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2020-05-11

2020年5月9日 坪林小粗坑古道 - 小粗坑山 - 火燒寮崙 坪林から平溪へ縦走

沢の脇を行く小粗坑古道、ロープが取りつけらている
今回の目的地は、3月に歩いた楣仔寮尖のすぐ隣になる小粗坑山である。出発点も北42号線の英速魔法學院から少し手前にある土地公の脇からだ。自動車輸送の発達で忘れらた、坪林の山野に散在する集落をつないでいた古道を歩いた。今回のルートも、ボランティアによる道整備のおかげで歩くことができるようになった。勿論、自分で鎌を携え進むこともできるが、おそらく2倍や3倍の時間がかかっただろう。道は歩かれて初めて道であるし、障害物があるのとないのとでは、まったく違う。

南から北へ縦走
歩行高度表
F721バスを待つ@坪林國中
休日に運行されるF721新巴士は、定員20名で立席はない。なおかつ今回出発点近く英速魔法學院へ行く便は一日三便しかない。逃してしまうと、目的地を歩くことができない。そこで前回と同様に、大坪林7:00発の9028番バスで出発する。7時38分に坪林國中バス停に到着する。すでに4名が隊列している。我々8名もすぐに並ぶ。5分ほどすると928番バスが到着し、並び始める。すぐに20名満員となってしまう。

F721バスから北勢溪南側の山並みを望む
小粗坑橋でF721バスを下車、武漢肺炎のためバス乗車にはマスク着用
土地公祠のある古道入口
8時少し過ぎにF721番バスが到着し、乗り込む。そのあとに928番バスでやってきた、参加を希望した一人は乗れず、メンバー8名でバスは発車する。バスは坂道を登り、20分ほどで南山寺に着く。数名が下車し、乗客は半分となる。道を下り、北勢溪にそった北42号線を進んでいく。8時51分、小粗坑古道入口の土地公祠で止めてもらい下車する。このバスは、どこでも上下車ができる。

橋の上から見下ろす貴妃池
有應公の石祠
小粗坑古道は沢にそって進む。土地公祠脇の小粗坑橋の下は、滑滝状の貴妃池がある。家族づれのテントが張ってあり、池では釣り糸を垂れている。9時過ぎに古道を歩きはじめる。今日は天気は晴れ、暑くなりそうだが、沢沿いは微風があり涼しい。歩きはじめて間もなく、道脇に有應公石祠を見る。土地公は道教の神様だが、有應公は行き倒れなど身元が判明しない死者などを祭る。祠のすぐ上で、道は高巻く。本来の古道は土砂がくずれてしまっている。高巻きから下りると、道筋は問題ない。ただ、幅が狭く注意が必要な場所もある。

古道を進む
小粗坑8號の民家
20分ほど歩くと、メンバー一人が足を踏み外して、滑落してしまう。幸い樹木があるので3メートルほどで停まる。わきの補助ロープを外し、それを頼りに道に戻る。ケガがなく、歩きを続ける。9時39分、古道は舗装路にでて終わる。すぐ右下に民家がある。舗装路は、この民家まで上から下りてくるものだ。小粗坑8號の住所プレートがあるが、すでに住んではいないようだ。

舗装路を登る、背後に三角ピーク
古道のような石段のある小粗坑山山道
小休憩のあと、舗装路を登っていく。背後に尖ったピークが見える。9時51分、分岐を左に折れて小粗坑12號民家の前に行く。こちらはまだ住人がいる。民家前を行き、奥まったところから山道が始まる。石段もある。この部分は古道の一部のようだ。勾配のきつい坂を登り、10時15分小休憩をとる。

急坂を登る
建築中の建物の脇を進む、左に楣子寮尖
小粗坑山山頂のメンバー
尾根上の道の脇に、まだ建設中の家屋が見える。おそらく別荘といったものだろう。その向こうに楣仔寮尖のピラミッドが目立つ。大工のラジオ放送が聞こえてくる。緩い尾根道を進み、途中右に道を分け、10時52分樹木の中の小粗坑山(標高579m)に着く。小休憩後少し下り、また登り返す。11時12分、環山道路の登山口に出る。こちらのほうが、小粗坑山より高い。

まだ新しい古道入口の道標
番子坑古道の峠、ここは直進
右に環山道路を下っていく。まもなく右から道を合わせる。先ほど我々が登ってきた道だ。環山道路は、ほぼ稜線にそって進む。少し登り返し、11時26分、左に番子坑古道入口を見る。ここからまた山道歩きだ。稜線上の道を登っていく。11時41分、番子坑古道の峠部分に来る。左にとれば、今日の目的地東勢格方面に続くが、予定は直進して稜線を追っていく。急な上りを過ぎ、まもなく11時52分右から道が合流する分岐に着く。3月楣子寮尖を越えた後、環山道路から登ってきた場所だ。食事休憩をとる。
この分岐で昼食休憩
稜線道を行く
長めの40分ほどの休憩後、稜線道を歩きはじめる。前回は霧模様の天気だったが、今日は木漏れ陽の森の道だ。小さな上り下りを過ぎ、数分で分岐に来る。右は枋山坑山方向だ。今日は左に進む。一度下った後、登り返す。標高約650m、名もないピークだが今日の最高点だ。長い下りが始まる。ロープも取り付けられた急坂を過ぎ、13時道脇に古い墓を見る。草が刈ってあるので、墓参りはされているようだ。さらに10分ほど下り、鞍部で左に道を分ける。稜線道を登り返していく。13時20分、ちょっとしたピーク部分で休憩をとる。

古い墓を見る
鞍部の分岐
ロープの急坂を下る
しばらく急な坂を行く。苔におおわれた大き目な石がある。ロープの部分もある。13時44分、正面に廃棄された家屋の土台石がある。柱も2,3本残っている。この建物跡は普段見る石壁の遺跡とは異なっている。どのような建物だったのか、ちょっと不思議だ。道は左右に分かれる。左は火燒坑農路にでる。右にとって、急坂を下る。下りきると沢わきの棚田跡に降りる。右に進む。草原をよこぎり、13時57分左に鉄門を見る。

土台の残る廃屋跡
火燒寮崙
時間はまだまだ早い。右にとって予定通り、最後の火燒寮崙へ向かう。じめじめした場所を過ぎると、山腹道に上がる。少し進み、14時3分、火燒寮崙につく。山名板には標高320mとあるが、ここは山頂ではなく基石が埋まっている山腹だ。休憩後さらに進む。非常に規模の大きい廃屋が現れる。残っている石壁の間のドア枠のくぐり、次の部屋へと進む。草が刈られている中庭に出る。その奥にも部屋があるので、これは三合院の造りなのか。いずれにしても、いままで見た山中の廃屋のなかでは、とても大きなものだ。

規模の大きい廃屋、中庭から見る
鉄門を通り舗装路に出る
道をさらに進み、下って家屋下の棚田跡と思われる平らな部分を横切る。先ほどの分岐に戻り、右に鉄門へ進む。火燒寮溪に掛かる橋を渡り、鉄門脇を通る。舗装路に出る。時間はまだ早い。左に東勢格方面へ歩いていく。15時、右に石古井へと続く道の分岐を過ぎる。すぐに涼亭のある広場に着く。東勢格派出所バス停から乗る予定のF822新巴士は16時40分発車予定だ。まだ時間が十分にある。そこで涼亭で最後のビールを開けゆっくり休みをとる。メンバーの一人は、血を吸ってまるまる太った山蛭を見つけた。

右の涼亭で休憩後、東勢格へ歩く、左の廃屋は廃坑と関係あるかも
廃坑入口
15時45分、最後の2㎞ほどのセクションを下っていく。いままで3,4回歩いているので、馴染みの景色だ。右に廃坑道を見る。水が多く流れ出てきている。そのわきにある廃屋は、当時の炭鉱に関係するものだったのだろう。左に高德坑古道雞心尖古道へと続く道を分ける。平溪國小假日學校をみると、東勢格派出所バス停はすぐだ。30分ほど待ち、F822新巴士にて106号線の東勢格バス停へ出て、3,4分でやってきた795番バスにて帰京した。

F822新巴士で106号線へ
想定より楽な山行であった。距離は10㎞ほど、登りも550mほどである。活動時間は7時間だが、休憩も長い。道の状態がよいことが、楽な行程に関係している。今回も坪林から平溪へと歩いた。こうしたちょっと奥まった場所でも気軽に歩けるようになったのは、交通の便が良くなっていることが大きい。今の状態であれば、困難度はレベル2だ。

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