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2019-09-12

2019年9月11日 雙溪 溪尾寮古道 - 豎旗山 - 灣潭古道 不人気山を登る

豎旗山(2018/1橫山への登りで望む)
数年前から訪れ始めた新北市雙溪區の山々やその間を行く古道は、そのほとんどを歩いてきた。今回は、いずれは行こう考えていた、豎旗山を訪れた。そしてその麓を行く溪尾寮古道を歩いた。灣潭山とも呼ばれる豎旗山は、灣潭の北に位置しほぼ四方を川に囲まれた、ちょっと独立した山塊である。豎旗山ピークの近くには尾根を介して烏山尖や網形山という別の山峰もあるが、この山塊の一部だ。大きなカヤ草原で覆われた山頂の豎旗山は、道がないと大変な苦労が必要だ。今回は、幸いに草が刈られ道の手入れがされて間もなく、藪漕ぎの苦労なく登頂ができた。

北側の虎豹潭から南の灣潭へ
歩行高度表
虎豹潭の入口、ここから出発
溪尾寮古道は、その名由来の溪尾寮から張家莊へ豎旗山の北側山腹を横切っていく道だ。道脇には、泰平地区のほかの古道がそうであるように、電柱がたっている。つまりは、電気が通じる時代になっても、まだまだ地元民に歩かれていた、ということだ。途中、今はだれも住んでいないが、まだしっかりしている民家もあった。溪尾寮古道から張家莊へ降りた後は、灣潭古道を南に灣潭まで歩いた。灣潭からのバスまで時間的に余裕があるので、途中夢潭の水際で長く休んだ。水面を伝わる風は、すこし秋の訪れを感じた。

対岸に渡ったところで、入口を見る
台北を7時27分発の自強号急行で雙溪駅へ向かう。先月にも雙溪駅から山に入ったが、今回はそれより1時間遅い列車だ。駅で参加者を確認する。今日は10名だ。8時半過ぎ雙溪駅からタクシー三台に分乗し虎豹潭へ行く。タクシー代はつい最近値上がりしたようで、前回の400元から480元になっている。約30分足らずで虎豹潭に着く。空は雲一つない青空だ。

虎豹潭步道は流れにそって進む
橋のたもとの石碑と説明文
9時8分、歩き始める。川沿いに少し進み、飛び石の橋を対岸に渡る。今日は、ここから右に下流方向に虎豹潭步道を行く。步道というぐらいで、道には石が敷かれている。古道の趣はない。すこし行くと、沢沿いにも道が続いているようだが、左に階段で登っていく。登って右に歩くと、また右に階段で沢際に降りる。なぜこのような遠回りな道にしているのだろうか。沢際の道をさらに行き、9時半石碑のある橋のたもとにくる。地元住人が、その道の通行を確保するため、大水で壊されてしまう木製ではなく、苦労してコンクリ製の橋を造った記述の説明文がある。トイレの脇を過ぎて、壽山宮の山門にでる。去年1月には、壽山宮から横山へ歩いた

壽山宮山門脇の商店
和平橋、左の山は豎旗山の下部
山門の脇には、屋根の下に食事ができる店がある。おそらく休祭日だけの営業だろうが、ここも遊楽客が多くくるようになったのだろう。車道を左に進む。沢の向こうに古い橋がある。和平橋と呼ばれるこの橋も、車道ができる前に造られた、地元住人のための橋だ。車道から下り、ちょっと立ち寄る。橋のたもとにその由来の説明文や石碑がある。車道に戻り、少しいくと分岐にくる。最近建てられた淡蘭古道の道しるべがある。右に曲がり、坂を登り始める。

ここで右に曲がり、溪尾寮古道へ向かう
坂道を登っていく
坂を3,4分登ると分岐がある。右は北勢溪古道へ続く。左にまがり登っていく。かなり勾配もある長い坂が続く。道脇には柚子がたくさん実っている。10時10分、坂が終わる部分で左に豎旗山への登山口がある。右には、稜線を下って北勢溪へ続く道がある。少し休憩をとる。風が吹き抜け、気持ちが良い。

豎旗山登山口
少し下っていく
登山口には、2017年6月日付の藍天隊の道しるべがある。段差のある上りには、まだ新しい赤いテープが取り付けられている。道をいくと、最近歩かれている感じがある。これは期待できるかもしれない。緩やかな森の中の尾根道を進んでいく。カヤの部分もあるが、見事に刈られている。途中森が切れると、道はほぼ平らになり、途中下りの部分も現れる。10時54分、最近大勢が休んだかと思われる、草が刈られた広場にくる。ここで小休憩をとる。

コンクリ水槽脇をいく
刈られた草の間を登る
休憩後少し行くと、大きなコンクリ構造物がある。水槽だろうか。右を巻いて少し下る。その先から、カヤの間の急坂になる。ここも草がしっかり刈られているので、道筋ははっきりしている。とても助かる。数分のぼり、道が左右に分かれる。右にとり山腹を巻き右に行く。また森の中に入り、草原が現れると間もなく、11時41分豎旗山山頂(標高814m)につく。周囲は背の高い草に囲まれているが、かなりの部分は刈られている。草の向こうに七兄弟山から叢雲山への稜線がかろうじて見える。山頂脇の樹木の下で昼食休憩をとる。暑い中を登ってきたので、時々風が吹き抜けて、ホッとする。

豎旗山山頂のメンバー
七兄弟山から叢雲山への稜線を望む
刈られた草のトンネル
12時15分、往路を戻り始める。ここから尾根を南に進む道、また支稜を下る道が地図上にあるが、その入口すらはっきりしない。この二つの道は、カヤですっかり閉じられているようだ。森を抜け、先ほどのカヤの間の急坂を下る。先ほど通り過ぎた分岐の反対方向へ少し行き、様子を見る。こちらも草が刈られているが、どこまで行くのか。坂を下り切り、少し登り返してコンクリ水槽を過ぎる。さらに往路を下り、13時18分溪尾寮古道の登山口に戻る。

溪尾寮古道脇の土地公祠
古道の橋を越える
沢を越える
登山口脇で少し休憩し、13時30分古道を歩き始める。ここまでの舗装路は終わり、土の幅広い道になる。5分ほどで、前方が開け、片隅に屋根が取り付けられた土地公祠を見る。雙溪の土地公は、いまでも焼香されているものが多い。道はここから幅狭まり、山道となる。下り始め、少し急な坂を行く。13時37分、下りきったところで橋を越える。すっかり苔で覆われているが、このコンクリ製橋も地元民が協力して造ったものだろう。

急坂を登る
廃棄された民家前に出る
登り返しが始まる。少し先で、また別の沢を越え、急坂が始まる。水が流れ、路面が削られている。古道らしい石段もある。やがて道は緩やかになり、山腹脇を進む。14時4分、眼前に民宅が現れる。かなり大きな家屋だ。ドアや窓はしっかり閉じられ、前は草に覆われている。すでに住所標識もなく、だれも住んでいないようだ。サルか何かがかじったと思われる柚子が道端に転がっている。少し行くと、廃棄された棚田が沢わきにある。14時14分、道脇の電柱に道しるべが取り付けられている。豎旗山へと示しているが、道筋はほぼ消えている。だれも歩いていないようだ。

廃棄棚田脇を古道は進む
水の流れる坂道を下る
急坂が始まる。下部は沢と合わさり、水が流れる。沢から分かれ、山腹を行く。下り始め、開けたもともとは棚田だったと思われる脇を通り、14時38分民家(烏山24號)脇を過ぎる。ここは地図上の藤寮坑だろう。道は畑の間を進み、また急坂で下る。数分くだると、道には石畳が敷かれている。石段を下り、車道に降りる。14時48分、川に降り橋を渡る。張家莊は目の前だ。橋を渡り、畑の脇を進む。現れた分岐は左に登り、灣潭古道の入口にくる。先ほどの下りの途中から聞こえていたエンジン音が近づく。ちょうど灣潭古道の草刈が行われている。

畑の間を進む
川際に降り、橋を渡って張家莊へ向かう
灣潭古道の入口では草刈作業が進行中
灣潭古道はとてもよい状態だ
灣潭古道は、多くの部分は川のかなり上の山腹を行く。小さな上り下りもけっこうある。以前あった道端のキロポストは取り外されている。道が川に向かって下り始め、15時16分ベンチが設けられている場所から、水辺に降りる。ここで長い休憩をとる。今回はビールを持参したメンバーも多いが、ここで最後のビールを開け、ゆっくりと休む。風が吹き抜け、長居したい気分だ。

夢潭でのメンバー
開けた場所から川を望む
対岸に二つの滝を見る
古道も残りわずかだ
15時50分、灣潭へ向け古道の残り部分を歩く。バスまでまだ一時間ある。途中、二組のハイカーとすれ違う。平日でこのように出会うというとは、古道歩きもだいぶ人気が出てきたのだと思う。枝沢を越えていく。16時過ぎ、対岸の滝を見る。高い場所の大きな滝と、左側低い部分の小さい滝、大小二つの滝だ。16時16分、道は砂利道になる。川沿いに降りてきて、水辺はだいぶ近づいた。すぐ先で石洞下にある骨壺は、その前に屋根が設けられている。道は石畳に変わり、最後に大きく曲がった川沿いを進む。16時半過ぎ、灣潭バス停に到着する。すでに数名のハイカーがバスを待っている。

灣潭についた
F815バスがやってきた
着替えなどを済ませ、16時50分にやってきたF815バスに乗り込む。このバスも新北市の新巴士コミュニティーバスだが、先日のような乗車拒否はなく全員が乗り込む。地元民も途中で二人ほど乗ってきたが、問題なく17時42分雙溪駅に到着する。17時56分発の莒光號準急で台北に戻った。

地元民に拝まれている土地公(壽山宮の近く)
歩行距離約15㎞、累計登坂920m、下降890m、休憩込み7時間半の行動時間だ。舗装路の部分もあるが、古道も歩きやすく距離が伸びている。溪尾寮古道は、登り下りも多いが、状態はとてもよい。豎旗山は、登るのであれば早めに行ったほうがよい。一年もたてば、また草に道を塞がれ苦労することになる。この点で、我々は実にラッキーだった。

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