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2018-05-19

2018年5月18日 雄大な山景色を眺めて麟趾山・鹿林山の散策登山

玉山登山道から見る鹿林山(左)と麟趾山(2013/11撮影)
前日まで玉山連峰のうちの四座を登り、下って東埔山莊に一泊した。排雲山莊一泊を最大限利用するため、二日目そのまま下山するのではなく、遅くなっても対応できるように東埔山莊に再び泊まる計画である。三日目は下山日だが、午前中を利用して付近の山を歩くこととにしていた。その対象として、塔塔加鞍部のさらに西にある麟趾山と鹿林山を選んだ。帰りの交通手段や荷物のことを考えると一番便利だ。

登山口近くの分岐から見る玉山山脈南部と右遠くに中央山脈
そんなことで、玉山山行の付属的な位置付けて考えていたが、実際に行ってみるとそれだけで十分に価値のある、とてもよいルートであった。もちろん天気が良いことが前提だが、草原とアカマツ林の登山道は、多くの場所から玉山山脈全部を側面から眺めることができ、尚且つ周辺の群大山や阿里山山脈の峰々も近くに望めた。高度が高く、涼しい風が吹き抜け、気軽に歩けるとてもよいハイキングができた。特に、玉山を自分で歩いた後、その山並みを眺めることは、達成感を感じることができる。

東埔山莊から往復
累計472mの登り
大鐵杉の分岐、ここを右に進む
麟趾山と鹿林山は、実は玉山主峰から西に派生する支稜上に存在する。玉山登山道は塔塔加鞍部でおわり、そこからは車道(玉山林道)になるので別の山域の感じがするが、実は同じ山並み上である。そして日本時代1926年に開かれた西側からの登山道は、阿里山森林鉄道の新高口から始まり、鹿林山を越えて塔塔加鞍部へ行き、そこから西稜線を前峰と西峰を越して新高下駐在所(現在排雲山莊の位置)へ続いていた。つまりは、当時新高山と呼ばれていた玉山に登るには通過していた場所である。

昨日夕方東埔山莊に到着し投宿。二日前玉山山行前に投宿した時と違い、金曜日であるので玉山を目指す多くの登山者がやってきて、宿は満員である。多くは朝早くから起床し出発していく。我々は、午前中の気楽なハイキングなので、ゆっくり6時に起床し食事をして7時少しすぎに東埔山莊を出発する。

登山口
麟趾山に向けて石畳道を歩く
18号線に上がり、そこから玉山登山と同じに舗装路を進む。警察派出所と玉山登山サービスセンターわきを登る。7時39分、塔塔加遊客中心(ビジターセンター)につながる山道が左に分かれる。そのまま舗装路を更に数分登り、大鐵杉の分岐に来る。玉山登山口は左だが、ここで右にとり鹿林山莊方向へ行く。舗装路と行っても一般車両は進入禁止、なおかつ鹿林山莊を訪れる車はまずなく、まったく車が通らない。ほぼ平らな道を進んでいく。7時57分、登山口につく。

池の向こうに中央山脈
石畳の道が切通しの向こうにつながる。切通しを過ぎると眼前に、雄大な景色が広がる。草原とまばらなアカマツの向こうには、玉山山脈の南部分、さらに右遠くには中央山脈が連なっている。麟趾山と鹿林山との二つの山は、鹿林山前山から、鹿林山と麟趾山をへて塔塔加登山口に降りる、という縦走の歩き方もあるが、今回はちょうど中間位置にある登山口から入ったので、麟趾山と鹿林山とをそれぞれ往復し、同じ登山口から帰ることにする。

展望台から玉山山脈を望む
麟趾山山頂のメンバー
はじめに麟趾山へ向かう。道は陽明山の山道のように石畳である。アカマツの下の部分は松葉の絨毯だ。数分登っていくと、池がある。あたりは大きな草原、そこにアカマツが点在している。更に登っていく。道は木材を使った階段も現れる。8時22分、右に展望台への道が分岐する。右に少しいくと、森からでて広い草原にでる。大きな樹木があり、一部遮られるが、北峰から南峰、そして南玉山までの山脈が見える。主峰から手前側に降りてくる西稜上の西峰の丸くて平たい山容がわかる。

麟趾山から遠望する中央山脈南一段の峰々
麟趾山山頂からの玉山山脈
群大山、左奥は西巒大山
分岐に戻り麟趾山へ向かう。すぐに稜線上の草原道になる。登っていき8時41分、玉山主峰上にあるような立派な山頂碑のある頂上につく。標高2854m、陽ざしはつよいが灌木の日陰に腰を下ろすと涼しい。たくさんケルンが積んである。稜線の北側に大きな山がある。郡大山だ。そのふもとの東埔溫泉(下東埔)の建物も見える。郡大山の左一番奥の山は西巒大山だ。前面の玉山連峰といい、ここは実によい高山の展望台だ。9時前に往路を下り始める。9時13分、池のところまで戻る。三人が昆虫採集をしている、学術調査中のようだ。9時17分、登山口近くの分岐にくる。

麟趾山から見る、左に鹿林前山(頂上に白い天文台)と右に阿里山山脈の峰々
前方に鹿林山を見ながら下る
鹿林山へ向けて登る
ここから反対方向に鹿林山へ向かう。道は登っていく。こちらも草原の道で、実に気持ちがよい。ところどころでアカマツが生えている。9時25分、登り切ったところで一休みする。ベンチも設けられている。今日は気楽なハイキング、気持ちの良い場所でゆっくりする。涼しい風も吹き、昼寝でもしたら最高だろう。

塔塔加鞍部登山口への巻き道分岐部
左に池を見る
休憩後、緩やかな下りを行き、右に山腹を塔塔加登山口へといく道を分岐する。この道は、日本時代の西側登山道の一部だろうか。その頃は、新高口という今は18号公路上になる地点(自忠)から、歩き始め、石山や鹿林山荘をへて、鹿林山を越えて現在の塔塔加登山口へ向かっていた。

この角度からだと玉山前峰や西峰がよりはっきりする
@鹿林山山頂
分岐を過ぎると、道は鹿林山山頂に向けて登り始める。登ってすぐ左にと右に池がある。登って高度が上がると、麟趾山とは違った角度で玉山山脈の峰々が望める。ここからだと、前峰や西峰がよりはっきりする。その山腹を行く、排雲山莊への道が見える。孟祿斷崖を過ぎていく旧道と、それを高巻く現在の道も判別できる。10時に鹿林山山頂(標高2845m)に着く。ここも立派な山頂碑があり、右に鹿林山荘への道が下る。直進すれば鹿林前山だ。ここでもちょっと休憩する。

往路を戻る
10時10分、往路を戻り始める。今度は、右前方に玉山の雄大な景色を見ながらの歩きになる。10時26分、山腹道を分岐を通過。もう一つのコブを越して10時42分に登山口に戻る。舗装された林道を大鐵杉へ戻る。途中、サルの群れが道にいる。10時52分、大鐵杉を通過、11時21分に東埔山莊へ帰る。東埔山莊からの往復で約8.4㎞、途中ゆっくりと休憩をとって4時間強である。山荘に置いてあった荷物を取り、18号線に上がって左に塔塔加遊客中心方向へ歩く。

玉山を前面にみて山道を行く
員林客運の日月潭行きバス@塔塔加遊客中心
員林客運のバス停がある駐車場近くで、簡単に食事をし、13時50分、日月潭向けのバスに乗車する。このバスは、本来日月潭で16時20分発の台北行直通の國光客運バスに接続できるはずだったが、21号線の途中道路工事場所で長く待たされたため、数分の差で間に合わなかった。日曜日は、さらに遅いバスが一便あるが金曜日の今日は直通バスはない。そのため、台中をへて台北に帰った。

道端の玉山龍膽の花

天気に恵まれて、実によい気楽なハイキングができた。前日までの玉山登山も、単に主峰だけでなく一泊でもその他の峰を訪れることを薦めるが、時間が許せば鹿林山と麟趾山も訪れることを薦める。上り下りも少なく、鹿林前山から縦走という形を取れば、塔塔加登山口からシャトルカーで下ることも可能だ。玉山に上る体力のない人でも十分に歩け、尚且つ素晴らしい景色と高山のすがすがしさを満喫できる。困難度はルート、体力ともにクラス1、誰でもOKだ。


2 件のコメント:

  1. こんにちは、度々失礼します。
    こちらは入山証、入園証共になしでも登れますか?

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  2. この山は、許可一切関係なしです。

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