少しで、道はまた急な上り坂となる。12時5分右側の樹木が少ない部分を通過、谷を挟んだ対岸に馬崙山とその奥に白姑大山の峰々が続いている。ずっと右の峰は八仙山だろう。3.5㎞キロポストを過ぎ、大きな岩を乗り越える。電柱が前ぶれなしで現れる。林業が盛んな頃の遺物だ。12時16分、頂上に到着。捎來步道入口から、約3時間の登りだ。急坂が続いてきたので、ちょっときつい。

頂上付近から望む、遠くに白毛山や東卯山,屋我尾山
頂上の標識と三角点
頂上でゆっくりと休憩する。三角点基石のある部分はあまり展望がないが、その少し前の岩場では、よい展望がある。ここからは、屋我尾山から東卯山、唐麻丹山そして白毛山など、過去に登ってきた山がすべて望める。谷底には、民宿に泊まった松鶴部落も見える。一緒に登ってきた山仲間たちと一緒に写真を撮る。今回は、筆者にとっていわゆる谷關七雄の最後を締めくくる最高の眺めだ。

八仙山方向を望む
同行の仲間と頂上で撮影
岩場セクションを下る
約50分ほどの長い食事休憩の後、13時5分に名残惜しいが下り始める。登りはきついが、下りは速い。登りの時に見た、白姑大山は頭に雲を被っている。13時35分、涼亭につく。少し休憩する。2.5㎞キロポスト先から、谷間が見える。ここが景色を見える最後のポイントだ。岩が道に転がるセクションが現れ、山腹を下り始める。14時15分、1.5㎞キロポストを過ぎる。捎來步道の約800mの部分も入れ、下山は残り半分だ。

ここから山腹を下り始める
温泉街もすぐ下に見える
14時40分、0.5kキロポストの休憩場所につく。しばし休憩する。更に下り、15時最低鞍部につく。ここから少し登り返しだ。こうした登りは、ことさらつらい。5分ほどで登りが終了、登山口につく。涼亭には多くのハイカーが休憩している。そのまま通過し、捎來步道を下る。階段道を足早に下り、15時23分四季温泉会館脇の入口につく。道を少し下って、売店で少し休憩する。冷たい飲み物がうれしい。吊橋を渡り、15時45分に駐車場に戻ってきた。

吊橋を渡れば歩きは終わりだ
休憩も含め、6時間40分の登山である。歩行距離は約9㎞弱だ。急坂が続くが、それだけに登ったという感が強い。天気もよく、とても良い登山ができた。谷關の山は、これで一通り登ったので、谷關八雄と新たに呼ばれる阿冷山を除いて、しばらくは訪れることはないだろうが、過去の訪問時に見えたその上方の山々などを登っていくことになるだろう。困難度は道はクラス2、体力はクラス3というところだ。

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