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2013-01-20

2013年1月19日 內湖大崙尾山-金面山 故宮博物院から内湖へ歩く

登山客で賑わう金面山頂上、前方は内湖の街とその先は汐止の山々
今日も冬の台北には貴重な快晴、絶好の登山日和だ。久しぶりに友人と一緒に登山するのに合わせて、天も気をまわしてくれたようだ。HさんとWさん、それにWさんの友人Kさんの合計四人での登山である。HさんもWさんも、久しく山に登っていないのでそれほどきつくないルートをとの希望で、今回は内湖の金面山を故宮博物館から九蓮寺歩道、大崙尾山步道を経由して登り、内湖に下った。大崙尾山との分岐点には結構早く着いた。三人ともOKなので、予定を変更し先に大崙尾山へピストン往復をしたあと、金面山へ歩いた。金面山(別名剪刀石山)は、大石がゴロゴロする頂上なので、遮る樹木がなく展望がきく。好天の頂上からは、広範囲の風景を満喫できた。

左の故宮博物館からスタートし、下の港墘へ歩く
歩行高度プロファイル、中央は大崙尾山
大崙尾山は三度目、金面山は二度目の登山だ。金面山は、昨年五月、台北近郊の登山をはじめて日が浅い頃に訪れたので、久しぶりの再訪だ。前回はほとんど名前を知らなかった山々は、今日はほとんど判別できる。考えてみれば、これで七十数回目の登山だから当然なのかもしれない。はじめて台北近郊の山に登ったKさん曰く、こんなに近くに街中とは違う世界があるとは知らなかった、というように台北は山がすぐそばに控えており、それに登れば別の体験ができる。特に山好きの人には、観光や出張などで台北訪問時に、半日時間をさいて歩けば十分楽しんでもらえると思う。

婆婆橋、端の左には説明板
登山口の石階段
故宮博物館は、観光客が必ず訪れる観光スポットだ。今日はここがスタート点である。8時少し前に、MRT劍潭站からバスで向かう。もともと小18番バスを考えていたが、たまたまその前にやって来た紅30番バスに乗った。ところがこのバスは至善路上のバス停ではなく、故宮博物館の入口まで登っていく。8時20分に到着、結局博物館の建物の入口がスタート点となった。博物館前の階段を下り、至善路に下りる。その後対面に渡り266巷を右に折れる。路地を入るとすぐ左に親山歩道の案内がある。進むと橋を越える。この橋は婆婆橋という。この一風変わった名前には物語がある。橋のたもとにある説明板による概要は次のようだ。「昔、婆婆とよばれた老婦人が外雙溪のそばに住んでいた。川の対岸は薬草が取れるので、貧しい人は川を渡渉して薬草を取っていた。あるとき、貧乏な若者が病気になった母親のため、悪天にもかかわらず渡渉して薬草を取ったが、帰り増水した川で命を落とした。それを見た婆婆は、橋を架けることを決意し、長い時間をかけ自分で材木を切り川岸に運んだ。材料が十分集まった時、婆婆の心に打たれた地元の若者たちが手伝い橋を架けた。橋は婆婆橋と名付けられた。」

圓覚寺とそのすぐ上の九蓮寺
橋からは左に曲り進む。右に苔で緑の石段がある。登山口だ。数分登ると土砂崩れの場所が現れる。崩れた土砂の上に道が続いているので、越えて行くと左から道が合流する。今はこちらの道が多く歩かれているようだ。小沢の脇を階段は更に登っていく。老人が駆け足で階段を登っていく。すごいものだ。婆婆橋から十数分の登りで圓明寺の前に出た。圓明寺のすぐ上には九蓮寺がおいかぶさるように建っている。圓明寺と九蓮寺のわきを階段が続く。テラス状の広場がある。七星山が外雙溪の谷向こうの山の上に顔を出している。階段が終わり、コンクリ製の道に変わる。9時に大直側に下っていく道との分岐に着いた。ここから尾根上を行く大崙尾山登山道になる。道はそのうちに山腹を行くようになり、分岐から20分で金面山への分岐点に着いた。

九蓮寺の脇の階段道
時間は9時20分、まだ早い。このまま金面山へ進むとかなり早く山歩きが終わってしまう。そこで相談し、先に大崙尾山を往復することにする。ここからの道は2011年五月以来だ。進んでまもなくカラオケが響き渡る場所を通り過ぎ、金龍產業道路にでる。対岸の登山道に入ると、土地公の祠が前後して並ぶ。その少し先から登りが始まる。登るとまた金龍產業道路に出る。産業道路はつづら折りなので、山道はその間の近道となっている。産業道路を少し進み、また左側に続く登山道に入る。約15分の登り、10時少し前に大崙頭山へ続く道との合流点に着く。ここにはスタンプ台がある。左に折れ土の道を行く。大崙頭山山頂へはこの道と、右に曲がる石畳のどちらでも行ける。土の道は、幅が広くよく歩かれている。しばらく進むと、右へ階段の道が折れる。これを取り登ると頂上だ。大崙頭山頂上は広いが、木々の中なのであまりその広さを感じない。直進すると、大石がありそこから展望ができる。昨年二月に訪れたときは、外雙溪を埋める霧が晴れ始め、陽明山山系の山々がとても雄大に見えた。今日は、晴天のもと大屯山から七星山、風櫃嘴への尾根筋などはっきりと見える。

大崙尾山登山道
金龍產業道路へ出たところ
大崙尾山からのぞむ陽明山山系の山、左から大屯山、七星山、さらに風櫃嘴に続く尾根、手前は小草山
金面山への分岐、多くの登山客
写真を撮り、10時半に戻り始める。帰りはもう一つの道を下る。こちらは石段の道だ。下り始めると、先に大崙頭山が控えている。10分足らずで分岐に戻り、同じ道を金面山への分岐へ下る。25分ほどで分岐へ着いた。今日は好天の休日、老若男女の登山客が分岐近くの広場やあずま屋で休んだり、運動したりしている。分岐を進むと右に内湖路一段へ下る道を分ける。下ったあと登り返すと雨量測定装置が片隅に置かれた小ピークに着く。一部樹木が切れているところから、文間山方向が望める。その遠くには観音山も見える。更に下り登り返すと、11時半に金面山(剪刀石山、標高252m)に到着した。

自動雨量計のある小ピーク
スタンプ台のある金面山頂上、遠くには観音山、右は大屯山
多くの登山客が大石の上で写真を写したりしている。振り返れば大崙尾山がある。そこからずっと忠勇山や碧山巖、そしてその先には鯉魚山が連なっている。反対側は内湖の街、そしてその先には南港山がある。今日は、かなり遠くまで見渡せる。五分山基隆山が、平渓坪林方向の山々、二格山筆架山などの木柵、深坑の山々、その右には新店の獅仔頭山やその奥は烏來の拔刀爾山が判別できる。そしてその奥には雲をかぶった高山がある。これらの山々はこの一年数ヶ月の間に歩いてきた。

金面山頂上から北方向を見る、大崙尾山,大崙頭山とその前に忠勇山と碧山巖(クリックで拡大)
頂上から西方向を望む
101ビル方向を望む、左は南港山、右の遠くには烏來の山が見える
岩場を下る
三十分ぐらいメンバーは、それぞれ思い思いに写真を写したり休憩したりしたあと、12時に頂上から下前方に見える内湖の碧湖を目指して下り始める。岩の続く道を下りきると、鉄皮の囲いができており迂回道がある。尾根を超えていく作業ロープウェがある。さらに、その先にも送電鉄塔工事中で迂回路が設けられている。手すりがある岩場を下りきると、また内湖に下る道を分岐する。登り返すと泰安亭のあずま屋がある。ここで少し休憩する。裏のほうには岩が露出した部分があり、そこからは今しがた歩いてきた金面山方面の尾根筋が望める。

臨時の工事用迂回路
ここからは、あと下り一本である。尾根道をさらに下り、十字路の分岐に着く。右をとり尾根からは離れて下る。細くなった道が続き、下りきると幅広の土の道に出る。これを左に取りくだると12時55分に、環山路三段30巷の登山口に着く。山歩きはこれで終了だ。後は、環山路からMRTの港墘站まで歩くだけだ。駅に行く途中、麺屋で食事をする。皆で飲むビールが美味い。

今回の行程は、距離約10.2km、時間4時間53分、累計登攀高度は727mである。大崙尾山を往復したことも含め、山道がほとんどであったので、そこそこの山行になった。しかし、良い道であったのでそれほどキツイ感じはない。内湖の山々も、また再び訪れることもあるだろう。
泰安亭から望む内湖の街、松山区と南港山、その奥は二格山

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