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仙洞湖山の下にある月眉洞 |
台北を貫通する川は、淡水で海にそそぐ淡水河に台湾島の内部から流れてくる支流が合流する。その支流は、大きく北側からの基隆河、東側からの新店溪、そして南側からの大漢溪がある。基隆河は、その源は平溪の近く
石底觀音山にあり、その山並みをぐるっと回って、基隆から台北に向けて流れていく。基隆河の南側は標高729mの
姜子寮山を最高峰とする峰々が続く。一方、北側は
五指山(標高699m)の山並みが間の谷を挟んで並行する。
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最後のピーク分水嶺山にて |
姜子寮山連峰から北側に伸びる枝尾根や、その上にある峰々はほとんど歩いている。一方、五指山連峰から南に延びる枝尾根やピークは、今年の初めまでほとんど訪れていなかった。そんなことで、最近この山域を四回訪れ、今回の山行で大部分をカバーした。相対的に標高は低いが、岩が露出した部分も多く、また急な上り下りもあり、見かけ以上に苦労する。去年からボランティアがはいり、道の整備をして歩きやすくなっているので助かった。
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北から南へ歩く |
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歩行高度表 |
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囲まれた範囲が対象地域 |
五指山連峰の主稜線から南に延びる枝尾根は、西側から見ていくと新山を分けてさらに延びる尾根、次に今回の対象である七分寮山と開眼尖山の鞍部から延びる尾根、そして三界山から延びる尾根がある。
一番目の尾根は三月に十四坑山から五堵獅頭山へ,
三番目の尾根は三界山から大牛稠山へ先月歩いた。今回は残っている二番目の尾根の北部分になる赤皮湖山から分水嶺山へと歩いた。
南の部分は四月に歩いている。基隆河の北側には、五指山連峰から派生する尾根以外にもある。その部分は先月と
今月に二回に分けて歩いているので、この地域をカバーしたことになる。
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台北から國光客運1815番バスで萬里橋頭に到着 |
今回は、萬里區崁腳からスタートである。五指山連峰の反対側で台北の裏側になるので、アクセスは時間がかかる。7時半に國光客運台北バスターミナルに集合し、1815番バスで萬里橋頭へ向かう。1815番は台北市内を通り、また高速道路を降りた後も結構時間がかかる。8時43分に萬里橋頭バス停に到着する。すでに別のバスでやってきたメンバーが待っている。バス停で待つこと約40分、9時20分に崁腳行の789番バスがやってくる。基隆から三名のメンバーがこのバスでやってきた。
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出発前崁腳バス亭にて、背後は登っていく五指山連峰の山々 |
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淡基橫斷古道のある場所は今は鉱山になっている |
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登山口 |
789番バスは、もともと便数が多くない。平日はこの時間より1時間早い。789番バスは、少し寄り道気味に進む。終点の崁腳には9時40分到着だ。今日は17人と、ちょっと多めのパーティだ。支度をして9時50分に出発する。普段よりは、少し遅めの出発だ。舗装路を進み、土地公の祠わきの裕大橋を渡る。左に道なりに登っていく。左に少し下る道に入るが、鉄の門がありその向こうは山が削られている。ここは鉱山のようで、立入禁止の表示がある。もともと考えていた淡基橫斷古道(面桶寮古道)はこの開発で、道筋は壊れてしまっているようだ。そこで、戻りさらに少し登って別の道経由で七分寮山へ主稜線を目指すことにする。
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古墓が草むらにある |
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壊れた橋の脇をゆく |
中崁連絡線 24低1と記されたプレートが付く電柱わきに、入っていく道がある。これが登山口のようだ。入るとすぐに古墓がポツンと草むらにある。その前は生い茂った草むらだが、道はどうやらそこを行くようだ。強引に藪を漕いで行くと、道筋が現れる。すぐに踏板のない丸太だけの橋が現れる。この様子からみるとこの道はかなり立派なものであったはずだ。もう一つ同じような橋が現れる。道はさらに登っていくが、山道が右に折れて登っていく。山道はそのうちに沢の脇を行く。この辺りは道筋がはっきりない。さらに進むと、道らしくなる。10時31分、古い道しるべを見てすぐ、送電鉄塔の下に出る。
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送電鉄塔の下を行く |
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幅の広い保線路を行く |
保線路が始まる。道の状態は、ぐっと良くなる。右からの保線路を合わせ、山腹を行く。10時44分、沢を越える。この辺りは古道のような趣だ。山腹を巻いていき、11時主稜線上の分岐につく。左におれてすぐに七分寮山(標高430m)につく。
去年9月に訪れたときと同じように、広く草が刈られて明るい山頂だ。休憩後鞍部に向けて下り始める。少し行くと、草刈作業中に遭遇する。近いうちにトレイルランが行われるので、その準備とのこと。途中少し登り返しがあり、その後竹林の間を下る。11時32分、大きな竹藪がいくつもある鞍部に到着する。左に少し行き、もともと予定していた古道の様子を見る。やはり草深い。
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草が刈られた七分寮山山頂 |
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十字路鞍部 |
鞍部から下り始める。このセクションは淡基橫斷古道の一部になる。道筋はちょっと薄いが、迷うことはない。下ること10分、タケノコ畑に出る。どのタケノコ畑でも同じだが、道筋がもう一つはっきりしない。右に下ってみるが違うようだ。もとに戻ると下っていく道がある。数分下っていく。11時56分、産業道路(華新二路)に出る。右に折れて登る。12時3分、峠部分の分岐にくる。道脇に石の机椅子がある。ここで食事休憩をとる。
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古道を下る |
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タケノコ畑を行く |
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舗装路分岐部、この近くで昼食休憩 |
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赤皮湖山へ右に曲がり歩く |
約30分の休憩後、舗装路を歩き始める。道はほぼ稜線上を進んでいく。気持ちが良い。ほとんど行くかう車もバイクもないこの道は、サイクリングにも良いのではないかと思う。13時47分、右に赤皮湖山の登山口がある。少し広い道を行くと、左に山道が始まる。昨年夏に道整備が行われたようで、道筋ははっきりしている。10分ほどで赤皮湖山山頂(標高315m)につく。周囲は樹木で展望はない。下りも道筋ははっきりしている。数分でタケノコ畑にでてさらに下り、13時14分また舗装路に戻る。道をさらに数分下り左に山道が登っていく入口で少し休憩をとる。
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@赤皮湖山山頂 |
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稜線上の大岩 |
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仙洞湖山 |
山道は急坂で始まる。登りきると少し下り、登り返して尾根上にでる。前方に山頂が平らでそのすぐ下に大きな岩が露出する山がある。次の目的地仙洞湖山だ。まだ少し距離がある。14時、右に華新二路へ下る道が分岐する。尾根上を進んでいくと、大きな岩が現れる。道は、左に山腹を巻いていく。仙洞湖山のこちら側は遠くから見たように、岩が切り立っているので、山頂へはこれを巻いて東側の緩やかな斜面にとりついて登る。最後の草原を登り切り、14時17分、仙洞湖山山頂(標高298m、別名鹿寮山)につく。周囲は高い草で囲まれている。草越しに五指山連峰やその向こうに磺嘴山が見える。
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仙洞湖山山頂 |
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シダの間の道を下る |
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月眉洞の奥にある本棚や神像など |
下り始め14時30分左に道を分ける。右の道は、すぐにシダの茂る木々の稀な林の間を下る。道筋ははっきりしている。坂が急になり14時42分、登山口に降り立つ。左に折れて少し行く。人声が聞こえてくる。月眉洞の洞窟に十人ぐらいの登山グループが休んでいる。オーバーハングの岩の下にある大きな開けた洞窟には、神像や椅子机が置いてある。我々もここで休憩をとる。
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月眉洞から下る |
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帆船岩 |
約30分ほどの長い休憩後、月眉洞から下り始める。急な下りを数分行くと沢わきに降りる。沢にそって三、四分いき、舗装路に出る。左に少し行くと、薄暗い道脇に山道がはいっていく。山道は山腹を巻いていく。数分で右に華新尖西南峰への道を分岐する。左に進んで大きく下り、帆船石と名付けられた大岩を過ぎる。また登り返して稜線の分岐に上がる。左に尾根を登っていく。破傘蕨がびっしり茂っている。藪漕ぎすると手袋に胞子がびっしりついている。16時華新尖に到着する。狭い山頂だ。
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繁茂する破傘蕨を藪漕ぎ |
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密生する草の間を前方の分水嶺山へ進む |
往路を先ほどの分岐へ下る。稜線を追っていく。道脇には山月桃がたくさん咲いている。16時15分、分岐につく。左は仙洞湖山へ続く。直進して分水嶺山を目指す。このセクションは、草刈されて時間がたっているようだ。草深い。竹がびっしり生えている。今は細い竹がが時間が過ぎれば、通り過ぎるのが大変になる。ロープセクションを通り過ぎ、16時27分分水嶺山(標高190m)につく。山頂は左側が開けていて、すぐ下に高速道路が望める。その向こうには、以前歩いた石獅山や瑪陵尖がある。
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高速道路を望む、その向こうに石獅山や瑪陵尖が見える |
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コンクリ柵わきの保線路を下る |
少し下ると送電鉄塔をくぐる。ここからは保線路になるので道の状態が良くなる。左に壊れたコンクリの柵が続き、16時48分大成街に降りる。4月初めに歩いたところだ。少し下ったところに分水嶺山南峰への登山口があるが、草深いので登らないでそのまま舗装路を下る。慈聖宮への道はちょうど水道工事中だ。前回同様、民家の脇から登り、右へ華新山への道をとる。急な坂は草に覆われている。登り切り右に曲がっていくと、道がなくなってしまった。おそらく生えた草に埋もれているのだろう。時間もすでに17時を回り、草を刈って進むのは大変だ。往路を戻り、大成街を下る。17時30分過ぎ友諒橋バス停に着く。15分ほど待ち、やってきた703番バスで七堵へ出た。
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大成街へ出る |
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山月桃の花 |
この山域の山は、華新山や分水嶺山南峰,華新尖西南峰を除いてすべて歩いたことになる。すぐまた訪れることはないだろうが、願わくば多くの登山者が引き続き歩き、分水嶺山のようにまた草にふさがれることがないとよい。亜熱帯の台湾は、刈り取っても樹木がすぐに伸びる。今回は歩行時間7時間半(休憩込み)、距離14.2㎞、累計850mほど登っている。今回のルートは、途中舗装された産業道路もあり、登り始めの部分、分水嶺山,華新山への道以外は問題ない。