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火炎山からの下りで見る倒吊嶺から倒吊子山への稜線(2015/6攝影) |
お茶の街、坪林は山に囲まれている。街の南側にある山は金瓜寮溪の谷の東と西に南北方向にそれぞれ連なっている。西側にある
九芎根山,
芋圓尖,火炎山などは過去に訪れている。東側に連なる山は、
昨年倒吊蓮山へ登ろとしたが、ほとんど歩かれていない道に往生して途中であきらめた。昨年暮、藍天隊がこの地区に入り稜線やそれから派生する枝尾根の道の草刈整備をしてくれた。そこで今回は、その稜線上にある紀州寮山から倒吊嶺へ縦走し、倒吊蓮山をへて坪林へ歩いた。もともと1月に予定したが、天気などの理由で延期、今回天気に恵まれて実行した。
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南から北へ縦走 |
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稜線上では登り下りが続く |
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坪林國中バス停で下車 |
武漢肺炎(新コロナウィルス)が現実の問題で、日本もその確認患者数がここのところ大幅に増え、台湾でも報道されている。幸い台湾は十数年前のSARSの教訓を生かし、防疫に対して積極的に対応し、それほどの増加がない。しかし、交通機関に乗る場合は多くの乗客はマスクをしている。大坪林のターミナルを7時に発車する9028番宜蘭行バスは、そうしたマスクをした乗客でほぼ満員になり発車する。高速道路経由約30分ほどで坪林國中バス停に到着する。筆者も含め14名がここで下車する。
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バス停にある中国新コロナウィルス肺炎に関する防疫の広告 |
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九芎根101登山口 |
登山口の金瓜寮溪の奥まった九芎根101バス停へ、F722とF723の新巴士が往復している。特に週末は一時間ごとに一便運航されている。8時過ぎのF722初便に乗り北宜公路から分かれ金瓜溪沿いに進む。乗車約20数分、8時35分に到着する。ほぼ同時に発車したF723もしばらくすると到着した。すでに別途車で来ていた二人を加え、支度をして都合16名で出発する。バス停の広場のすぐ上に登り口がある。
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二つある道標 |
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急坂が続く |
228三連休中日の今日は、昨日につづいて天気がよい。しかし最近多くの登山者が歩いたと見える土の道は、湿っていてとても滑りやすい。登りが続く。15分ほどの登りの後、少し下ったところで道が分岐する。地元政府が立てたと思われる立派な二つの木製道しるべは、苔におおわれ文字がよく見えない。表示してある所要時間は、随分と大げさであてにならない。道標の柱に取り付けてある藍天隊の紙道標の所要時間が実際的だ。
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稜線上の分岐、右が紀州寮山へ |
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紀州寮山山頂 |
さらに登りが続く。雑木林の間の道は、けっこうしっかりしている。気温はそれほどないが、汗はけっこう流れる。9時42分、分岐に来る。ここも立派な道しるべがある。右は紀州寮山、左は姑婆寮山(倒吊子山)へとある。右にとり登っていく。ここから道の状態は、最近草刈されたばかりのように見える。急坂を登り切り9時54分、稜線上の分岐につく。左は倒吊子山方面、右は紀州寮山だ。先に右にとって紀州寮山を往復する。小さな上り下りのあと、鳥嘴山方向への道を分け10時14分、狭い紀州寮山山頂(標高728m)に着く。樹木に囲まれた山頂は、木々の間を通してかろうじて遠くに連なる山々が見える。往路を引き返す。
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鞍部分岐 |
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稜線上の切り株 |
10時半過ぎ戻った分岐から、稜線を倒吊子山へ向かう。はじめに下っていくが、このセクションは道筋がもうひとつはっきりしない。15分で鞍部に下り切り、左からの道を合わせる。ここは峠で右は沢に下り姑婆寮山への道があるが、ほとんど歩かれておらず草に埋もれている。稜線上の道を登っていく。そのうちやせ尾根の上をいく。坂を登り切り、木々の間に一つピークとその左遠くに倒吊子山と思われる山頂がみえる。まだ遠い。下っていくと、周辺の木々に比べ異様に大きな切り株がある。
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谷を挟んで連なる山々 |
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トゲトゲ黃藤のトンネル |
樹木が少しきれて、右に谷を挟んで烏來から桶後溪にそって連なる山並みが見える。この尾根は
大桶山から
烘爐地山へと途中
落鳳山などを経て続く長い尾根だが、歩く登山者は少なく縦走は大変だろう。道にはトゲトゲの
黃藤がとても多い。幸い藍天隊がすでに刈って通過できるが、注意しないとまだ残っている枝のトゲに引っ掛かる。登山者が歩かなくなると、再び黃藤が茂り通行不能となるだろう。12時28分、最低鞍部で休憩をとる。
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左に龜窟山への道が分岐する |
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右に倒吊子山への道が分岐 |
12時54分、左に金瓜溪へ枝尾根伝いに下る道が分岐するが、草にふさがれている。さらに進み13時28分、また左に龜窟山をへて下る道を分岐する。分岐には地元政府による古い説明板がある。さらに10分ほど登ると、右に倒吊子山への道が分岐する。こちらを取り最高部を越え、少し下ると三角点のある倒吊子山(標高710m)が現れる。昨年12月日付の真新しい山名板や道標が取り付けられている。少し遅めの昼食休憩をとる。
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@倒吊子山山頂 |
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杉林の道を下る |
30分ほどの休憩後、まだ残る縦走路を倒吊嶺に向けて歩き始める。倒吊子山からそのまま下り左に折れて縦走路に合流する道があるようだが、手持ちの地図に表示がないので先の分岐へ戻る。分岐から下り始めると、人工杉林の間を進む。この一帯は植林された杉林のようで、道もおそらく造林作業道なのだろう。先ほどまでの道に比べると状態がよく、下草や黃藤も少ない。
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左に造林道を分ける鞍部分岐 |
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滑りやすい道をトラバース |
こちらも登り下りを繰り返し、倒吊子山から落差150mほどの鞍部を過ぎる。左に倒吊嶺の西側山腹をトラバースしていく道を分ける。こちらがしっかりした造林道で、右に尾根を登る道は最近藍天隊が手入れした登山道だ。かなり急な坂も強引に登る。そのうち左の山腹をトラバースするが、土がとても滑りやすい。下ってまた登り返す。大きな石に、加油快到了(頑張れ残り僅か)という文字がチョークで書いてある。そこから5分ほどで倒吊嶺山頂(標高647m)が現れる。山頂は広々としているが、周囲はすべて樹木だ。
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「加油快到了」 |
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倒吊嶺山頂 |
時間はすでに16時半、ただ残りは良い道で下り切れば舗装路になる。坪林の街までは遠いが、陽が暮れても大丈夫だ。メンバーが取り出して分けるビールがうまい。16時40分、下り始める。今日の歩きで一番道の状態がよい。広々とした緩い坂の道を下っていくと、左に一面ススキの開けた場所にでる。対岸の山々が黄金色にそまるススキの向こうに連なっている。16時57分、ススキの草原から右におれて林の間を下る。すぐに左から山腹をトラバースしてくる造林道と合流、そのすぐ下で茶畑に出る。
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ススキの草原に出る |
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茶畑から坪林を囲む山々を望む.正面は獅公髻尾山,右は和山頭山 |
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倒吊蓮山三角點 |
開けた茶畑からは、坪林の街やそれを囲む山々がのぞめる。すべて以前歩いことがある山々だ。また山道に入り、すぐに倒吊蓮山(標高484m)の三角点を見る。山といっても頂上ではなく、三角点がある位置だ。そこからさらに下っていき、右におれて進む。茶畑の間を進み、17時22分民家脇の登山口に着く。地図がみちわきに設けられている。
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犬が吠える登山口 |
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魚堀路に合流 |
残りは5㎞ぐらいの舗装路歩きだ。少し下ると、道標が左に近道を示している。これを下り、また舗装路をひたすら下る。太陽は次第に傾き、17時42分山の向こうに沈む。17時52分、F823が運行する魚堀路にでる。近くに第五產銷班バス停を見るが、最終便は17時すぎでもうバスは来ない。下っていくと、右に大きな施設の建物を見る。法務部廉政署研修センターとある。18時20分、
去年北宜公路舊道を訪れたときに通過した大林橋を渡り、登って北宜公路を進む。18時35分坪林老街のバスターミナルに着いたときは、すでに暗くなっていた。
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日が暮れた坪林に歩きつく |
歩いた距離14㎞強、累計で900mほど登っている。休憩込みで活動時間約10時間、想定していたより少しかかった。今回はまだ経験の少ないメンバーもいたので、ペースがいつもより遅いこともある。ただ、暗い山道を歩くことなく安全に下山できた。道の状態は、現状では問題ない。縦走なので当然だが、上り下りがかなりあり時間を要する。レベルはクラス4としておく。ある程度の経験者向けだ。