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2019-12-23

2019年12月21日 網形山 - 豎旗山 - 柑腳山 雙溪の古道を経て再訪

ススキが背景の豎旗山山頂の標識、まだ新しい藍天隊の道標
新北市雙溪區の豎旗山を再び訪れた。今年九月初めに、藍天隊が道の草刈整理をした後一度おずれた。この山は、以前から訪れようと思っていたがススキが密生する稜線は、草刈された後でないと、とてもではないが困難だ。話に聞くところによると、藍天隊の陣容をもってしても最初は、北側溪尾寮古道からの稜線を伝って山頂までしか整理できなかったようだ。我々も夏の時は、同じく北側からの道を山頂へ往復した。その後藍天隊は9月下旬に、今度は南の烏山古道から北へ稜線への道を整理した。そこで、今回の山行となった。

雙溪地区の南から北へ歩く
二つの山越えルート
ルートは、雙泰產道の烏山古道登山口から峠に登り、先に網形山を往復し、その後北へ稜線を豎旗山の稜線をへて山頂に登る。引き続き北へ溪尾寮古道へ下り、壽山宮で昼食、先に鯉魚山福德宮に立ち寄り、その後保成坑古道を経由して柑腳山へ再び登り、その後崩山坑古道と大埤古道をへて清水坑へ下山した。保成坑古道は、過去に何度か一緒に登った老莫さんが行方不明になった場所の近くである。9月に一人で近くの料角坑で下車した後、再び見つかっていない。捜索隊が編成されて捜索が行われたが、発見されていない。

タクシーで登山口へ
台北を6時23分発の、203次自強号で出発する。7時20分前に雙溪駅に着く。外に出ると雨は降っていないが、地面は濡れている。天気は回復方向にある。今回は都合12名のメンバーだ。タクシーに分乗して出発点に向かう。タクシーは三台必要なため、ちょっと時間を要した。5年前に訪れた烏山古道の入口になる雲霄精舍の少し先で下車する。タクシー代は、一台あたり600元だ。8時ちょっとすぎに三台目のタクシーが到着し全員がそろう。

烏山42號民家前を通り烏山古道が始まる
状態のよい烏山古道
少し雨がぱらつく中、歩き始める。舗装路を烏山42號民家前まで行き、前庭を横切りその奥から山道に入る。前回は下ってきた道を、今度は登っていく。広い土の道は、緩やかに高度を上げていく。沢をこえて、草もない良い道を進み8時25分炭焼窯跡に来る。少し休み、汗が出てきた衣類を調整する。濡れた道をさらに進む。8時42分、峠に着く。バスの時間が気になり、5年前にはいかなかった網形山へ往復する。最近入った藍天隊は、豎旗山への稜線道だけでなく、網形山への道も手入れをした。そのため、道の状態はよい。南に登り気味に稜線を行き、8時55分網形山山頂(標高693m)につく。南側が樹木がなく、天気が良ければ鶯子嶺などが見えるはずだ。

霧の中の網形山山頂
豎旗山の稜線を登る
補助ロープの坂を登る
下りは、道が滑りやすく慎重に下る。9時15分鞍部に戻り、北方向に豎旗山へ稜線道を進む。濡れた森の中は、下草が濡れている。壊れた傘の布を前掛けにして進む。赤い珊瑚珠の赤い実が、濡れた緑に映える。十数ほど進むと森の木が少なくなり、ススキの稜線となる。勾配も次第にきつくなり、ところどころ補助ロープの急坂で高度を上げる。空は時々青空が、霧の切れ目にのぞく。湿度が高いせいか、汗が流れる。勾配を登りつめ10時に、ちょっと開けた場所で休憩をとる。

豎旗山南峰
豎旗山へ向けてススキの藪漕ぎ
歩き始めてすぐ、豎旗山南峰(標高800m)につく。ここは右に尾根が烏嘴尖へ降りていく。この枝尾根上には道があるが、藍天隊の道しるべが示すように長い間歩かれていないようで、行くとしたらかなり難儀だろう。とにかくススキが密生する稜線で、かなりの草刈や藪漕ぎが必要になる。豎旗山の主稜線は、まだ草刈から3か月ほどで問題ない。登り下りのある稜線道を進む。草の上に糞がたくさんある。イノシシのものだろうか。彼らもこの草刈された道の恩恵をあずかっているようだ。10時30分過ぎ、豎旗山山頂(標高814m)に着く。9月に訪れた以来、けっこう登られているようだ。ここも多くの糞が刈られた草の上に転がっている。

溪尾寮古道登山口に着く
新しい淡蘭古道の道標
壽山宮牌樓近くで食事、犬が物欲しそうにやってくる
頂上からの道は、以前歩いているので様子が分かっている。ススキの道が切れると、森の中を下り、またカヤの密生した山腹道を下ると、森の中に入る。ちょっと登り返し、大きなコンクリ製タンクの脇を過ぎる。もうすでに使われていないようだが、何の目的の物なのかわからない。緩やかな長い稜線を下っていき、11時40分に溪尾寮古道登山口に着く。対面に稜線をさらに下っていく道がある。これを行けば料角坑に直接降りるが、壽山宮で食事をとるつもりなので、右に舗装されている溪尾寮古道を下っていく。雙泰産道に下りきり、左に曲がって12時10分、壽山宮につく。山門脇の売店は、今日は大勢の人が食事をしている。我々はその後ろの屋根のある場所で、昼食休憩をとる。空も晴れてきて、気持ちが晴れる。

鯉魚山福德宮の祠
用水路に使われた石菅
30分ほどの休憩後、12時46分午後の歩きを始める。手前の橋を渡り、左に鯉魚山福德宮へ沢沿いの道を行く。ちょっと小高い場所に土地公の祠がある。説明によれば、140数年前に建てられた、この地区では最も古い土地公ということで、中国からやってきた職人に造られたそうだ。そのわきには、水を引くための水路に使われていた石管が、資料として並べられている。地図上では、土地公から直接保成坑方向への道に続くように示されているが、道が見当たらない。そこで往路を戻る。

右に保成坑古道へ曲がる、わきには放し飼いの鶏
改築され新しい土地公の祠
戻ったところは、古道の入口だ。沢にそった古道を数分進む。一部崖が迫り幅が狭まったり、土に埋まった水路がある。古道は舗装路につながり終わる。舗装路はおそらく本来の道を拡張し舗装したものだろう。すぐ右に、崩山坑古道へつながる道を分ける。畑越し沢の対岸に、先ほど登った豎旗山の山塊が見える。民家の前を通り過ぎ、13時24分保成坑古道へ続く道の分岐にくる。わきには放し飼いの鶏が歩いている。のどかな農村風景だ。登り気味の道を数分行くと、まだ新しいきれいな土地公がある。最近建て替えられたようだ。この土地の人は、信仰深いようだ。

保成坑古道のはじまり、この辺りで異臭を感じる
矢印マーカーがある古道
土地公の前の橋を渡り進む。民家を対岸にみて道は進む。最近工事されているようだが、ここから古道の始まりだ。13時34分、分岐にくる。二つとも柑腳山の稜線につながる。右は風口鞍部へと続く道だ。沢を渡り進む。そのあたりで、メンバーは皆異臭を感じる。その先のもう住人がいない料角坑10號民家先で休む。先ほどの異臭について話が出る。老莫さんはこの辺りで遭難したのではないか、という人もいる。

保成坑山への分岐
風口の分岐
保成坑古道もこの地区の古道と同じように、もう使われていないが道幅もあり草もないよい道だ。沢を下方にして高度を上げていく。数分で、右に大きく登っていく。そこには、最近はやりのトレイルランの行事が行われたような、矢印が取り付けられている。14時、右に保成坑山へ続く道の道しるべを見る。枝尾根上の道を登り切り、また山腹の道を進む。14時15分、風口の分岐に着く。ここは最近は、今年4月に訪れた

柑腳山山頂
 崩山坑古道へ降りる
4月に訪れたときと同じに、風口から山腰古道を進み柑腳山へ登る。14時41分、筆者にとって三度目の柑腳山山頂(標高615m)に着く。往路をすこし戻り、登ってきたときの分岐からさらに稜線上の道を行く。14時55分、稜線を柑腳城山へと続くほとんど歩かれていないような道を分け、右に下る。こちらの道も草深い急坂だ。10分ほどで、崩山坑古道に合流する。

新しい道しるべの立つ分岐
大埤古道の石段
崩山坑古道は、淡蘭古道中路として政府の道整備が行われている。昨年歩いた時に比べると、確かに整備されたところがある。15時18分、大埤古道との分岐に来る。新しい立派な道しるべが立てられている。右にとり、大埤古道を下り始める。こちらは、崩山坑古道に比べるとあまり歩かれていないようで、草も多いがかなり長い間石段が続く。12,3分で古道は終了し、ススキの茂る広い道になる。それを追っていくと、開発工事が進んでいる道に出る。振り返ると背後には、三角ピークが高い。柑腳山だろう。この辺りは、靈嚴寺雙溪小築と呼ばれる納骨霊園の土地のようで、その開発が進行中なのだろう。

雙溪小築の前を進む
三叉坑產道分岐をさらに下る
幅の広い工事用未舗装道路をしばらく進み、15時52分靈嚴寺雙溪小築の建物が現れる。読経の音声がスピーカーから流されている。建物の前を通り過ぎ、そこから始まる舗装路を下っていく。途中にある水道で汚れた長靴や登山ステッキを洗う。16時23分、分岐を通り過ぎさらに下る。16時47分、清水坑バス停に着く。すこし暗くなりかけた17時15分、F812番バスがやってきた。20分ほどの乗車で雙溪駅に着き、17時45分数分遅れでやってきた区間電車で帰途に就いた。

清水坑バス停に到着
F812新巴士で雙溪へ
保成坑古道の入口近くで気づいた異臭については、台北にもどったあと老莫さんの家族に連絡を取って話した。9月に行方不明になった後、家族から筆者に連絡があり、その時は知っている情報を伝えていた。その後どうなったのかは、現時点では聞いていない。
今回は、約 18.6㎞、累計登坂約840m、累計下降1250mで下りのほうが多い歩きだ。途中、二つのピークを越えたことになる。休憩込みで約8時間40分の行動時間であった。今は、道の状態が良いので体力に問題なければ、十分お薦めだ。ただし、一年後は豎旗山の稜線道はどうなっているか。

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