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2013-01-21

2013年1月20日 南港山縱走 - W大仲間との縦走路再訪

象山付近の展望台から望む101ビルと曼陀羅の花
昨日(1月19日)に引き続き快晴が続いているなか、また山登りに行った。今日は、W大同校生メンバー(及び配偶者)と一緒で合計6名の登山だ。今回は校友会の正式イベントではないが、昨年10月に行った陽明山山系の登山以来である。今回の同行者は、時々一緒に白酒(中国蒸留酒、日本の甘酒ではない)を飲む仲間達だ。登山初心者も同行するし、午後早めの終了を希望しているので、下山後帰宅も便利な南港山を中華科技大学から台北親山歩道を縦走、象山からは永春高校へ下りるルートを歩いた。全行程すべて石畳の立派な山道である。このルートは、2011年4月に登山を開始した第1回の山行ルートを、ほぼ逆方向に歩いたことになる。好天の日曜日の山は、多くの登山客が歩いていた。

東側の中華科技大学から歩き永春高中へ下る(クリックで拡大)
歩行高度プロファイル
登りはじめの南港山縦走歩道
南港山は単独のピークを指すとともに、台北市市街の東側に南西から北東の方向に連なる複数のピークを含む連峰総称でもある。もちろん標高375mの南港山がその中でも一番高い。西側はズバンと切れ落ち、その中腹からゆるい小ピークの尾根が伸びる。象山や虎山がそれだ。それ以外に四獸山としてくくられる中には、獅山と豹山があるが、前二者に比べると目立たない。縦走路は、連峰北側にある研究院路上の中華科技大学から始まり、谷を登って高度を上げた後、麗山橋と北興宮を結ぶ峠道と鞍部で交わる。その後は主稜線を九五峰を越えて進み、拇指山の下から山腹を急坂で下る。平らな道を歩いた後は象山に登り返す。象山からは呉興街へも下れる。今回は永春高校への道を取った。普段あまり運動していないメンバーには、すこしキツイところもあったようだが、普段とは異なる自然のある台北を体験して満足だったようで、案内した自分としても嬉しい。

檳榔樹越しに見る十八羅漢岩
朝8時半、中華科技大学のバス停で集合する。筆者が到着したときは、他のメンバーはすでに着いていた。これから歩くルートの説明後、出発する。平日ならば学生で賑わっているだろう通りは、日曜日の今日はひっそりしている。守衛室の脇に山道の入口がある。花崗岩石段の立派な歩道だ。台北親山歩道の説明看板も建っている。10分も登らないうちに汗が流れ、立ち止まって上着を脱ぐ。進むと左側が開け、檳榔樹が植わっているその向こうに、十八羅漢の岩がそびえている。右の山側の畑が終わると右に曲り、沢沿いに進む。橋で沢を越える。沢底は、長い間に水と小石で掘られた穴がいくつも開いている。

沢を橋で越える、沢底には自然に造られた穴
土地公とあずま屋
稜線上の展望台
沢からはまたしばらく急坂が続く。砂岩の昔ながらの石段部分も現れる。旧来の砂岩の階段が花崗岩の階段わきに残っているところもある。この道はかなり昔からあることの証だ。登山口から約20分登ると土地公の廟とあずま屋がある。山経験の少ないメンバーは、ずっと続いた登りでキツそうだ。しばし休憩する。数本の山桜の木がある。そのうち花が咲き始めの木もある。あとしばらくで満開だろう。さらに登っていく。9時24分、福徳宮が道の真中に現れた。この少し先で右に北興宮へ、左は麗山橋に下る道の十字路に着いた。このあたりから尾根を歩き、右に台北市街が望めるようになる。道ばたに白い大花曼陀羅が咲いている。

第二岩壁を登ってくる登山者
風もなく気温もまだ高くなく、快晴の青い空で、とても気持ちが良い。陽明山山系がくっきり見える。その手前には昨日歩いた、内湖の山々が連なっている。ここは標高は220mぐらい、今日の登攀高度の約半分を登った。更に20分ほど登ると、あずま屋のある福壽公園を過ぎ、左に後山歩道を、右に虎山歩道へ下る分岐を分ける。その少し先にも山桜が咲き始めている。路上多くの登山客とすれ違う。10時10分過ぎ、九五峰直下の鉄塔までやって来た。あずま屋の柱に取り付けれた寒暖計は18度を示している。第二岩壁の上部で崖を覗きこむと、ちょうど登山者がロープを伝って壁を登ってきた。これを目撃して、メンバー皆な感心している。あと僅かの階段を登り、10時20分今日の最高点九五峰につく。登山口から約1時間50分だ。九五峰の文字を刻み込んだ大石前の広場には大勢の人がいる。上半身ハダカで運動している人もいる。二週間ほど前、九十五歳を迎えた老人が登ってきて、ここで誕生日を祝っていたところだ。東北方向を見ると、汐止の大尖山から四分尾山への尾根筋が大きい。その左には、三角ピークの基隆山も見える。右側は平溪の山々が見える。

九五峰から東北方向を見る、眼前には汐止大尖山から四分尾山への山塊、左の独立ピークは基隆山
荷物搬送用ロープウェイと眼下の台北市街
拇指山頂上に登ってきた童児
一度下り、少し登り返すと鉄塔と荷物搬送のためのロープウェイがある。その少し先の左側には、三角点(標高375m)がある。丁寧に説明した看板も付けられている。第三岩壁の上部を通り過ぎ、その先にある展望台のところで、お菓子などを食べゆっくり休憩する。集合写真を撮り、出発する。南峰を登り返して通過し下って拇指山頂上へ登る。ここは岩が露出した道で、はじめてのメンバーは少し緊張気味だ。休憩場所から約20分、11時20分に拇指山頂上(標高313m)に着いた。木柵、新店、中和、板橋など台北周辺の市街と山々が一望できる。陽射しも強くなっている。五、六歳ぐらいの男の子がお母さんと一緒に、嬉々として岩の頂上に登ってきた。きっと将来は山が好きになるだろう。

拇指山から南方向を見る、木柵から板橋まで望める
拇指山頂上から慎重に下る
写真を写した後慎重に下り、縦走路に出る。ここからは、大きく数十メートル急坂を下る。「忍」の文字が刻まれた大石のある分岐を過ぎ、ゆるくなった山腹道を行く。長壽園への道を右に分け、ゆるい尾根上の道を行く。最後に登り返すと象山頂上(標高181m)に着く。今日最後のピークだ。休憩した後、永春高校への道を進む。下って少し、台北101ビルが眼前に立つ展望台を過ぎる。101ビル年越花火の絶好撮影ポイントだ。ここにも大花曼陀羅が咲いている。大勢の人が白菜火鍋で酒盛りをしている。約15分下ると、永春崗公園に着く。ここは101ビルを望める最終ポイントだ。101ビルを背景に集合写真を撮る。みんな、疲れも見えず元気だ。公園から下り、歩いてきた南港山の稜線を見上げる。メンバーのTさんは、自分の足でそこを歩いてきたことに充実感を口にした。山歩き、特に山々をつないで歩く縦走は、終わってそれを振返るとき、達成感を感じるものだ。12時50分、永春高中バス停に到着した。メンバーはそれぞれバスに乗り帰宅した。

永春崗公園下あたりから見る南港山の稜線、手前は獅山
今日の行程は、距離6.8km、休憩込みの所要時間4時間20分、登攀累計高度507mである。普段あまり運動していないメンバーもいるので、ゆっくりと行動した。疲れたことと思うが、皆また登りたいとのコメントだ。台北郊外には手頃で自然に触れることができる山がたくさんある。これを認識してもらえる仲間が増えることは、とても嬉しい。

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