台湾最高峰玉山主峰から中央山脈の最高峰秀姑巒山(中央)を望む、手前は玉山東峰 |
2024/ 03記事更新
日本登山研修所の機関誌登山研修38号に台湾山岳登山一般の筆者の記事があります
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前回の休養の時に、それまでに歩いていた台北周辺の低山登山の経験をまとめ、番外編記事「台北近郊登山についての簡単ガイド」として書いた。その後3000m高山登山ガイドも記した。今回は、数年間歩いてきた台湾高山の登山縦走路について、その実際の登山記録文や高山登山ガイドとは別に、各ルートについて簡単ガイドとしてで整理しまとめる。台湾のいわゆる3000m超高山の百岳は大分歩き、その主なルートも二、三を残して経験した。残っている部分も、いずれこの記事を更新することで全部カバーするつもりだ。もちろん高山は百岳だけではないし、ルートも固定的ものではない。ただ、海外から訪問しあまり歩かれていない高山やルートを歩くことは、少ないはずだ。おそらく、日本から訪れ台湾の高山登山を経験するのであれば、このガイドのルートでほぼ90%以上をカバーすると思う。
欧州アルプスエーデルワイスのなかまニイタカウスユキソウ |
登山の季節については、日本の高山と異なり冬の積雪が少ない。南部はほとんど積雪もない。台湾の中部以北の中央山脈や雪山山脈、また標高の高い玉山山脈は冠雪を見る。その時期には、それなりの経験と装備などの入山の制限もある。季節としては、南部を除いて春から秋にかけてが無難だ。本来夏は台風が心配だが、最近は夏でも台風の襲来が少なく7,8月の台風時期でも問題ないことが多い。逆にもともと割合と天気が安定していた秋は、長雨になることが多い。その点に注意してほしい。
大霸尖山・小霸尖山を背後に雪山山脈聖稜線を行く |
最後に申し上げたいのは、台湾の国家公園管轄内のルートは、特に山小屋について人数制限があるため、できるだけ早く、最良はネット受付開始直後に申請することを勧める。玉山国家公園,太魯閣公園と雪霸公園はすべて二カ月前の受け付け開始時間午前7時(台湾時間)に、前もって準備しておいた申請内容を素早く申し込む。玉山公園の排雲山荘や圓峰山屋は抽選だが、それ以外は先着順できまるので、これが重要になる。台湾登山人口の増加に伴い、特に休日などは定員をはるかにオーバーする希望がある。残念なことだが、現状はこれである。
キンバネホイビイ |
〇 単日ルート
1.合歡山主峰 東峰 石門山 入門者クラス コース定数14(三座合計)
夕暮れの合歡山(畢祿山より) |
入園許可や入山証もいらない。観光旅行のついでに登る、なども可能だ。三座のそれぞれは、合歡山主峰往復 2.2km 登坂下降 各203m 1時間10分 コース定数5;合歡山東峰往復 2.3㎞ 308m 1時間30分 コース定数7;石門山往復 800m、50m 30分コース定数2である。
コースそのものは上記のように簡単だ。ただし、標高は日本の第二の高峰北岳を越える3200~3400m台の水準だ。冬になれば雪も降る。雨でも風が吹けば体温を奪われる可能性もある。1914年に発生した政府軍による原住民太魯閣族を制圧するための太魯閣戰爭前の1913年3月、地形測量のために入山した政府測量隊はここで春の雪に見舞われ、主に台湾人ポーターが80数名命を落としている。晴れていればとても穏やかだが、決してこの高山の高さを侮ってはならない。
交通手段は、自分で車を運転できればベストだが、バスもある。台北や台中から高速道路経由のバスで埔里へいき、 南投客運6658番などで清境農場へ、そしてさらに南投客運6658A番(予約制)バスに乗り換え登山口へ行ける。ただし、時間を要するので松雪樓などで一泊できれば時間的に楽になる。登山口の間は、バスを待たずに車道をを歩いてつなぐことも可能だ。詳細は南投客運のウェブサイトで最新情報を確認してほしい。
2.郡大山 入門者クラス コース定数19
手前に郡大山、一番奥のピークは西巒大山(八通關山より) |
郡大林道登山口から山頂への往復は距離7.1㎞、昇降それぞれ600m、5時間50分である。標高を除けば、近郊登山とほぼ同じような数字である。ただし気象条件は、3000mの高山であることを忘れないように。
アクセスは、四駆車が必要である。ふもと近くの原住民部落望鄉村などの四駆車送迎サービスがある。筆者は望鄉村の民宿に泊まり、翌日このサービスで登山した。望鄉村へは、水里から員林客運6732番バスで行ける。詳細は員林客運ウェブサイトで最新情報を得てほしい。
3.西巒大山 健脚者クラス コース定数43
雲をかぶる西巒大山(最奥のピーク) |
往復といっても、少なくとも11時間ほどは必要なので、一般的には登山口近くで設営一泊し翌日早朝に出発する。筆者も登山口近くで設営し往復した。距離12.7㎞、昇降各1610m、12時間半を擁した。多くの登山者は、距離が近い上記の群大山と、ふもとの民宿などで一泊し合わせて登ることが多い。林道は、自分で運転していくか、送迎サービスが必要だ。
この二座を途中の金子山と清水山を経て縦走することも可能だが、訪れる登山者は少なく、登山路もよくない。一方、治茆山をへて登るルートが最近人気を得ている。この場合は少なくとも二日が必要だ。
4.合歡山北峰西峰縦走 中級クラス コース定数37
合歡西峰山頂、背後は北二段の山々 |
交通手段については、上記1と同じでバスがあるが、6658A番バス終点小風口近くに北峰登山口がある。一方、縦走して華岡へ下ると、公共交通手段はないので、少なくともバスのある梨山などまで送迎サービスが必要となる。バスの場合は、時間がかなり制限されるので、北峰近くの小溪營地などで設営し一泊二日にする必要がある。
關山嶺山の登山道上から望む塔關山(左から二番目),庫哈諾辛山(最右) |
〇 二日~四日ルート
下記のルートは、山中での宿泊が必要となるルートである。山小屋ないしは自分でテントを用意し宿泊となる。
6。玉山主峰 (前峰/西峰/北峰/東峰)二日 入門者クラス コース定数50(主峰往復のみ)
左から玉山東峰、主峰、西峰、背後は玉山小南山(玉山北峰より) |
一泊でも筆者のように、玉山前峰、西峰、東峰或いは北峰も合わせて登頂することも可能だ。天気が良いのであれば、ぜひ一緒に登頂することを勧める。その場合は、前日に東埔山莊に宿泊し、早朝出発が必要だ。また下山後も遅いので登山口近くでの宿泊が必要になる。
排雲山莊は、なかなかその予約がとれないため、一日で主峰を往復する登山者も多い。その場合も東埔山莊などから、未明3時ごろに出発しまた下山後も宿泊ということになるだろう。筆者は、ふもとの宿泊場所は違うが、当時は排雲山莊の改築工事で泊まれないため、一日で主峰往復をした。主峰往復のみで、距離21㎞、昇降1800m、所要時間13時間半である。。
交通手段としては、日月潭から員林客運6739番バスがある。当バスは阿里山まで運行されているので、阿里山から行くことも可能だ。自分で運転する場合は、東埔山莊もまた登山口近くにも駐車場がある。
7.北大武山 二日 入門者クラス コース定数62
北大武山の神社 |
コースそのもには、困難点はない。道筋は明瞭だ。少し岩のセクションがあるぐらいだ。位置的に南台湾なので、冬でも積雪はなく、また雲海が広がりやすく雲上の漫歩を楽しめる。ほとんどの登山者は山頂を登山口から往復する。。さらに山頂から北へ、或いは南の南大武山への縦走も可能だが、それは健脚経験者向けだ。台湾の高山につきもののヤタケ藪漕ぎや倒木などの経験がないと、道に迷う恐れが大きい。
8.雪山東峰主峰(雪山主東コース) 二日~三日 入門者クラス コース定数55
雪山東峰と主峰(品田山より)、背後は中央山脈 |
雪山主峰は、日本時代次高山と呼ばれた、玉山主峰につぐ台湾第二の高峰である。玉山と同じように、多くの登山者が目指す人気ルートだ。そのため山小屋の申請がポイントである。 雪霸公園申請開放後早く申し込む必要がある。交通手段としては、國光客運が宜蘭と梨山とを結ぶ1751番バスや羅東から梨山への1764番バスが午前と午後にそれぞれ一便通る。また武陵農場から登山口までは、農場が運航するバスがあるが、これは予約制なので事前に農場に連絡しておく必要がある。
9.奇萊山主峰北峰(奇萊主北コース) 二日~三日 中級クラス コース定数66
奇萊北峰(左)と主峰(奇萊南峰より) |
一般的には、登山口から成功山屋へ登り、翌朝早く軽装で二座を登り、その足で下山というのが多い。筆者のように稜線上の奇萊稜線山屋に宿泊して、ゆっくり満喫するのも可能だ。ただし、最近は希望者が多いので太魯閣公園の予約確保は大変だ。成功山屋は協作が食事やテントを提供している。交通手段は、上記1と同様にバスが登山口近くの松雪樓まである。
10・奇萊山南峰.南華山(奇萊南華コース)二日~三日 入門者クラス コース定数70
草原山頂の奇萊南峰,南華山(能高南峰より) |
一日目屯原登山口から天池山莊に入り一泊、翌日二座を巡ってそのまま下山できる。筆者のように、再度山小屋に泊まり三日目に下山すれば、ゆっくりと山を堪能できる。ただ、天池山莊は、宿泊希望者が多く休日などは予約が難しい。協作がテントを提供しているので、そちらに泊まるのも方法の一つだ。交通については、廬山溫泉までは南投客運6660番バスなどがあるが、その先屯原登山口まではないので廬山溫泉民宿などの送迎サービスを使う必要がある。車で行けば、登山口近くの駐車場に駐車できる。
11・屏風山 二日 入門クラス コース定数59
屏風山、左は畢祿山(小奇萊山より) |
中横公路の大禹嶺からいったん谷を下り一泊して、翌朝山頂を往復、撤収してまた大禹嶺に登り返す。中横公路から谷に下る道は、さらに太魯閣、花蓮側に下ったところから新しい道が開かれたという。交通手段としては、花蓮から太魯閣を経て梨山へ往復する花蓮客運1141番バスが大禹嶺を通る。ただし、便数が少ないので自由度は高くない。
12.能高越嶺古道 二日 中級クラス コース定数73
光被八表石碑 |
西側からも東側からからも入れる。途中天地山莊などに宿泊し、上記9の奇萊南華二座を登り、その後檜林保線所に泊まって、翌日下る三日の日程も単に古道だけでなく同時に山頂に登ることも可能だ。距離36.1㎞、累計登坂2597m、下降3282m、所要時間19時間である。
交通については、西側は上記10と同じ、東側は天長隧道からは送迎車が必要だ。これは事前に連絡しておく必要がある。
13.白姑大山 二日 中級クラス コース定数63
白姑大山(合歡西峰より) |
一般的に、登山口から三錐山をへて松針營地や司晏池營地で設営一泊、翌朝登頂後そのまま下山というパターンである。 未明3時頃から出発し一日で往復する登山者もいるが、それなりの体力が必要だ。白姑大山登頂後、さらにもう一泊するれば、かなり楽になる。力行産業道を行く一般交通機関はなく、自分で運転するか送迎サービスを利用するほかはない。距離は18.1㎞、累計昇降各約2200m、所要時間19時間15分であった。
14・畢羊縱走(畢祿山/羊頭山) 二日 中級クラス コース定数58
畢祿山と鋸山(鈴鳴山より) |
畢祿山から入る場合は、早朝大禹嶺を出発、820林道の最後の水場で水を補給し、稜線に登る。山頂近くにあるテント場で設営する。ここは水場がないので水を下から持ってくる必要がある。翌日は鋸山を越えて羊頭山を登頂し、下山する。林道最後の水場近くで設営し、翌日は鋸山東峰近くのテント場で設営し、三日目に下山とすれば余裕の日程になる。最近鋸びり山東峰近くに避難小屋が設置された、ということなのでさらに便利だ。距離20.1㎞、累計登坂1503m、下降2373m、所要時間19時間半である。
交通手段としては、上記11と同じで花蓮客運1141番バスが大禹嶺も慈恩も通るので利用できる。ただし、便数が少ないので自由度は高くない。
15.嘉明湖.向陽山.三叉山 二日~三日 入門者クラス コース定数71
早朝の嘉明湖 |
以前は、向陽森林遊樂區からスタートし、嘉明湖山屋で一泊、翌日嘉明湖などを訪れ下山というパターンが多い。この場合は距離31㎞、昇降各約2440m、所要時間20時間だ。ところが、あまりの人気に嘉明湖山屋やその下の向陽山屋が常に満員で予約が取れず、戒茂斯山を経由する別ルートが多く歩かれるようになっている。こちらは、山小屋はないが、登山者が多いので協作が途中のテント場にテントを半永久的に設営し、食事を含めたサービスをしている。同じく二日で往復可能だ。後述する新康橫斷縱走の際には、こちらから訪れた。
南横公路を向陽森林遊樂區まで行くバスなど、定期運航の交通機関はない。池上や玉里から送迎サービスを利用するのが一般的だ。
16。大劍山.劍山.佳陽山(大小劍コース)三日~四日 健脚者クラス コース定数95
三座を含む朝の雪山南稜(合歡北峰より) |
交通手段は、8と同じように國光客運1751番バスや1764番バスが林道入口近くを通るので、利用できる。あるいは、台北から送迎サービスを利用、或いは自分で運転し、林道の行けるところまで進み駐車し往復も、もちろん問題ない。
17・雪山主峰-志佳陽山縱走 三日 中級クラス コース定数72
雪山主峰から志佳陽へ下る稜線(雪山東峰より) |
交通手段は、上記8や16と同じで國光客運のバスが利用できる。自分で運転する場合は、出発点と下山点が異なるので、かえって不便だ。それでもバスで武陵農場に帰り駐車してある車を拾うということもできる。
18.八通關経由玉山主峰/北峰 三日~四日 健脚者クラス コース定数114
八通關と背後の玉山(右が北峰、左の岩峰が主峰) |
筆者は東埔から往復とも八通關古道を経由して登山をしたが、西側にぬけて塔塔加登山口へ降りることも可能だ。その場合は三日で歩き終えることができる。往復するにしても、三日目に登頂後、そのまま東埔へくだることもできるが、少しきつい日程となる。交通については、水里から員林客運6732番バスが東埔へ運航されている。ただし、台北などから出発する場合は、車で直接行くのに比べ、乗り換えなど多くの時間がかかるため、当日の行動時間が少なくなる。帰りも同じである。日程に関し、登りはじめや下山後到着時間などに注意が必要だ。
19.武陵四秀縱走 三日 中級クラス コース定数101
武陵四秀、左から品田、池有山、桃山(雪山東峰より) |
交通手段としては、上記8のように武陵農場へはバスがあり、そこから先は農場のバス利用ができる。自分で車を運転し武陵農場まで来ることも可能だ。
12,南湖大山四山コース 四日 中級クラス コース定数112
南湖大山主峰(審馬陣山付近から) |
筆者は、本来この四山以外に百岳である馬比杉山や南湖大山南峰,巴巴山を訪れる予定で六日の予定で行ったが、天候が良くなく後二座は諦めた。これ以外に中央尖溪の谷に下り、中央尖を登ってぐるっと一周する縦走は北一段縱走路として歩かれている。その場合は、一般的には六日の日程だ。
交通については、このコースも台7甲線上にある登山口から登るので、この沿線の山と同じに國光客運のバスが使える。便数による制限も全く同じだ。車で登山口を往復するのは、もちろんか問題ない。
〇 五日以上ルート
以下のルートは、長期の日数を要する縦走ルートである。長いだけに日数については、もし体力がすぐれているのであれば、短縮も可能である。ただし、歩行時間が長く山を楽しむという意味では、少し犠牲になるかもしれない。
21.雪山西稜縱走 六日~七日 健脚者クラス コース定数180
雪山西稜の山並み(左端は大雪山、右端は火石山、大劍山より) |
北側の登山口へのアクセスは8や16と同じだ。一方南側は、大雪山森林遊樂區になる。こちらは豐原客運の252番バスが、休日に限り東勢から運行している。その他は送迎サービスを利用する必要がある。
22.聖稜線縱走 六日 健脚者クラス コース定数144
聖稜線(左端に大霸尖、右端に雪山主峰、火石山より) |
反対側からの聖稜線(左端に雪山主峰、右端に大霸尖) |
筆者の記録は、シミタ断崖を通過する際、メンバーのザックを遺失するという事故があり、その後本来の予定の主峰を登らず三六九山屋に降りたため、通常の聖稜線ルートに比べると短い。その記録では距離51.1㎞、累計登坂4078m、下降3953m、所要時間47時間20分である。したがって、全線を歩いた場合、各数字が上がる。コース定数も160台ではないかと思う。
ルート上には山小屋があり、宿泊に関しては優れている。北側の九九山荘から始まり、霸南山屋,素密達山屋,雪北山屋などがあり、縦走に対応している。主峰へのアプローチあるいは、主峰からの下山は上記21と同じで、雪山東峰、或いは志佳陽山経由で対応する。
なお、大霸尖山は人気のある山で、聖稜線縦走ではなく、觀霧登山口から往復する登山者が多い。その場合は、九九山屋に宿泊で二泊三日で歩ける。觀霧登山口は、台湾好行バスの運行が始まり、高鐵新竹駅、或いは台鐵竹東駅から乗っていけるようになった。
北二段 中央が無明山(桃山より) |
24・能高安東軍縱走(北三段) 六日 健脚者クラス コース定数182
草原の目立つ能高安東軍縦走の連山(火山より) |
北側は、能高越嶺古道なので交通手段については、上記10や12と同じだ。南側の奧萬大森林遊樂區は、南投客運が紅葉時期(10月から翌年3月)の土日に限り予約制でバスを運行している。あるいは、送迎サービスを利用することになる。
25.南二段縱走 八~九日 健脚者クラス コース定数225
峰々が幾重にも重なる南二段,中央の高い山が雲峰(大水窟山より) |
多くの登山者は、南側向陽から入山し、北側東埔へ抜ける。筆者はその逆方向で歩いた。いずれも問題はない。ただし逆コースは、順コースに比べ登坂が1000mほど多くなる。また、日数的には八日で歩き終える場合が多い。筆者は初日は登山口近くの民宿泊予定を取りやめ、先に登山口から近い山小屋に宿泊したので結果的に一日多い九日となった。距離は86.9㎞、累計登坂7872m、下降6607m、所要時間64時間半である。。
交通手段については、北側東埔登山口は、18と同じである。南側向陽登山口については、14と同じだ。
26.奇萊東稜縱走 六~七日 健脚者クラス コース定数183
奇萊東稜の峰々(奇萊主峰より) |
交通については、西側は8と同じ、東側太魯閣については、302番バスや310番台灣好行バスがある。送迎サービスを利用すれば時間制限がなく、楽である。
27.干卓萬縱走 五日~六日 健脚者クラス コース定数135
干卓萬の山並み(安東軍山より) |
登山口へのアプローチは、ともに一般交通手段はない。送迎サービスを利用する。我々は第一日を萬大林道の廃棄小屋で過ごし一日としてカウントしたが、林道に入る前の小学校などを借りて設営すれば、行程は五日となる。
28.新康橫斷縱走 六日~七日 健脚者クラス コース定数182
新康橫斷の山並み(馬利加南山付近より) |
筆者は、七日で歩いた。そのため、時間的にはかなり余裕があり山上での時間を満喫できた。急ぐ登山者は五日で終えている。登山口へのアクセスは、西側は南横公路上で、14と同じ、東側台30線終点は、一般交通機関はない。送迎サービスを利用する。
29.南一段縱走 六日~七日 健脚者クラス コース定数166
早朝の南一段、最右が關山(三叉山より) |
登山口へのアクセスは、北側南横公路は途中まではあるが、登山口まで行く定期運航のバスなど交通機関はない。また南側藤枝林道も同様である。送迎サービスが必要だ。また藤枝林道は四駆車でないと、通行できない。
30.馬博拉斯橫斷縱走 八日~九日 健脚者クラス コース定数222
馬博拉斯橫斷の山並み(連理山付近より) |
アクセスは、西側は東埔で、上記17と同様。東側中平林道は、四駆車の送迎サービスだけである。距離81.6㎞、累計の昇降高度はそれぞれ6582m、6488mである。所要時間は71時間だ。
31.O型聖稜線縦走 四日~五日 健脚者クラス コース定数111
北稜角直下から北に伸びる聖稜線、右奥に品田山から桃山へ稜線が分岐 |
一般的には、武陵四秀側から入り、南へ縦走するケースが多い。この場合は二か所の断崖はともに下りになる。特に品田断崖ではこの下降で多くの事故が発生している。登りにとるほうが実は通過がしやすい。日数的には、四日また体力的に自信があれば三日でも可能だ。但し、ゆっくりと眺め楽しむとういうのは難しいかもしれない。アクセスは、雪山主東ルート(上記8)および武陵四秀(上記19)と同じで、バスでのアクセスができる。但し、武陵農場のバス停から雪山登山口、或いは武陵山莊までは距離があるので、別途手配が必要である。筆者の記録は、距離33㎞、上昇3041m、下降3133m、所要時間48時間でコース定数は111であった。
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以上、筆者が実際に歩いた高山ルートについて簡単に記述した。詳しい内容は、各登山記録を参照されたい。上記のルートは、ほぼ固定的なルートがほとんどだ。それ以外に、あまり歩かれていない山を合わせた歩き方や、二つのルートをつなぎ合わせて歩くなど、いろいろなバリエーションはできる。
高山に咲くシャクナゲ |
夜行性の台湾最大草食動物水鹿 |