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2021-10-17

2021年10月2日 烏來下阿玉山 - 中阿玉山(未竟) 遠い山頂を目指すが時間切れで未踏

途中の分岐近くからやっと姿を現した中阿玉山、道は草で閉ざされている

今回の山行は、もともと一泊二日で中阿玉山から阿玉山を歩く計画であったものを、都合で一日の中阿玉山の往復に換えたものである。途中の下阿玉山は、三年前に歩いている。去年の桶後林道再開により、桶後溪流域の山へのアクセスがしやすくなったことを受けて、付近の山を歩いてきた。大/小礁溪山阿玉山や西阿玉山などを歩いた。阿玉を冠する山を皆登頂することも目標の一つだ。

杉人造林が美しい
中阿玉山は遠い。どのルートを行っても距離がある。さらに不人気な山なので訪れる登山者が少なく道が良くない。今回は、下阿玉山経由で訪れたが、途中の稜線上の道は前半はそこそこだが、後半になるとカヤなどの障害物が現れ、道筋を探すのに苦労した。ほかのルートも同様だろう。大礁溪山や阿玉山からのルートにはおそらくかなりのカヤ草原があり、歩かれていないので前進はかなり困難だと思われる。

往路のGPS記録は一部停止
今回は、1180鞍部を過ぎて、左に尾根を下って沢沿いに桶后林道にでる道を分岐する三叉路からは、急に道が悪くなり30分ほど進んだが道探しなどで距離が伸びなかった。時間は12時を回り、まだ1km以上残っていることから、日暮れまでの下山を考えそこで諦めて往路を戻った。帰りは少しゆっくりしたこともあるが、それでも都合10時間の行動時間であった。人数が多いことも関係しているが、中阿玉山を往復するにはあと2時間が必要だろう。

@下阿玉山

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阿玉溪の橋の向こうに大保克山を望む
登山口から急登
早朝5時半に台北を出発する。今日は長丁場なので、できるだけ早く登り始めるためだ。予想より多くのメンバーが参加で三台の車で台北から新店を経由し烏來へ向かう。時間が早いので烏來老街は人通りもない。6時27分、孝義を通り過ぎ桶後林道を下る。下って阿玉溪の橋を渡ったところで車を止める。先に別の車でやってきたメンバーも含め、今日は18名のパーティだ。

シダの下草の急坂
尾根上に上がる
橋の脇の登山口(標高233m)から、すぐに急登だ。2,3分で山腹をトラバースしていく道に合流する。この道はおそらく以前の造林道だろう。折れた枝が覆いかぶさるところを過ぎ、道は左に斜面を急坂で登り始める。シダがびっしりと茂り、道を覆う。昨日の雨がまだ乾かず、ズボンを濡らす。ひたすら登り、7時24分山頂から降りてくる尾根にとりつく。

幹に文字の消えたブリキ道しるべ
露出した岩の急坂
幹が白いカシ類の樹木が差し込んでくる朝陽に目立つ。そのうち造林域に入ってきたようで、杉にとりつけられた道しるべをみる。トタンでできたしるしは、文字がすでに剥げてしまっている。造林域をぬけて、また広葉樹の尾根道を登る。8時13分、岩が現れている場所を過ぎる。8時半過ぎ、少し平らになった場所(標高870m)で、二度目の休憩をとる。

ビニールシートが残る二度目休憩場所

古い道しるべと残された鍋
更に急坂は続く。9時20分ごろ、標高が1050mを越えるあたりで急坂はゆるい起伏に換わる。すぐ左に墜落した軽飛行機の残骸を見る。その少し先で、1997年阿玉山會師のブリキ板標識を見る。そのすぐ脇は下草のない平らな場所で、鍋が二つ置いてある。周囲は杉造林だ。少し登って9時30分、下阿玉山山頂(標高1089m)に着く。休憩をとる。10数人に対しては狭い頂上だ。

下阿玉山山頂
上り下りのある稜線を行く
9時47分、中阿玉山へ向けて出発する。標高1283mの中阿玉山は、単純に標高差をみると大したことがないようだが、遠い。そしてその間には、登り下りが多く待っている。もちもと訪れる登山者が少ないこの山は、道も当然良くない。下草のない広葉樹の雑木林や、杉人造林の下を行く道は、そこそこ明瞭で、思っていたよりは状態がよい。初めに少し下り、緩いが長い上りが続く。11時過ぎ、1180鞍部前のピークで休憩をとる。

杉人造林をぬけていく
1180鞍部から北方向を望む
文字判読できない道しるべ
10数分の休憩後道を下り、11時24分1180鞍部を過ぎる。狭い尾根の左側は展望がある。桶後溪を挟んだ対岸の鳥嘴尖山の山並みだろう。登り返して、途中我々を追い越していった二人のパーティとである。その先11時38分、文字が判読できない道しるべがついている分岐に来る。左に道が分かれ、地図では枝沢を下って桶後林道へと続く。ただ、この道は果たして状態はどうなのか、おそらくよくはないだろう。


頼りない踏み跡の急坂を下る
右に中阿玉山への道をとり下る。すぐにカヤが現れ道を塞ぐ。前方に目標の、中阿玉山が姿を現す。それまでと比べると、ずっと不明瞭な道になる。鎌を取り出し厄介なつたなどを切る。マーカーリボンもあまりなく、道を探す。カヤをぬけると急坂を下る。下りきって、また登り返す。道は相変わらず不明瞭だ。12時過ぎ、ちょっとしたピークの上(標高1195m)で休憩をとる。分岐まではけっこう順調に来て、中阿玉山へ登頂できるかと期待したが、急に状況が変わった。

右に登り返したところで引き返す
帰路
この先距離は2㎞足らずのようだが、道の状態がわからない。おそらく1時間以上は必要だろう。既に5時間をかけてここまで来ている。中阿玉山へ登り、往路を帰るとおそらく日暮れ前の下山は難しいかもしれない。パーティ人数も多い。そこで中阿玉山登頂は諦め、ここでゆっくり休憩することにする。

午後の光線の杉林
下阿玉山から下る
13時前、往路を引き返す。天気は良いので、気持ちがよい。途中杉造林を改めて過ぎるときは、思いがけない美しさに気づく。13時50分、途中で一度休憩し14時53分、下阿玉山山頂に戻る。しばし休憩をとる。冷えたビールがうまい。15時過ぎ、下山を始める。中間位置で一度休憩をとり、17時少しまえ登山口に降り着く。体調がよくなく、下阿玉山から先に下って待っていたメンバーが迎える。桶後溪の河原でくつろいでいたそうだ。周囲には多くの車が止まり、遊楽客も河原で水遊びをしている。17時20分ごろ、帰途に着く。途中少し混雑があったものの、18時40分過ぎには帰宅できた。


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桶後溪の河原
中阿玉山登頂はできなかったが、よい天気のもと、こうした中級山を歩くのはそれだけでも価値がある。人数が少なく、あと1時間ほど早く出発していれば、登頂できたかもしれない。別の機会に訪ればよいだろう。もともと一泊二日で阿玉山も含めてぐるっと縦走することを予定していた。ただ、この山域の山道はあまり歩かれていないので、今回山行はそれの調査的な意味もある。いずれまた訪れたいと思う。できれば、阿玉を冠した全六座を登りたいと思う。今のところ、まだ四座である。


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