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2019-04-05

2019年4月4日 七堵から五堵への小山をつなげて歩く

瑪陵尖東南峰から瑪陵尖を望む
今春は、基隆河北側の台北から基隆へ続く山並みを訪問している。先月新山からずっと五堵の獅頭山へ歩いた。今回は、そのさらに東側にある山々の歩きである。瑞芳や雙溪地区の山を訪れる際に、バスや電車の車窓から見える山でもある。今までは、どちらかというと低いこれらの山は、自分の登山対象とはならなかった。ここ1,2年ほどボランティアグループが入り、既存の道の整理や新しい道を切り開いてきた。数年前に瑪陵尖を訪れた時は、草に埋もれていたが、最近はこの地区の山にも結構登られている。そこで、今回の山行となった。
@瑪陵尖,背後に汐止や台北の街が見える
行程中最高でも標高230mの瑪陵尖と100m~200m台の山々で、低い山ばかりだ。しかし、歩きやすいルートかどうかは、標高と関係ない。新たに開かれた道は、非常に勾配の強い岩と土が半々のセクションやがあったり、雨続きで十分に水分を吸った土の道は滑りやく、またドロドロの場所もあり、優しいルートではない。山塊と山塊の間は、舗装路でつないで歩いた。天気がよくなり、太陽がでると気温が上がる。それも苦労を追加した。台湾は四連休の第一日目であったが、場所が場所だけにほかの登山者にはほとんど出会わなかった。

七堵(東側)から五堵へ歩く
小さな登り下りを繰り返す、大まかに四か所の山塊を通過
台北近くの山々
崇智橋の右向こうが龍鳳山
今日は8時に出発点七堵駅集合とした。台北駅7時27分発の自強号急行で向かう。今日は連休第一日である。車内は満員だ。7時52分に七堵駅に到着、北口へ行く。出口ではすでに数名がまっていた。8時少し過ぎ、筆者もいれて10名で駅から歩き始める。七堵の街を抜けていく。10分ほどで基隆河にかかる崇智橋を越える。右前方にこれから登る龍鳳山が高速道路の上に見えている。高速道路高架橋のすぐ下から、龍鳳山登山道が始まる。階段を登っていくと、高速道路と同じ高さになる。車が高速で通り過ぎていく。引き続き階段道を登り、涼亭を過ぎてまもなく8時24分に、今日の第一番目の山頂となる龍鳳山(標高100m)に着く。

龍鳳山
涼亭わきの大業鴛鴦茉莉花
昨日までの雨で、コンクリ道は濡れている。稜線を追っていく。左に、後で歩く瑪陵尖の山塊が見える。道に油桐花が落ちている。もうこの時季か。龍鳳山から数分で、右に萬壽山莊がある。そのすぐ上に登ると涼亭がある。わきに、白い花の中に紫の花がちらほら混じっている大葉鴛鴦茉莉が数株ある。広い樹木に囲まれた場所には、龍鳳山山頂という札があるが、石厝坑山ではないか。休憩をとる。

七堵17橋を渡り進む
真っすぐに登る幅の広い保線路
コンクリ道を下り始める。少し開けた場所で土の道に換わると、道は細くまた急になる。10分足らずで、下り切り自強産業道路に出る。右に折れて進み、すぐの分岐は左にとる。七堵17橋と名札がある橋を渡り、少しの登りで左に土地公を見る。ここを左におれて保線路を歩き始める。初めは谷間を進み、そのうち斜面にとりつき尾根に上がる。9時5分、送電鉄塔の下をくぐる。ここからしばらくも保線路を追っていく。保線路は、台湾電力によって管理メンテされているので、広くて歩きやすい。稜線上を真っすぐに登っていく。一度少し下り、登り返すと瑪陵尖東南峰(標高190m)だ。視界の開けた山頂からは、向こうに瑪陵尖の山頂が、そしてその上に登山者二人が見える。反対側は、霧が晴れて姿を現した五分山-姜子寮山-四分尾山の山並みが長々と続き、そのふもとに七堵から汐止へと続く街が見える。

瑪陵尖東南峰から五分山-姜子寮山-四分尾山の山並みを望む
カスミ網
瑪陵尖は目と鼻の先だが、一度下って登り返さなければならない。下っていくと鞍部近くには捨てられたカスミ網が落ちている。滑りやすい道は、カスミ網を踏んで歩くと滑り止めになる。登り返し9時29分、右から道を合わせる。小休憩後、引き続き登る。この部分は数年前に歩いた場所だ。その時は、かなり草深かった記憶があるが、今は道筋ははっきりしている。鉄の桟道や梯子を越えて進む。先ほど瑪陵尖頂上にいた二人とすれ違う。9時55分、右に瑪陵尖西北峰への分岐を過ぎ、頂上へ登る。9時58分、遮るもののない360度展望台の瑪陵尖頂上に到着する。基隆から台北までが見渡せる。五指山から三界山へと続く山並みの向こうには、磺嘴山が頂上をのぞかせる。谷間には、第三高速道路が行く。

鉄はしごを下り、瑪陵尖へ向かう
瑪陵尖から360度ビュー
湿った谷間を下る
瑪陵尖から往路を下り、分岐から瑪陵尖西北峰へ向かう。岩場や急な土の斜面道を下っていく。谷間は湿っており、道はとても滑りやすい。10時24分、左に道を分ける鞍部分岐を過ぎ、西北峰へ登り返す。10時38分、右へ下っていく道を分け、瑪陵尖西北峰へ登る。すぐに頂上(標高202m)に着く。ここは草木が周囲にあるが、それでも北側が開けていて、すぐ下に高速道路が見える。分岐に戻り休憩する。

瑪陵尖西北峰山頂
西北峰から高速道路を望む
滑りやすい急坂を下る
大同路へ下る道は、最近切り開かれた道だ。すぐに急坂になり、かなりの勾配で下っていく。新しく取り付けられたロープが頼りだ。足場が少なく苦労するところもある。しかし、道を切り開き、ロープを取り付けるのはかなり苦労だったと思う。今日は人数10名とそれほど多くないが、難所を過ぎるのは時間を要する。11時19分、下り切り工事途中で廃棄された住宅が現れる。中は作業途中で放りだしたかのように、軽鉄材が転がっている。資金が途切れて工事も止まったのだろう。住宅の前は、草が密生している。そこまで造られた道を進む。といっても、密生した茅草の間の細い踏み跡だ。高速道路の高い高架橋の下をくぐり、車道に出る。左に折れて歩く。

工事中断の住宅、右側の山から下りてきた
高速道路入口近く
石獅山
草に埋もれた階段道を登る
高速道路への入り口を過ぎ、左に大華路を進む。11時44分、右に橋を渡って大成街を進む。右に葉山薬園の入口がある。その反対側が石獅山への登山口だ。小休憩のあと、草深い石段道を登り始める。ここ来るまでに眺めたように、石獅山は切り立った岩の山だ。道もかなり急坂だ。数分登ると、道は山腹をトラバースしていき、また急坂を登る。12時10分、稜線に上がる。左に石獅山山頂へ向かう。数分で山頂(標高160m)につく。石がむき出しの山頂は、北側がよく見える。先ほど登った瑪陵尖の山塊がすぐ隣だ。歩いてきた車道も見える。山頂から少し下り、日陰で昼食休憩を取る。

石獅山山頂
石像山へ登る
石象山山頂
筆者は昨晩あまりよく眠れず、気温も急に上がったので、ちょっと辛い。少し長めに休憩をとり13時に歩き始める。先ほどの分岐を過ぎ、更に下っていく。13時6分、分岐を石象山への道を取る。沢を渡り、登り始める。数分で稜線にあがり、右に石象山へ向かう。13時15分、石象山山頂(標高144m)に着く。往路を引き返し、先ほど登ってきた分岐をすぎてまもなく、石象山南峰(標高135m)を通過。

中埔山山頂

稜線の道を追っていく。送電鉄塔の下をくぐり、登りつめると13時39分、左から中埔山東峰からの稜線に上がる。右におれてすぐ、中埔山山頂(標高190m)がある。驚いたことに、左に降りる尾根には石畳の道が続いている。こんなところに、花崗岩の立派な道が何故あるのか。税金の無駄遣いか。途中で工事が停まったように見える道を下っていき、13時46分港口山への登り口に着く。休憩を取る。

シダの茂る稜線
稜線上の中油地界
筆者ともう一人のメンバー以外は、空身で港口山へ往復する。急な上り下りだ。全員が戻り、14時5分稜線を歩き始める。この稜線道は、ひょっとして踏跡不明かと心配していたが、ここも手入れされたようで問題ない。無名の小さなピークを越していく。シダのしげる開けた場所からは、遠くが望める。ところどころ中油と記されている地界柱が埋められている。稜線の左側は、中国石油の大きな貯蔵基地だ。14時21分、尾根の突き当りまで来る。右に急坂で下り始める。14時33分、西勢外寮山(標高140m)を過ぎる。さらに数分っ下り、大成街に降りる。

西勢外寮山から石像山、石獅山や中埔山、その向こうに瑪陵尖を見る
慈聖宮の入口、背後に三合山
すこし進むと、道は下り始める。右に分水嶺山への登山口を見る。前方にこれから登る山々が見える。近道をくだり、慈聖宮への道を進む。慈聖宮の前で右に民家へ下る。民家のわきから山道が始まる。右に華新山への分岐を分ける。その先で、右に稜線への道を分け、山腹を進む。15時07分、分岐に着く。右に稜線上の保線路を登る。送電鉄塔をすぎてまもなく三合山に着く。長めに休憩を取る。山頂からは、下方に慈聖宮が見える。

三合山山頂で休憩
下坡山へ岩場を登る
15時30分、往路を下り始める。先ほどの分岐を過ぎ、大きく下り登り返す。15時52分、分岐から左に下坡山へ山道を登る。ロープのある急坂をよじ登り少し行く。16時、下坡山(友納山,標高196m)に着く。今日最後のピークだ。下り道から、前方に七堵の街が見える。五分山と姜子寮山が背後にそびえる。山頂から3.4分で右に急坂が分岐する。下ってすぐに、岩が露出する急坂が始まる。16時20分、大きな岩洞が現れる。上部から水が滴り、じめじめしている。水滴で砂岩が彫られ水たまりになっている。水の力はすごいものだ。

@下坡山山頂
急坂を下る
全員が難所を過ぎるのを待ち、緩くなった坂道を進む。タコの足のように根を延ばしたガジュマロ大木のわきを過ぎる。そのすぐ先に洞窟の展望台のようなものがある。こんなところに来る遊楽客がいるのだろうか。展望台わきから階段が始まる。下り切り、右に小沢沿いに山道を下る。送電鉄塔のわきで右からの道を合わせ、更に下る。16時51分、天使廟に着く。基隆河の向こうに、目的地五堵の街がある。廟のわきにある水ホースで長靴を洗う。今日はドロドロの道もあったので、長靴はかなり汚れている。

洞窟上からの水滴で岩に穴が開いている
たこ足ガジュマロ樹
17時5分、廟から下り車道を五堵駅へ向かう。まだ少し距離がある。左に並行して走る高速道路下をくぐり、新長安橋を渡り17時23分、駅に着いた。待つこと十数分で、区間電車がやってきて台北に帰った。

天使廟から五堵方向を望む
基隆河を渡り駅へ向かう
休憩込みで約9時間半、距離は16.3㎞、小山ばかりだがそれでも累計で950mほど登っている。天気が良いことは歓迎だが、気温が高くなると体力を消耗しやすい。雨が多く湿潤な台北近郊低山は、今頃までは歩きやすい。5月、6月となると気温湿度が高く、植物にはよいが、登山はつらくなる。道の状態がよいので、まだ助かる。草木が生い茂ってしまうと、更に大変だ。レベルは、クラス4だ。今日のルートの一部だけであればまだよいが、低山といってもバカにできない。

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