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鼻頭角步道涼亭から見る鼻頭漁港、その向こう南雅山を含む黄金九稜、そして苦命嶺、草山、半平山 |
黄金の街であった九分の近くの山々は、海に面しなおかつ樹木が少ないので、独特な風貌がある。天気が良く涼しい季節は、とても気持ちのよい歩きができる場所だ。冬季は東北季節風による雨が多く、なかなか山登りに適した日がやって来ない。春が近づいても、今年は雨が多くしばらくはご無沙汰していた。そして、今回以前より計画していた、快晴のもと鼻頭角近辺の未踏コースを歩いた。
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西側南雅からスタートし、東の鼻頭角まで |
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単純な歩行高度、ピーク部分は高度不正確 |
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海岸脇の遊歩道から見る南雅山 |
鼻頭角から立ち上がり南雅山へと続く山稜は、
黄金第九稜として人気コースになっている。筆者も歩いている。今回のルートは、濱海公路仁愛橋のすぐ近くから、南雅山の急な支稜に取り付いて登り、南雅山からは黄金第九稜を進み、途中から支稜を下って海園古道を経て鼻頭へ降りるルートだ。その後、鼻頭漁港の脇から、岬先端の山々をはじめは石段回遊歩道を歩き、途中から草の尾根道を鼻頭山南峰をへて歩いた。
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補助ロープのかかる登山口 |
長雨の後の晴天は、実に気持ちの良いものだ。今日は、早めに台北をスタート、404自強号で向かう。車内は通学生でいっぱいだ。瑞芳に7時11分に到着、駅舎を出て広場脇のバス停で886番バスを待つ。九分方向へのバスは、駅前の通りを左へ少し進んだバス停からだが、886番は駅前なので間違えないように。7時半にバスがやってくる。今日は、筆者も含めて十人のパーティだ。20数分で、目的地南雅バス停に到着する。
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対岸の稜線は黄金八稜 |
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断崖上の道を登る |
支度をして8時少し前に出発する。晴れ渡った青空、蒼い海、実に気持ちが良い。海岸から見る南雅山は、逆光の中これから登る支稜から続く稜線が見えている。濱海公路と平行に海岸を進む遊歩道は、整備がされて道の状態が良くなっている。海岸に打ち上げられたゴミは、相変わらず多い。引き潮なので、遠くまで凹凸の多い岩底が伸びている。仁愛橋の下で沢を越すが、今日は増水しているので慎重にわたる。数名のメンバーは、道路に上がり橋を渡る。沢沿いに石梯坑古道方向に少し進む。赤い警告板のたつ橋のたもとすぐ左にある岩には、補助ロープが掛かっている。ここが、南雅山支稜道の入口だ。
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海が見え始める、稜線から半平山と基隆山が頭をのぞかせる |
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ガジュマルの根がはびこる急坂 |
8時12分、登り始める。この道は、二、三年前にボランティアによって開かれた道だ。カール上に窪んだところを回り込み、岸壁の上に出る。数十メートル上がっただけだが、さえぎるものがないので、雄大な景色が展開する。すぐ前は
黄金八稜の稜線だ。登るに従い、
半平山や
基隆山が頭を現す。稜線道は海側に回り込み、今度は眼前に大海原が広がる。更に方向を変え南東に南雅山主稜線を目指して登る。左に、虫歯の歯並びのような奇岩の稜線が望める。灌木の稜線は、日差しが差し込み明るい。主稜線の稜線道に合流し、左に南雅山頂上へ向かう。9時10分、標高270mの頂上に着く。今日の行程最高点である。
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大海原が広がる |
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南雅山頂上にて |
頂上から海側に少し進み、展望点から望む。遠くには鼻頭角の岬、その手前には虫歯岩(と呼んでおこう)の稜線を含む黄金九稜、その右には龍洞灣がある。南雅山頂上に戻り、さらに分岐へ進んで、9時26分左に稜線道を下り始める。9時31分、左に信義橋へ下る道を分岐する。稜線を登り返していく。左に枝尾根を行く道が分岐する。これを行くとまもなく、断崖に出る。前面は虫歯岩だ。主稜線に戻り、大きく下りまた登り返す。草原の登り道からは広い展望がある。龍洞灣から
黃金十稜が立ち上がり和美山へ、さらに、苦命嶺から草山、半平山へと稜線がつながる。
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南雅山頂上付近から遠くに鼻頭角、手前に虫歯岩を見る |
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虫歯岩を近くから見る |
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稜線上から見る和美山から半平山までの稜線 |
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大岩上の筆者 |
灌木と草やぶの稜線を風が吹き抜けていく。三月の風は涼しく、晴天のもと実にすがすがしい。10時13分、左に海園古道へつながる稜線道の分岐に来る。左にとり、尾根を下っていく。鼻頭角がだいぶ近くなった来た。高度を下げ、大石を過ぎる。ここは、見晴らしがとてもよい。その先、補助ロープのかかる急な岩場を過ぎ、その下を回り込んで沢に降りる。10時40分、水際で休憩をとる。
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海園古道が山腹を下っていく |
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鼻頭漁港 |
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鼻頭角歩道木階段を稜線へ登る |
休憩後、反対側の坂を上り返す。すぐ左に展望点を往復し、そこから山腹をトラバースしていく海園古道を歩いていく。高度を次第に下げ、11時17分、土地公の脇から濱海公路83.9㎞地点に降り立つ。道路を渡り、反対側の公園に入る。右に進んで売店のある休憩場所に立ち寄る。濱海公路脇を進み、鼻頭漁港の脇を進む。鼻頭公園を少し訪れ、少し往路を引き返し、左に折れて鼻頭角歩道入口に向かう。道すがらメンバー一人が買ってみんなに分けてくれた滷蛋がとてもうまい。11時50分、歩道を登り始める。急な石階段を登り、しばらく石畳の道が谷間を進む。木製階段が現れ登り切ると、稜線にでる。左に少し行き、涼亭で昼食休憩をとる。
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鼻頭角歩道からの眺め、前方に昼食をとった涼亭 |
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稜線上を行く歩道と南西方向のパノラマ、涼亭の右側に鼻頭山南峰 |
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軍事施設入口 |
昼食中周囲に広がる海と山を眺めていると、左の低い崖上のピークに登山者が一人いる。鎌をふるっているので、道を切り開いているようだ。鼻頭角の山稜には、公式歩道以外にこうしたボランティアの開いた道がある。12時25分食事を終え、出発する。メンバーの三人は、ここからボランティアのほうへ向かうということ分かれる。残り7人で歩道を進む。万里の長城を彷彿させる稜線上の道を進み、展望台を過ぎる。その先もう一つの涼亭に来る。左は、軍事施設がある。その先に灯台が見えている。海の向こうには台灣最東端三貂角の半島と
隆隆山から続いていく稜線が見えている。涼亭から下りはじめ、軍事施設の入口に来る。中には入れないようだ。そこで、また来た道を登り返し涼亭まで行く。
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二番目の涼亭から望む |
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鼻頭山南峰山頂 |
涼亭わきから草の間に道が続く。公式歩道を離れ、稜線上の道を進む。稜線を忠実の上り下りし、13時2分鼻頭山南峰(標高118m)につく。主峰は軍事施設の中になるようだ。頂上から、また尾根上の急な下りを行く。左に鼻頭小学校が見える。左に下り、歩道に合流。歩道を下りきって、13時25分濱海公路上の鼻頭角バス停に到着する。待つこと十数分、瑞芳行のバスがやってきた。
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鼻頭小学校、背後は龍洞灣 |
今回は午後2時前に終了した、気楽な山行であった。最上の天気で、帰るのがもったいないような素晴らしいものだった。長く続いた雨天のあとなので、ことさらなのかもしれない。歩行距離8.4㎞、休憩込みの活動時間5時間半である。鼻頭角歩道は、クラス1の最上ルートだが、それ以外はクラス3~4なので地図が読める必要がある。体力的にはクラス2としておこう。
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